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流れの武器屋  作者: はぎま
迷宮・古壁の回廊
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攻略者

 少しふらつきながら階段を下りる。左腕が無くなりバランスが悪い。


「左腕があればくっついたんだろうけど…タケルに左腕を切断された時に、負けそうだったから勢い余ってサクリファイス使っちゃったんだよなぁ」


 左腕を犠牲に追撃。それが無ければ負けていたという程に、タケルは強かった。


「同郷だって言ってくれれば良いのに…まっ、アイツにとってそんなのは関係無いのか」


 少し下りると階段が終わり、再び両開きの大きな扉が出現。


 恐る恐る扉を開いて覗いてみる。


「んー…おっ!宝箱!」


 廊下の先に円形の部屋。その中には石碑と、宝箱が3つ。


 石碑には「迷宮・古壁の回廊、終着点」と書かれている。


「古壁の回廊っていう名前なのを初めて知ったな…宝箱は、金色2つと…黒色宝箱。金の上は黒なのか?もう武器がほとんど無いから助かるな」


 大量犠牲により、使わない武器はほとんど使ってしまった。メイン武器を犠牲にしなくて良かったと思いながら、金色宝箱から開けていく。



≪ルナライトちゃん人形・アンバーバージョン、ランクーー≫

「おー!琥珀色!絶対シークレットカラーだ!」


≪古代鎧・アヴァロンの光鎧、ランクーー、ーーー≫

「んー?アヴァロスの闇鎧と関係ある?」


≪嵐の宝珠、ランクS≫

「なんか意味あるのかな?無いなら武器にしたいけど」


≪スキル書・詠唱破棄、ランクS≫

「魔法使いが欲しがりそうだなぁ」


≪極みの擬似餌、ランクS≫

「ルアーだな。今度釣り行こう…片手だけど…あっ義手を作れば良いのか」


≪古代魔法・遠隔呪法、ランクA、遠くに呪いを届ける魔法≫

「呪怨砲行きだな」


≪幸運のからくり時計、ランクS≫

「おっ、やった。でも幸運系の効果ってあんまり無いよな…不幸が多いのか」


≪集中出来る折り畳み勉強机、ランクA≫

「学生時代に欲しかった…空間テントに設置かな」


≪偽装の宝珠、ランクーー、様々な物を偽装出来る≫

「人に使うか武器に使うかだな…使い道無かったらクソなピアスに合成かな」


≪エンゲージリング、ランクA、一組の左手薬指に嵌める指輪・お互いの位置が解る≫

「嫌味か?」



 もう片方の金色宝箱も見ていく。


≪嵐槍・ヴォルテックス・ストーム、ランクS+、攻撃2200、風属性・風操作・風嵐魔法・飛行≫

「魔武器だ。たしか王国の王子が似た様なヤツ持ってるらしいけど…」


≪マギクマタイト、ランクーー≫

「高ランクの鉱石!…なんでクマの形?」


≪マギウサタイト、ランクーー≫

「ウサギの形…置物にしようかな」


≪フラマフラムちゃん人形・サマーバージョン、ランクーー≫

「おー!ナイスバディ!ありがとうございます!」


≪古代魔法・煉獄火炎、ランクS+、煉獄の炎を召喚する魔法≫

「爆竜の戦斧に合成しようかな…でも強すぎると俺が焼け死ぬからなぁ」


≪拡張パック、ランクA、空間を快適な温度に出来る≫

「んー、どうしよう。テントに使おうかな…」


≪火炎の宝珠、ランクS≫

「おっ、揃ったかな?後で並べよ」


≪転職変更の宝珠、ランクS、賢者転職可能≫

「へぇー、こんなのあるんだ。高く売れそう」


≪転職変更の宝珠、ランクS、アサシン転職可能≫

「Sは帝級なのかな?今度職業について調べるか。まだあるな」


≪転職変更の宝珠、ランクS、大精霊術士転職可能≫

「ここに来る様な人って別に転職する必要無いよな」


≪古代の歯車、ランクA≫

「なんかに使うのかな?」


≪イカサマの黒手袋、ランクA+、器用さ上昇(大)≫

「黒い手袋か」



 金色宝箱を確認して収納。


 残るは真ん中にある大きな黒色宝箱。


「人によって中身が変わるのならば、欲しい物が出る筈…空間を越える様な、地球に繋がる物…」


 ドキドキしながら開けて確認。



≪2つの転移石、ランクS、迷宮・海底神殿往復≫

「新しいダンジョン…片方を部屋に置いておけば往復出来るのか…」


≪2つの転移石、ランクーー、迷宮・浮遊城往復可能≫

「浮遊城…なんか凄そうな場所だな…」


≪次元龍の涙、ランクS+、次元の狭間に送られる≫

「なんか惜しいんだよな…」


≪神酒、ランクS、不老効果≫

「権力者が欲しがりそう…」


≪黄金の鳥、ランクS、一月に一度黄金の卵を生む≫

「もう働かなくて良いかな?」


≪凄くエッチな本、ランクーー≫

「……エロい」


≪古代兵器設計図、ランクーー≫

「へぇー。まんま戦車だな」


≪次元の羅針盤、ランクーー、他の次元世界を示す≫

「あぁ!惜しい!示すだけじゃ足りない!」


≪光衣・アヴァロンの法衣、ランクーー、ーーー≫

「アヴァロンとアヴァロスってなんだろ?」


≪虹の花、ランクーー、虹色の花≫

「綺麗な花だなー。飾るか」



 黒色宝箱を確認し終わり、地球に届く物は無く惜しい結果になったが手応えは感じる。他のダンジョンを攻略すればありそうだと感じた。



「後は宝石とかお金だなぁ。記念に石碑も貰って行こう」

 破壊神剣でスパッと斬り収納。部屋の中は何も無い空間になった。奥に魔方陣が見える。


≪帰還転移陣、ランクA、魔石を設置すれば起動≫


「奥に転移陣があるな…帰る前に全身タイツにリベンジするか。その前に義手でも作るかな」


 幸運のからくり時計、金剛結晶、黒い宝石、ナックル系統の武器、ルーンソード、金色宝箱を合成。


≪幸運の義手、ランクS+、拳聖レベル65、攻撃1350、魔法破壊・不壊・幸運上昇(大)≫


 黒い義手を作り、左腕に嵌めてみる。左手をグーパー開いてみると問題無く動くが、少し蒸れそうだ。


「一応動く…けど」


 義手で武器を持ってみると上手く動かない。両手持ちなら大丈夫そうだ。


「…リハビリが必要なのかな?…慣れないと武器は持てないか」


 イカサマの黒手袋を左手に嵌める。問題無く動くので、肌を見られなければ義手だとバレる事は無いだろう。



 トトは来た道を戻る。階段を上り、タケルと闘った場所に戻って来た。


「あれ?瓦礫が無くなって闘技場が元に戻ってるな」


 闘技場の中心に立ち、辺りを眺めている時。


 ズンッ。ズンッ。何か重い雰囲気が此方に迫って来る。



「…やっぱり来たか。執念深いねぇ」


 ドンッ。扉をこじ開けてやって来たメタリックカラーの人型。


 ふよふよと宙を浮き、両手に持つ重力鎚が鈍く輝いていた。


≪アゾットゼルク・ゴーレム、クラス7、強さ27695、魔力との親和性が高い魔法水銀で出来たゴーレム≫


「強くなってるな。全身タイツのクセに、お前のせいでこんな所まで来ちまったじゃねえか」



『グ…ゴ…モクヒョウ…ホソク』


「おまけに左腕まで無くした。どうしてくれんだよ」


 右手を背中に。そして、破壊神剣を抜く。



 ゴーレムが重力鎚を振りかぶり『グラビティ…ウェーブ』指向性のある重力の波をトトに飛ばす。


 ドッドッド。トトは動かず破壊神剣で前方を斬った。


 ドッ…。斬られた波は四散する。


「属性破壊…俺にはもう重力攻撃は効かないぞ」


『グ…ギ…グラビティ…プレス』

 ドンッ!重力が空間を押し潰すが、破壊神剣を掲げるトトには効果が無い。


 スタスタとゴーレムに近寄る。


 そして、ゴーレムの目の前に到達した。


「まぁでも、お蔭でこの剣を手にした。ありがとな。破壊の一撃!」

 斬!ゴーレムを縦に両断する一撃。


『ギ…ア…サイ…セイ』

 再生しようとするがゴーレムに変化は無かった。


「悪いな。この剣は能力も破壊出来るんだ」


『グ…ギ…』


 やがて溶ける様に沈黙。


 あれだけ苦労した相手に一撃で終わった事に、少しの虚しさを覚え。


「…」

 ゴーレムと重力鎚を収納。

 帰還転移陣の所に行く為に階段を下りる。


「この超絶クズな剣こと破壊神剣があれば、世界征服くらい出来そうだな。やらないけど」



 扱いを間違えるとお尋ね者になりそうな負のオーラを出す剣。危ないので人前で使わないが、使ったら恐れられるんだろうなと思いながら転移陣に到着。


 転移陣の上に乗り、適当な魔物の魔石を設置。


 少しすると魔方陣が起動。


 バシュン。無事にトトは転移出来た。

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