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[画像付き] 気象観測員『メグミさん』。 地表のほとんどが海に沈んだ近未来の地球で、日々がんばってます。  作者: トウフキヌゴシ
第一章

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第14話、ボーンスター

 スーパーハリケーン一過、晴天である。


 ”文福茶釜”は二本のマストに、帆を一杯に張って快走中だ。

 帆の調節は、”気象部”が収集したデータなどを使って半自動で行われる。

 風が強い時では、スクリュー推進より、船足が出るときもあった。

 風が十分吹いていないときは、”半帆、半暗車(スクリュー)”航行を行う。


 「きれいだね~」

 青い空を背景に、白い帆のコントラストが美しい。

 フライトジャケットから、煙草とオイルライターを出した。

 煙草の箱には”ボーンスター”と書かれていた。


 ピン、ヴォッ


 煙草に火を点けた。


「ふーーー」

 白い煙と共に、精神を安定させる香りが、周りに漂う。



 特定保健用嗜好品、合成煙草”ボーンスター”


 限られた土地の中で、植物の煙草を育てることは無理である。

 そのため主原料は、”魚の骨”で作られている。

 本物の煙草に比べて、味、香りともにかなり再現されているらしい。

 常習性は当然なく、吸い続けると骨が強くなる。

 フレーバーとして、ビタミンCを含んでいるものもあり、政府は船乗りに”喫煙”を推奨している。



「ん。となりいいかな」

 トウジョウ艦長が近づいてくる。


「どうぞ」


 懐から、くちゃくちゃになった”ゴールデンフィッシュ”と書かれた煙草を出した。

 大きく黒く塗りつぶされた魚の絵が描かれている。

 マッチ箱を取り出し一度振って、カラリと音をさせてから、取り出して火を点ける。


 トウジョウは、甲板端の手すりにもたれながら、煙を吐いた。


「ヒイラギ准尉のこと、ありがとね」

「パイロットは、もう一人いたんだけど飛行時間がそんなに変わらなくてね」


 メグミの表情が微妙に曇った。


「ああ。いや、もう一人は今、結婚して、新婚旅行に行ってるよ」


 他、色々話していると


「艦長っ」

 カオリ大尉の声が聞こえてきた。


「おっと。サボってるのがばれちゃう」


 天気が良ければ明日、離艦することを伝えた。

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