クラス7
「私とトトで隙を作るからミランダちゃんはいつでも隕石撃てる様に!」
「はい!支援は任せて下さい!」
「そいじゃあいくかー」
「トトは緊張感持って!来るよ!」
カシャン。カシャン。強者の余裕を見せる様にゆっくりと近付く鎧。
「強さ見とくかー…うわ…(こりゃ武装しないと駄目か?)」
≪漆黒の騎士、クラス7、強さ21475≫
≪黒召槍・エビルトルメンタ、ランクーー、攻撃ーーー、ーーーー≫
『いざ…勝負』
「_っ!喋る個体!トト!特殊能力に気を付けて!」
焦るホークアイに首を傾げる。「特殊能力?」正直クラス7の特性は知らない。喋る個体も初めてなのだ。
「そんな事言ったっ_てぇ!?『黒呀突』_聖壁!」_ガシャン!
喋る間に眼前に居た漆黒の騎士。
「トト!」
聖壁でなんとか受けるが、矛先が突き抜けトトに刺さる寸前。
「うひゃ…速すぎ…ホーリーレーザー!」
キィィン。バシュン!『黒壁』聖なるレーザーは黒い壁に阻まれ
「水流連撃殺!」背後からホークアイの強襲。
『嵐車』ギンッ!ギンッ!ギンッ!
漆黒の騎士が後ろ手に槍を回し連撃を弾く。
「あー!もう!聖光破斬!」
へっぽこな剣が光輝き、本来の姿に変化。
ザシュン!純白の光が漆黒の騎士を斬る。
『ぬっ』
効果があったか分からないが、一瞬の硬直。
「隕石落下!」ゴオオオ_
ミランダが側面から好機を狙っていた。
オオン!_漆黒の騎士に直撃。
砂ぼこりが舞い視界が遮られる。
『疾黒強突』_「ミランダちゃん!」
ザザシュッ!_パリン。ガラスが割れた様な音が響く。
漆黒の騎士が伸ばした槍。
ホークアイが貫かれていたが、身代わりの指輪の効果で致死ダメージを回避。
「あ、ありがとうございます!」
「ぐっ…お礼は後!激流連撃!」
ギンッ!ギンッ!ギンッ!ホークアイの刀技が全て弾かれた。
「くっ…強い。トト!さっきの白い剣で援護して!」
「言われなくとも!聖墜閃!」
上に飛び上がっていたトトが聖剣を振り下ろす。
『串刺し』ザシュッ!「うごぉ!」パリン。
トトは貫かれ身代わりの指輪が音を立て。
空中に弾かれたトトに連撃が飛ぶ。
『連突の嵐』ザザザザ!パリンパリンパリンパリン!
「がぁ!やべえ!」
「トト!_ガンッ!_「痛え!」_我慢して!水飛斬!」
蹴りでトトは弾き飛ばされ。
ホークアイの追撃『嵐車』バシュン!
簡単に弾かれるが隙を見て距離を取る。
『…身代わりか。弱き者よ』
漆黒の槍を構え、ピリピリとした空気が部屋を支配。
「ごほっ!ごほっ!…あーくそ。痛みは残るのな」
「死なないだけましでしょ。トト、何か良い方法無い?」
「んー…とりあえず全力でやって、駄目なら考えよう」
「そうだね!水牢!」「拘束ね。聖牢!」
ガシィ!『むっ』水の壁と聖なる壁が漆黒の騎士を包み拘束。
「ホーリーレーザー連射!」
バシュン!バシュン!バシュン!
レーザーを撃ちながら正面から後ろへ回り込む。
「こっちだよ!水流連殺!」
『ふんっ、効かぬ。黒嵐連撃』
ガキンッ!ガキンッ!ガキンッ!
ホークアイと漆黒の騎士が撃ち合う。
後ろからトトが強襲。
「必殺!シャイニングクロス!」
『甘い、逆風の槍』
カッ!柄で受け流され_グザッ!_「ぐぁ!」矛先の斬撃。
「致死ダメージが効果無い事バレてる!徐々に攻撃してくるから気を付けて!二刀剛水断!」
ギャリィ!両手の刀が受け止められホークアイの顔が歪み。
『まだ甘い。鬼哭衝壊』
ガガッ!ガキッ!槍を振り抜きホークアイの持つ五月雨を打ち払う。
「ぐっ、手が痺れる。聖なる風よ!切り刻み浄化せよ!セイントストーム!」
ゴオオオ!キラキラとした風が漆黒の騎士を襲う。
『むっ、身体が』
「ミランダさんよろしく!シャイニングスラッシュぅぅ!」
ザシュン!聖なる力を込めた一撃。
『ぐっ』
斬られた場所を一瞬気にする素振り。
「よっしゃ効いてる!」
「隕石落下!」
ドゴオオン!ミランダが至近距離から隕石を放つ。
隕石は確実に直撃していた。
砂ぼこりが晴れ、片膝を付いて沈黙する漆黒の騎士。
『……』
「全力で行くよ!ミランダちゃんは支援を!水流奥義!」
「はい!フルパワーアップ!」
「はいよー。聖剣奥義!」
ホークアイは青いオーラを纏い、トトは純白のオーラを放ち。
漆黒の騎士の両側面から。
「水龍螺旋撃!」「シャイニングエンド!」
ゴオオ!ザシュッ!光輝く龍の牙の如く。
青と白が重なる。
ピキピキ。「くっ、五月雨…もう少し頑張ってくれ!」
トトとホークアイの猛攻。
それにより、漆黒の騎士の鎧はボロボロになり。
両膝を付き沈黙。
「はぁ…はぁ…追撃するよ」
『黒の…暴風よ』ゴオオ!「うおっ!」
ホークアイとトトが黒い風に飛ばされ距離を放された。
『くっ、くくっ。見事なり』
ゆらゆらと立ち上がる漆黒の騎士。
手に持つ槍が黒いオーラを纏っている。
「なぁ…ホーク…クラス7ってこんなに強いの?」
「…言い忘れてたけど、魔武器を持ったクラス7は数値じゃ測れない」
「それ言い忘れたら駄目な奴だな…」
「二人とも!何か来ます!」
『闇を纏い、光を貫く嵐の槍よ…』
漆黒の騎士が槍を両手に持ち上に掲げ何かを呟いている。
次第に闇が槍に集まって来た。
「…特殊能力って奴か?」
「あれは…まさか…」
『暴れ狂う凍てつく闇よ!我の力となれ!』
ゴオオ!闇のオーラが妖しく蠢く。
「知ってるのか?ちょっと洒落にならんぞ…」
「_っ!あの魔槍は召喚具か!トト!アイツを止めるぞ!」
「えっ?分かった!ホーリーレーザー連射!」
バシュン!バシュン!バシュン!
光のレーザーは闇に呑み込まれ漆黒の騎士に届かない。
その間に闇が形を成す。
『召喚。魔竜・ダークブリザード!』
ゴゴゴゴゴゴ!『グゴアアアア!』
ダンジョンに鳴り響く咆哮。
その声の持ち主は。
青黒く輝く大きな魔物。
凍てつく瞳をこちらに向ける竜の姿。
「「「……」」」
「…トト。五月雨が折れた」
「今言うなよ…魔竜って何さ…鑑定出来ないんだけど」
「魔竜は…伝説の…魔物です…」
「…クラスは?」
「…解りません」
スゥーッと魔竜が息を吸い込む。
「ブレスが来る!全力で防御!」
『グゴアアアア!』
ゴオオオ!黒い氷のブレスがトト達を襲う。
「…聖光壁」
聖剣を地面に突き刺し強固な壁を生成。
周囲が黒く凍って行く様を見詰め、先頭に立ったトトからため息が漏れる。
「トト?」
「仕方ねえ…やるか」