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流れの武器屋  作者: はぎま
ニーソの街
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武器を作ろう

 時刻は夕方。ある程度の武器を描き終え、早速武器の作成に取りかかる。



「よし、先ずは収納の指輪を作ろう。攻撃力があれば何でも行けそうだ。盗まれたら困るから俺だけが使える様に出来るかな?」



 財布から100円玉を取り出し、大食い蛙の胃袋を粉末にした物を取り出す。イメージは先の尖った指輪。



「行けるかな?…_おお!行けそうだ!作成!」



 手の平に乗せた100円玉と胃袋の粉末が光り合わさる。そして指輪の形に変化した。


 指輪を右手の中指に嵌めて具合を確かめる。違和感無く出来た様だ。



「後は収納出来るかどうかだけど…麻袋で試すか。収納」


 右手に持った麻袋がパッと消える。「おお!出ろ!」そして麻袋がパッと出現した。「すげー!」何回か試し、効果を確認。



「大成功だ!容量は50センチくらいの麻袋2つ分かな。だから1メートル四方か。貴重品を入れるなら充分だな!」



 満面の笑みで、本、雑誌、ノート、ボールペン、小銭入れを入れる。



「この指輪、強化出来る。他の大食い系統の魔物とか空間系統の物で拡張とか、時空石で時間停止のアイテムボックスになるぞ!なんかゲームみたいで楽しいな!」



 職業にレベルは無いが、自由度が無限大。武器師にして良かったと感じていた。



「武器用の指輪も欲しいな。明日また胃袋の粉末を買いに行こう。次は武器だけど…悩むんだよな…」



 職業に合った武器を使えばレベルが上がりやすく、技も覚える。しかし武器師はレベルも無ければ得意武器も分からない。



「第一候補は銃…次の候補はクロスボウ、後は剣とか槍しか無いよな。よし!やってみよう!」



 錆びた剣を持ち意識を集中する。どうやら銃は作れる。だが火薬が無いので弾が発射出来ない。



「あんまり銃には詳しく無いけど、火薬が無いよな。あと弾って鉛とかいるんだっけ?魔法を射ち出す魔導銃は……素材が足りないか。でも鉄と動力の魔石と属性石で出来そうだ。お金が溜まったら魔導銃に挑戦かな。とりあえず次の候補、クロスボウは…簡単なやつなら鉄と木で出来そうだな。よし!作成!」



 錆びた剣と杖を合成し、50センチ程のクロスボウを作成。ハンドルを回して弦を張るタイプ。もう1つの剣でボルトを10本作成した。



「不安は残るけど、これで武装は出来たかな。収納。明日は試し射ちをするとして、暫くは薬草採取の日々が始まるな」



 1日頑張れば金貨6枚くらいは稼げそう。収納の指輪が増えればそれだけ色々素材が採取出来るので、収納の指輪の増産と強化。武装の強化、素材集めを目標にする。



「クロスボウって爆弾とか毒薬とか色々な危険物を発射出来るよな…以外と便利かも。そうだ…鑑定出来る武器とか、ゲームみたいに攻撃力とか分かる物があれば良いんだけど…無いなら作るか」



 武器の攻撃力が分かるとモチベーションも違うので、薬草ナイフを弄りながら意識を集中する。上位霊種の目玉、鑑定能力を持つ魔導具、妖精の羽などを合成すれば作成可能と頭に浮かぶ。



「どれも高そうだな…先ずはお金を溜めよ」



 余った鉄と木で刃渡り15センチのナイフを作成し、武器作成を終えた。


 夜になり、ベッドで1人横になる。この馴れない異世界で、何を成せば良いのだろう。地球に帰れるのだろうか、と不安しかない頭でグルグルと考えが巡る。




 _____



 翌朝。宿屋のおばちゃんに今日も泊まる事を告げ、銀貨を3枚渡してから街の外に出た。



「よーし。いつもの通りに採取だ」



 直ぐに街道を外れ、いつも採取しているスポットへ向かう。他の冒険者は街道を進み、森の方へ向かっているのを眺めつつ少し奥まった場所にたどり着いた。



「んー?なんだ?」


 ガサゴソと草が揺れている。


「あれは…角ウサギかな?ほんとに角生えてる」


 20メートル先。

 灰色の毛皮に包まれた、モコモコとした50センチくらいのウサギが草をむしゃむしゃ食べていた。頭には20センチ程の角が生えている。


(クロスボウで狙ってみるか…動いてないから狙いやすいし)


 指輪からボルトをセットしたクロスボウを出し、ゆっくりと構える。


 草を食べているウサギに狙いを定め。


 バシュッ。「ピギャ!」ボルトが首を貫きウサギが倒れる。


「あれ?命中した…まぐれ当たりかな?」


 ウサギに近付き死んでいる事を確認。ボルトを引き抜きウサギを観察する。


「ウサギって素材になるのかな?脚とか使えば素早さ上がるとかあれば良いけど」


 肉は昼御飯にしようと思いながら、余った素材で作ったナイフを取り出す。


 スパッ。「ん?」初心者講習で聞いた様に、毛皮を剥いでいく。1分程でアッサリと毛皮を剥ぎ、肉と毛皮に分けた所で違和感が確信に変わった。



「おかしい…こんなに綺麗に解体出来る訳無いだろ……クロスボウも狙った場所に吸い込まれる様に突き刺さった……やっぱり武器師って自分で作った武器が、得意な武器って事か」



 これならどんな武器を作っても使いこなせる。トトの心が踊り出した。



「想像が膨らむな。次元を斬り裂く剣とか作ったら地球に帰れたりするのかな?なんか楽しくなってきた」



 血抜きしたウサギの内臓を取出し土に埋めてから、解体したものを収納して薬草採取を始める。



「素材は出来るだけ欲しいなー。時空石があれば食材の保存に便利なんだけど…何処にあるんだろ?」



「調べる事がいっぱいだ」異世界生活が楽しくなりつつあり、調子に乗ってギルドを往復していく。



 この日は薬草だけで金貨を6枚稼いだ。



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