40 聖女の眠り
ふらふらと、ブランシールは歩いていた。
あまりに異様なものは、手を出すのが難しい。
魂が身体から抜け出たかのように頼りなく彷徨うブランシールに声を掛けられるものはいない。
心神喪失状態のまま、まるで身体が勝手に動き出してしまったかのように、ブランシールは見える。
侍女や従僕、貴族達とすれ違うが誰もとめようとはしなかった。そんな勇気を持っている者は誰もいない、。
ブランシールは、意識が戻っていない訳では無いのだ。
ただ身体に力が碌に入らない。
『王子様』の振舞など、今のブランシールには出来る事ではないが、彼が努力して『王子様』であったのは、レーシアーナの為なのだ。
だからもう、そんなものはどうでもいい。
しなければならない事をする。
ブランシールの心にあるのはそれだけで、それに所作や振舞の美しさは絡んでこない。
歩いていると、拘束されたレーノックスが引っ張ってこられるのが見えて、ブランシールは片眉をあげた。
ある意味非常に好都合、神を盲目的に崇拝する人間ではないが、これは主の思し召しとかいうやつかもしれない。
とても馬鹿らしいけれど、しなければならない事をする為に出向こうと思っていたブランシールは、少しずつ回ってきた頭で、気づいた。
思し召しどころか、そうさせないでおこうと思った出来事が起きてしまったようだ。
それならそれに応じて動くまでの事だが。
縄をかけられこそしなかったが、左右から衛兵に腕を組まれ、背後に逃げられないようもう一人、合計三人がレーノックスを拘束しているのだが、レーノックスという男の顔が余裕に溢れたそれだからか、まるで三人の供を連れる貴人に見えるのが、ある意味滑稽だ。
かつん、こつん。
レーノックスは引き摺られているわけではない。威厳を持って歩いている。衛兵の具足が鳴る音だけでなく、華奢な踵の高い靴が立てる足音は確かに聞こえた。
ブランシールはにっこりと笑う。
レーノックスと目が合った。
王弟だと気付いた衛兵が慌てて礼をとる。レーノックスを引き摺るように跪く。
ブランシールは手をふってそれをとめさせた。
「苦しゅうない。その者、如何致した?」
「王の花嫁を侮辱した罪により、監獄に」
ああ、と、ブランシールは思う。やはり、そうなったか。
そして、笑えない事態になったと気付いてしまう。
レイリエは随分盛んに動いたのだろう。自分と同じ彼女の手駒の表情を見る限り、今のところ彼女の思うままに事が進んでいるとみて良い。
この権力欲の塊のような男が、ただ、エスメラルダを侮辱して身に破滅を招いたはずがない。
全て計算づくだ。
ただ、その計算がどのようなものかをブランシールは知らないし、知ろうとも思えない。レイリエの手駒と変えられた男が、拷問くらいで全て洗いざらいぶちまけてくれるという、そんな甘い考えをブランシールは抱きはしない。
哀れな奴だと、ブランシールは思った。
ただの手駒に過ぎぬレーノックスは、けれど、恐らくそれを喜んで受け入れ、誇りとすら思っているに違いない。
哀れで情けない奴。それでも、自分より数段マシな人間だ。
本当に愛する者を自らの手で殺めたブランシールなどより。数段マシ。
だが、人間としての程度がマシでも、だからといって、ブランシールは躊躇わない。
「宰相とは親交があった。少しだけ話しても良いか?」
ブランシールの問いに、しかし衛兵達は嫌々をするように全員がかぶりを振った。
「例え王弟殿下でも、お許しにはならないでしょう。陛下は今、強い怒りを抱えておいでです」
「よう言うた」
ブランンシールはにっこりと笑うとつかつかとレーノックスに近づいた。王弟の歩みを衛兵の身分では止められない。
そして思いっ切りその顎を蹴り飛ばす!
どさ、という音と共にレーノックスは倒れ伏した。両腕を支えられているので、完全に地面に伸びる事もできない。
「王弟殿下!?」
衛兵達が声を上げるのを、ブランシールは笑顔で制した。
「王の花嫁は私の義姉になるお方だ。王である陛下がお立場故無闇に暴力を振るえぬのなら、兄の代わりに仕置きするのも弟の務めぞ、さぁ、立て」
ぐいっと、ブランシールはレーノックスの襟首を掴むと無理やり立たせた。
何をしていたのか、レーノックスから聞き出したかった。聞き出せたら随分と手間がはかどるのだが、しかし、レイリエに絶対の服従を誓う彼から何が得られよう?
そんな事は解りきった事なのに、自分もどうしようもない。
「立ち上がらせよ」
ブランシールの命に、衛兵達は左右からレーノックスを立たせるように引っ張りながら立ち上がった。
そのレーノックスの着衣の乱れをブランシールは直してやる。
何処か恐ろし気な笑顔を浮かべ、埃を払う真似をしつつブランシールはレーノックスの胴着のポケットに、『何か』を入れた。
衛兵達は気付かなかった。レーノックスは気付いた。
最後に襟を治してやりながらブランシールはレーノックスに囁く。甘く歌うように。
「心配しないで。レイリエは僕が殺すから君は己の死を待てばいいだけの話だ」
その言葉にレーノックスは今まで覚えた事のない恐怖を覚えた。
ブランシールはやるといったらやる。
フランヴェルジュとは違うのだ。ブランシールは甘くて、その甘さ故に死刑すら執行できない『綺麗な王様』ではない。
「王弟殿下!!」
思わず叫んだレーノックスは、しかし無視された。
「連れて行け。目障りだ」
「は!!」
三人の衛兵が胸を叩いた。
そして今度は本当に引き摺っていく。レーノックスはもはや歩く気力がないようだった。
逆らって抵抗するのではなく引き摺られるままの老宰相は、もしかすれば腰が抜けてしまったのだろうか?
僕は慈悲を施したんだよ? レーノックス。
ブランシールは心の内で笑う。
ちゃんと君のポケットに入れておいてあげたのだから。致死の毒薬が詰められたからくり細工のピアスを。
しかし、ブランシールにはのんびりしている暇がなかった。
レーシアーナの所に行かなくては。
自分が正気でなかった時間の記憶はやけにはっきりと覚えている。
もしフランヴェルジュが、『レーシアーナが迷う』と言わなければブランシールは正気に返ること叶わなかった事であろう。
あの言葉が引き金になり、ゆっくりとブランシールは正気に返った。いや、ある意味今の方が狂っているという面では壊れているのだが。
だがしかし。
ブランシールはレーシアーナの天上での幸せまで奪いたくなかった。
自分の為に思い悩んで欲しくなかったから、ブランシールは歩き続ける。
遺骸が安置されているその場所まで。
先ほど、見苦しくないよう髪に櫛を入れ、口を濯ぎ、衣服を改めた。
振舞や所作が追い付かなくても、妻の死に対峙するにあたり最低限の礼儀を、と、そう思ったのだ。
白一色の衣装に、黒い喪の腕章。
レーシアーナはブランシールがだらしない格好をする事を嫌がった。
きっちりした格好でいられるよう常に気を配っていた。
多分レーシアーナは解っていたのだろうとブランシールは思う。
服をだらしなく着崩していても、それが粋に見える人種もいればそうでない人種もいるという事、そしてブランシールは後者に当てはまる事という事を。
レーシアーナ自身は華美な事を嫌う、慎ましい娘だった。そう言うところも愛していた。
◆◆◆
響く足音に、エスメラルダはきっと眉を寄せた。
此処は神殿の一室であることからカスラ達の力は借りる事が出来ない。
だが、代わりにバジリルの血族が守っているはずだ。
王妃になり損ねた自分はどうか知らないが、王弟妃の遺骸は守られることであろう。そしてルジュアインの命も。
だが、それでもエスメラルダは緊張した。
死ぬのは嫌だと思ってしまう自分を恥ながら、アユリカナのものでもない、マーデュリシィやマーグのものでもない、せかせかとした足音に耳をそばだてる。
死ぬのは嫌だ。レーシアーナはどう考えても自分を庇ったとしか思えない。何故そのタイミングが解ったのかというところまではエスメラルダの知るところではなかったが、彼女がいなければ自分は死んでいた。
レーシアーナが生き返るなら今すぐにこの命を絶つこともエスメラルダは躊躇わない。
けれど、レーシアーナがくれた命を無駄に散らすという事は、レーシアーナの死に対してあまりにも……。
今は死ねない。レーシアーナの死が無駄になるような真似をすることが出来るものか。それは自分の中の彼女への愛に余りにも不忠だ。
おまけに腕の中に気持ちよさそうに眠るルジュアインがいる。
幸いと言えば乳母のラトゥヤが仮眠の為に此処を離れている事だ。
護身術という物には究極に才能がないと、お妃教育で匙を投げられたエスメラルダだが、何故か隠れようとか大声を上げようとかいう発想が欠片も浮かばなかったのは、彼女の疲労を表すようでもある。
エスメラルダとレーシアーナとルジュアインがいる部屋の前で立ち止まった。
泣き声が聞こえた。悲鳴が響いた。
何!? 何なの!!
神殿騎士達が何故泣いたり悲鳴を上げたりしているのだろう?
思いながら、エスメラルダはルジュアインを揺り篭に手荒く横たえると黒いスカートの中をまさぐる。太腿に隠された、自害の為の道具。
短剣が、そこにはあった。
それを自ら生を投げ出す為でなく、戦うために手に取る。
扉が開けられる。廊下から光が差し込んで、薄暗い部屋を照らす。
短剣を構えていたエスメラルダは、しかしその短剣を落としてしまう。
「ブランシール様……?」
記憶の中のブランシールはいつも滑るように歩いていた。あんな足音ではない。
だが、あの足音こそがブランシールの本質なのかもしれない。
「エスメラルダ……還ってきたよ」
『帰って』、ではなく、『還って』
だから。神殿騎士達は喜びの涙と悲鳴を上げたのだ。
もしエスメラルダが、シャンデリアに細工し落とした犯人がブランシールだと知っていたならば技量が無くとも彼を刺し殺した事であろう。
だが、何も知らないから、ただ、言う。
「遅すぎます。レーシアーナがどれ程心細かったと思いますか?」
エスメラルダはレーシアーナに庇われ、彼女が黄泉路を辿った事についてブランシールに謝罪しようとは思ってもいない。
レーシアーナの死でエスメラルダの心に生まれたのは、レーシアーナの命の分まで自分の命に責任を持ち、そして幸せになること。
お前のせいで妻が死んだと罵る男ならば仕方がない、けれどエスメラルダにとってブランシールはレーシアーナを愛し、そして唐突に失った、同じ境遇の身でもある。同志と呼べるかもしれない。
そう思わなければ、どうして勝手にこの身を庇って死んだのかと、その行為は自分勝手だと、レーシアーナを罵り始めるであろう自分を、エスメラルダはきっと無意識で知っている。
どうしてわたくしを貴女のいない世界で、貴女に救われた負い目を抱き続けながら生き続けさせるだなんて酷いことが出来るの!?
その悲鳴もエスメラルダの中の真実ではあるが、彼女はそれがあふれ出ない様に自分を律するのが得意だ。
「すまない、エスメラルダ」
ぺこりとブランシールは頭を下げた。
罵られる事をエスメラルダは想定にいれていたが、ブランシールはその権利を持たない。
それどころか、エスメラルダに対しては己の命を差し出してでも謝罪し、償う生き方をせねばならないのはブランシールの方なのだ。
ただ、もういない女を思うと、彼は彼なりに思う方法で自分を裁くことを選んだ。
妻を、罪人の妻でありそしてその被害者でもある複雑な立場に立たせたくはない。
「ずっと、貴女がいてくれたなら……きっとレーシアーナは寂しくはなかった……」
食事を食べさせられている最中、フランヴェルジュはエスメラルダの事を少し口にしていた。
ずっと、ずっと、棺の側にいると。
ずっと、ずっと、レーシアーナが寂しくないように。
「貴女にはお礼を言わなければ」
「いいえ、必要ありませんわ。それより、陛下にはもう、起きられるようになった事、お伝えになられたのですか?」
「いや、まだだ」
ブランシールの答えに、エスメラルダは違和感を覚えた。
兄が第一のブランシールが、フランヴェルジュを放ってレーシアーナの所に来た。今までならそれはあり得なかった気がするのだ。
レーシアーナの友人としては、エスメラルダは素直に嬉しいのだけれども。
「失礼」
すっとブランシールはエスメラルダの横を通り過ぎると棺の頭許にまで足を運んだ。
「遅くなったことを許してほしい、レーシアーナ」
そう言ってレーシアーナの頬を撫でるブランシールを見て、エスメラルダは唾を飲み込んだ。
夫婦の邪魔をしてはいけないわ。
もう、二人で過ごせる時間は殆どないのだもの。
「ブランシール様。わたくし、陛下にブランシール様が此方にいらっしゃる事をお伝えしに参ります。ルジュアインは乳母に預けましょう」
「ああ、有難う」
ドアが閉まる音を、ブランシールは遠くで聞いた。
二人っきり。
愛おし気に、白い肌を撫でる。
死体特有の冷たさを感じながらブランシールは思うのだ。
この冷たさこそが、僕の犯した罪の象徴。
「復讐するよ、レーシアーナ。レイリエにも、僕自身にも、もうすぐ……待っていてくれ」
愛しいレーシアーナ。
復讐を全て果たし、この身を処分したら、一目でいいからあの世とやらで会えたらと、僕はそンな事を思ってしまう。そんな資格はないと解っていても、お前が愛おしい。
◆◆◆
国葬自体はしめやかに行われた。
暑い位の陽気に、参列者達はこっそり汗を拭う。
優しい日溜りのようだったレーシアーナに相応しい国葬であった。
何千人もの人間が参列した。
メルローアという国が悲しんだ。
威張らない、優しい王弟妃は生前の彼女は知らぬ事であったけれどとても愛される存在だった。皆、彼女の事が好きだったのである。
王家に男の子をもたらした女性を、国王とその花嫁を救う為に命を投げ出したその女性を、市井の者達は『聖女』と呼んだ。
粛々と、列が続いていく。
エスメラルダは先頭を歩いていた。
フランヴェルジュの隣、王妃の場所である。
エスメラルダは最初、そこに立つのを拒んだ。だが、フランヴェルジュもアユリカナもそれを許さなかった。
国内外に、エスメラルダがどういう立場にあるのか知らしめなくてはならないと、二人は主張したのである。
ブランシールは何も言わなかった。
だが、その沈黙が一番効果的だった。
結局、今、エスメラルダはフランヴェルジュの隣にいる。
そのすぐ後ろにルジュアインを抱いたアユリカナが続いた。
アユリカナの後ろには傍流の王族が並ぶ。
ブランシールは霊園で墓に祈りを捧げているはずだ。
その霊園までの距離を、ひたすら歩く。
エスメラルダはずっと棺に付きっ切りでろくに眠っていなかった。ろくに食べていなかった。
その身体にこの葬送は少しばかりハードである。
しかし、エスメラルダは後悔していない。
眠ったり食べたりすることなら後でも出来る。
レーシアーナが眠りについてから。それからでも充分だった。
よろけそうになりながらも、エスメラルダは背筋をぴんと伸ばす。
絶対よろけては駄目。
毅然としなさい!! エスメラルダ!!
ふらつく身体を叱咤する。
棺は、傍流王族の後に担がれていた。
その後ろには貴族が続く。レイデン家のものも後ろに続いていた。
道の端にはハンカチで涙を拭う者達や、静かに頭を下げる民で溢れていた。
やがて、カリナグレイの外れの霊園に辿り着いた。
そこは緑と花で埋められた美しい公園。
しかし、王族以外の立ち入りを許されていない禁足地である。
道端で泣くに留まらず、貴族達の後をついて歩いてきた民草は此処までしか来る事が出来ない。貴族も勿論、此処で待機だ。
エスメラルダは仮の王妃として足を踏み入れる事を許されたが、アシュレの時はこの入り口で泣いたのだった。
ローグ家の家督は、男子を残さず父親が急逝した事により取り上げられている。貴族でもなんでもない今のエスメラルダでは、フランヴェルジュとの繋がりがなければレーシアーナの近くにいることも出来なかったのだ。
足がいい加減疲れてきた。
エリファスにいた頃は、よくアシュレにつきあって散策などをしたのでエスメラルダは脚力には自信があったのだが、王都カリナグレイに戻ってからはもっぱら移動が馬車になったが為に知らぬうちに脚が萎えていたのだ。
足の痛みが顔に出ぬように、と、エスメラルダは真っ直ぐ前を向いた。
その視線がブランシールとマーデュリシィを捕らえる。
ああ、着いたのだわ。
新しいレーシアーナの揺籃。
辿り着くと、大きな穴が掘られていた。
石碑は仮のもので、後にちゃんとしたものと取り替えられるという。
仮の石碑は薔薇色の大理石でレーシアーナの名前と生没年が刻まれていた。それはそれで充分美しかったのだが、王弟妃の墓にはい如何にも急ごしらえと言った感じが拭えない。
ブランシールは蒼白な顔で立っていた。
最後の最後で思うことはこの墓穴に飛び込んでレーシアーナと一緒に埋められたいということだった。
そんな自分が情けなくてたまらないのだけれど、土の下でも手をつなぎながら永遠を想う事が出来たら。
レーシアーナが自分を許せなくとも、良い。どうか、一ミリでも彼女の近くでいさせてください。
しかし、ブランシールにはまだやらなくてはならないことがある。
やると、そう決めた。
幸せな墓穴の夢を見ているブランシール自身も彼が裁くと決めた対象で。
約束したよね、僕のレーシアーナ。
君に対してはもうこれ以上嘘を重ねるのは、嫌だ。
だから、僕はやる。
もう少しだけ待って欲しい。
後ほんの少しで僕は。
マーデュリシィの祈りが始まった。
王族達は頭を垂れて祈りを復唱する。
東側にあった太陽が頭上真上に来た時、祈りは終った。棺が最後に今一度開けられ、ブランシールがレーシアーナの唇に、エスメラルダはその頬に口づける。
その唇の感触に、ブランシールは泣き出したかった。生きていたときと余りに違う。
それが愚かな傀儡になり下がり、言われるままに罪を犯したものへの罰だ。
棺が閉められ、石碑の前の穴に入れられる。
ブランシールが両手で土をすくう。棺にかけるためだ。
最初の土は夫か父親の仕事だった。
湿った土がとても重くて、だけれども温かかった。
レーシアーナは一人でも眠れるだろうか?
思いながらブランシールは土をかぶせた。
大地が、せめて優しい寝具になりますように。
じゃっという音が響く。
アユリカナ、フランヴェルジュに続き、エスメラルダも土をすくい、棺にかける。
エスメラルダは叫び声を飲み込んだ。
こんな暗闇に貴女を一人ぼっちにしなきゃいけないの?
ああ、レーシアーナ、貴女が、遠い。




