出会い。2話
「ごめんなさい、ごめんなさい」
ベッドの上でスマホをいじっていると、ふとその言葉を思い出した。
黒髪ロングで小柄な彼女に、どうやら俺は恋をしてしまったらしい。しかし、恋愛などしてきたことは無くどうすればいいか困惑した。
「明日、話してみよっかな。」
明日の学校に少しの期待を寄せつつ、電気を消した。
「いってきまーす。」
過去に類を見ないくらい元気に家を出た。昨日と同じようにバス停で待つ。
「あの、、昨日の、方ですか?」
震えるような声で誰かが話しかけてきた。声のする方を振り返ると、そこには彼女がいた。思いがけない再会に俺の心臓は太鼓を打つ。
「そ、そうです…。えっと、、お名前はなんて言いますか?」
なんとも不自然な会話だ。俺のコミュ障が遺憾なく発揮される。
「いいづか、もね…。です。弦巻高校の一年五組です。」
もね…。彼女の容姿にぴったりの名前だ。
「俺は、田口純平。じゅんって呼んで下さい。」
「・・・・・・。」
沈黙が流れる。いきなり名前呼びとかやりすぎたか。沈黙に耐えきれず何か話そうとすると、
「じゅん、、良い名前ですね。」
名前を褒められただけなのに、なんだか人生で一番嬉しかったような気がした。
それから俺たちは一緒に学校へ向かう。