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流れの武器屋  作者: はぎま
迷宮・古壁の回廊
38/163

トレジャーハント

「はぁー、疲れた。私はもう動けない。だからここで1泊しよう」


「はいよ。お疲れさん」


 ホークアイが魔物を仕留め、ミランダが支援。トトはボーッと魔物を収納する事6時間。


 地下24階の階段にたどり着いた。目標は25階だったが、24階でも充分過ぎる程の探索スピード。


 トトはゴロゴロしているホークアイと、フフッと微笑んでいるミランダを置いて探索を始める。



「さて、まだ昼過ぎだから色々行けそう。とりあえず隠し部屋を探すか。作成」


 石の地図を作り、地下24階の地図を確認。「…あった」上の階に上がる階段の裏に小さな空間がある。


 その場所に向かいながら通路を進む。下の階層に行く毎に通路の幅が広くなっている。今の幅は10メートルを超えていた。



 ズンッ。ズンッ。「デカイ魔物多いけど、狭そうだよなー」


≪スケルトンキング、クラス5、強さ6209≫


「よっしゃ、やるか」


 通路の高さギリギリまで身体が伸びた骸骨。手に持つ古びた石の剣が、長きに渡って活躍している事を物語っていた。



「ガチガチガチ」

 瞳の無い虚無の顔をトトに向け、ガチガチと歯を鳴らす。


「先制頂き!聖飛斬!」

 ザシュン!へっぽこな剣から繰り出される聖なる斬擊。


 ドンッ。「オオオオ!」スケルトンキングの腕が落ちる。


「聖属性は効くなー」

 スケルトンキングが聖なる光で苦しむ間に足元まで到達。


「調子良いね!聖昇旋回擊!」

 回転し斬り刻みながら上昇。


「聖大断!」

 聖なる力を増大させ大きな剣を生成。


 ザンッ!「ゴオオオ!」スケルトンキングを両断。



 ガラガラガラガラ。崩れ落ち、骨の山が出来上がった。



「クラス5なら余裕か…武装したらどれくらい強くなるか数値が知りたいなぁ…」


 強力な鑑定なら戦闘力の比較が出来るのだが、鑑定出来るだけまぁ良いかと思いながら骨を邪妖刀に合成していく。


「似た属性ならレベルが上がりやすいからなぁ。もうすぐ進化出来そう」


 クラス3のトロル等を撃破しながら、上り階段に到達した。



「ここの裏だけど…壊すか」

 ドゴン!破壊の鉄鎚で壁を壊す。本来なら別の場所にスイッチがあり、時間内に行けば入れる扉が出現するのだが、破壊属性のハンマーの前では壁1枚の仕掛けなど意味は無い。



「よっしゃ。このハンマー良いな。ダンジョンの壁を破壊出来る」


 ダンジョンの壁は壊せない。常識なのだが、トトは形ある物は壊れると思っている。


 中は六畳程の空間。宝箱と思われる細長い鉄の箱。



「宝箱を開けるこの瞬間が癖になりそう…どれどれ」



≪壊れた槍、ランクE、攻撃1、水属性≫

「復元したら強そうだけど…何の槍だろ」


≪ヒールリング、ランクC、徐々に回復≫

「これ高そう」


≪ブラッディクローク、ランクC、被ダメージ倍加≫

「呪われてんなぁ。後で妖刀に合成しよ」


≪猫の指輪、ランクD、猫出現率上昇≫

「猫…街で使えば寄ってくるかな?」


≪疾風のバンダナ、ランクD、素早さ上昇≫

「合成かな」


≪ディープ・グリーン、ランクB≫


≪ディープ・パープル、ランクB≫


≪ディープ・オレンジ、ランクB≫


「よっしゃ高ランクの宝石だ。でも紫と橙って何属性?」


≪不幸な青い鳥、ランクB-、不幸にさせる≫

「この像怖っ。普通逆だろ」


≪魔女の秘薬、ランクB、回復(大)≫

「ハイポーション以上だな。良い収穫」


≪ルーンクラウン、ランクB+、魔法防御上昇≫

「魔法文字?古代文字?なんか刻まれてるな」


≪セイントガーブ、ランクB+、聖属性・魔法防御上昇≫

「可愛い服だな…確か高ランクの防具はサイズ調整出来るって言うし…トリスのお土産にしよう」



 お金は白金貨が20枚入っていた。中身の確認が終わり、簡単に武器の合成をしていく。


≪超回復のナイフ、ランクB+、攻撃1≫

「魔女の秘薬でパワーアップしたから安心かな」



 24階にはもう隠し部屋は無いので、階段を上がり地下23階へ。地図を作成し、確認していく。


「んー…あるなぁ。各階一部屋はある感じ。下層程良い物があるし…武器屋じゃなくてトレジャーハンターの方が性に合ってるかも」



 23階の隠し部屋を目指す。少し進んだ大きな部屋の向こう側にあるので、魔物を撃ち抜きながら進む。


「……」


「グオオ…グオオ…」


 大きな部屋に到達。中央に居る大きな魔物が寝ている。トトは魅入られる様に眺めていた。


≪バリスティック・ドラゴン、クラス5、強さ8356≫


 大きさは20メートル。

 黒ずんだ痩せ形の鋭いフォルム。

 強さの代名詞、ドラゴン。


(格好良いなぁ…バリスティックって事は弾道とかだからスピードタイプか)



 とりあえず撃ち抜けるか試す。

「サンダーレーザー!」

 バチバチ。バシュン!「グオオ!」雷のレーザーがドラゴンに直撃。


「効いてる!アイスレーザー!」

 パキパキ。バシュン。ドラゴンは身体をひねりレーザーを弾く。


「流石ドラゴン、鱗は硬いなぁ。射撃は諦めるか」



 トトはへっぽこな剣を抜き、ドラゴンに駆ける。


「ガアァ!」ドラゴンは身体を折り畳む様に細長く。


 ゴオオ!「速い!」トトよりも速い速度で突進。


「聖壁!」ドゴン!両手を前に聖なる壁を生成。

「グガァァ!」ドンッ!ドンッ!ドンッ!両手の爪で壁を叩く音が響く。



「うひゃー。危なかったー。そいじゃあ決めるか」

 へっぽこな剣を掲げ、力を込める。



「武装!」

 純白の光に包まれ。


 白い鎧を纏い、白いマントが拡がる。

 頭には白いサークレット。


 手に持つボロい剣の姿は、本来の光り輝く剣に変化。


「ああ!これ絶対似合って無い!シャイニングスラッシュ!」


 光の速さの如く、一瞬の内に斬り払う。


 翼を斬り落とし、機動力を奪った。



「グガァァ!ガアァ!」

「聖剣奥義!シャイニングエンド!」


 ズザァァ!のたうち回るドラゴンを両断。


 光に包まれた荒んだ目の男がドラゴンを眺めながら佇む。



「…鏡見よう……ぶっ!似合ってねぇ…こんな荒んだ目の勇者なんて居ねえぞ…」


 輝きの勇者…トトのイメージとは程遠い武装。


「ホークに馬鹿にされるな。こりゃ独り限定武装だ」



 武装を解除。疲れは無いが、似合わなすぎて精神的にはダメージを負っている。


 気を取り直してドラゴンを、今度は爆炎の戦斧に合成。


 クラス5なので強くなる感覚があった。


「まぁ爆炎ならフルプレートメイルだから、似合う似合わない関係無いから、やっぱりこっちメインかな」



 ドラゴンを倒し、ご機嫌に鼻歌を歌いながら壁を破壊。


 教室程の空間には銀色の宝箱。


「おお!銀色!ランク高そうだ!」

 罠は無さそうなので、宝箱を開いて中身を確認。また色々入っていた。



≪風衣・ブラストローブ、ランクA-、風属性吸収・飛行・加速≫

「空を飛べるローブ!やった!」


≪ダーク・クリスタル、ランクB+≫


≪ディープ・ブラック、ランクB≫


「闇属性強化出来るぞ」


≪ルーングリーブ、ランクB+、付与魔法強化≫

「魔法系統多いなー」


≪馬の銀像≫

「今度は銀製…」


≪不幸の手紙、ランクB-、不幸にさせる≫

「また不幸…」


≪土杖・アースクエイク、ランクB+、魔力攻撃350、アースクエイク使用可能≫

「アースクエイクって魔法が使える杖?へぇー」


≪恐剣バザラ、ランクC+、攻撃320、混乱付与≫

「うーん…名前の割に今一だよなぁ」


≪魔法書・サイクロン、ランクC≫

「上位魔法かな?使わなさそうだけど」


≪魔銀結晶、ランクB+≫

「おっ、良い物だ」



 お金は黒金貨5枚、光金貨15枚が入っていた。


 銀色の宝箱も収納し、隠し部屋から出る。



「まだ時間はあるから…22階と21階も見ようかな」


 少し駆け足で上り階段へ行く。途中クラス4の魔物が出てきたがバシュンと撃ち抜き駆け足。



「22階は…あれ?隠し部屋が無いな。昔に発見されたか」


 22階には色の違う部屋は無く、仕方なく魔物を倒しながら21階へ駆ける。



「おっ!蟹だ!武装・爆炎の戦士!」


 21階で朝に見たグリーンジャイアントクラブを発見。


 爆炎の戦士に武装し「爆炎破斬!」バゴンッ!


「キシャァァ!」蟹を活躍させずに撃破。



「ごめん蟹。直ぐ倒しちゃって…美味しく頂くからな」


 蟹を収納。そして中心部分にある隠し部屋の前に到着。


 ドゴン!壁を破壊し中に入る。


「鉄製の宝箱か。罠はありそう…聖壁!」


 聖なる壁を生成してから宝箱を開ける。

 シューッ!氷の霧が射出され、聖壁に阻まれた。


「凍る罠か…結構怖いな」


 氷の霧が晴れ、宝箱の中身を確認。



≪壊れた大剣、ランクE、攻撃1、雷属性≫

「雷属性は初めてだな。何作ろう」


≪虎の刻印、ランクC+、攻撃力上昇・素早さ上昇≫

「素材にしようかな」


≪破弓・メイジスレイヤー、ランクB-、攻撃350、魔法破壊≫

「これは使えるな…何と合成しよう…」


≪クリアクリスタル、ランクB-≫


≪クリアブルー、ランクB≫


≪クリアレッド、ランクB≫


≪黒真珠、ランクB≫


「宝石はもっと欲しいな…また鉱山行きたい」


≪不幸の黄色いハンカチ、ランクB-、不幸にさせる≫

「もうなんか悪意を感じるな…」


≪錬金術の書、ランクC≫

「憧れるけど使えないしな…錬金術士になれば良いのかな?保留で」


≪大地の盾、ランクC+、土属性防御≫

「これで終わりっと。テントまで戻るか」



 宝箱も回収し、ホークアイとミランダが待つテントに向かう。魔物はほとんど撃ち抜いて倒しているので楽に帰還出来る。


「ダンジョンって楽しいな」


 すっかり隠し部屋巡りにハマったトト。


 何を作ろうかと表情を綻ばせながら24階まで戻っていった。



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