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流れの武器屋  作者: はぎま
王都ノール
26/163

魔鉄鉱山へ

 翌朝。宿の受付で少し王都から離れると伝え、王都を出る。食品街で保存食は買ったので準備はいらない。


 早朝なので門に人は少なく、すんなり出れた。


 街道から離れ駆け足で、遠くに見える山を目指す。



「一人旅って感じだなー。超安全ブーツも調子良いから疲れないし、夕方には着くかな」


 馬車で2日掛かる道のりを走り抜ける。


「戦車とか作ったら移動楽かな?素材が足りないか…車…バイク…自転車…飛行機…」


 鉄を弄りながら、魔石で動く魔導バイクをイメージしてみる。出来ない事は無いが、高級素材が多いので地道に集める事に。



 馬車を追い越し、弱い魔物はデザートイーグル片手に炎の弾丸で撃ち抜き燃やす。


「この安全ブーツで空を走れるようにして、ジェットも付ければ早いかな?身の安全は保証出来ないけど…」



 ゴブリンを倒し続け、渇いた土の上を走る事数時間。盗賊の宝の時計を見ると11時を指していた。



「ゴブリン多いなー。冬の前…秋に魔物の大移動があるっていうけど、どの地域で起こるか分からないってのが不安だよなぁ」


 今の季節は9月で夏の終わりがやって来る季節。魔物の大移動があるのは10月から11月。



「魔鉄の性能が良かったら暫く滞在しようかな…んー?馬車の周りに、魔物?襲われてるのか?よく分からないなー」


 走りながら草むらへ入り、馬車に近付く。王都に帰る馬車だろうか。2台あり、片方は綺麗な装飾のされた金属製の馬車が大きな魔物に襲われていた。


(あれは、でかいゴブリン…いや、オーガか?)


≪デンジャラス・オーガ、クラス4、強さ3072≫


 鑑定出来る所まで近づき鑑定してみると、ラファーガよりも強いクラス4のデンジャラス・オーガ。体長はクリムゾン・オークと同じくらいの5メートル。


 傍らには倒れたオーガが数体。集団での襲撃だったようだ。


 騎士と思われる男性が馬車を守る様に立ち、デンジャラス・オーガと対峙している。


 デンジャラス・オーガには浅い斬り傷。手に大きな棍棒を持ち地面に叩き付けていた。


 周りには倒れた騎士や魔法士。


 明らかな劣勢。



「グオオォォォ!」

「はぁ、はぁ、このままでは…」


(これはまずいな。助太刀するか…)


 草むらの中で爆炎の戦斧を出す。


「武装」


 ドンッ!爆炎の戦斧から赤いオーラが溢れ、トトを包み込む。


 赤いオーラが深紅の全身鎧に変化。


 その時デンジャラス・オーガは棍棒を振りかぶり、騎士に向かって振り下ろす。


「爆撃!」_ドンッ!_「ガァ!?」振り下ろされた棍棒が四散。


「_なっ!」

「助けは…いるかい?」


「は、はい!是非!」

「はいよ」


 パラパラと棍棒の破片が舞い、深紅の戦士がデンジャラス・オーガと対峙。


「悪いが直ぐに終わらせて貰うよ(前よりも武装が馴染んでる)」


「ガアァァァァ!」


 振り上げた腕。

 5メートルの体躯を生かした攻撃。


「連爆炎破!」

 ボンッ!!爆炎の戦斧を振り下ろした剛斬撃。


 迫る拳を爆散。


「終わりじゃ無いぞ。追爆!」

 ボンッ!ボンッ!「グァァ!グァァ!」導火線が爆発するように腕、肘と爆散していく。



「…クラス4を1人で簡単に…帝級…いや、まさか」


 爆撃により半身を失ったオーガに勝機がある訳も無く。


「ほいっと」_ガシュッ!_意図も簡単に首を跳ねられる。


「終わったぞ(いやー、俺強くなったなー)っと倒れた人でも回復するか」


「…_はっ!か、回復?回復魔法士が倒れ…て?」


 騎士の返答を聞く前に、ハイポーションナイフを見えない様にして倒れた騎士や魔法士を回復していく。


 一通り回復し回る。意識不明が1名、骨折が5名、気絶が3名だったので、意識不明の1名を除き大事には至らなかった。


「ねぇ「は、はい!」このオーガ貰って良い?「はい!どうぞ!お運び致します!」あぁ大丈夫」



 デンジャラス・オーガを収納。意識がある者は度肝を抜かれる。5メートルを超えるオーガを収納した容量に。


「じゃあ気を付けてねー「お待ち下さい!」嫌です「そこをなんとか!」…急いでんだけど」



 お礼をしたいとすがり付く騎士を爆破で振り払う訳もいかず。少し会話をして隙を見る。


 王国騎士団の三番隊と魔法士団の三番隊が護衛中に襲われ、馬車の車軸が壊れた所で乱戦になり今に至るという。


 壊れた車軸は武器作成で直せるので、ささっと直す。


「はい、車軸も直ったよ」

「是非お礼を!」

「いや、要らない」


「わたくしからもお礼を申し上げますわ!」


 バーン!と馬車を開けて飛び出てきた人物。


 ピンクのドレスを着た勝ち気な目をした女の子。年は15歳程に見える。金髪の髪を縦ロールに巻き、動く度にビョンビョンと伸び縮みしていた。


 遅れて馬車から降りてくるキラキラしたドレスを着たおばさん。一目で貴族と分かる気品溢れるおばさん。



「ラライア・ムーガストと申します。以後お見知りおきを。(鑑定…爆炎の戦士?)貴方様は名のある方だとお見受けします…お名前を教えて戴けませんか!」


「(すげぇツインドリルだ)名乗る程の者では無いですよ「教えて下さいまし!」(鑑定だと爆炎の戦士って出るからトトだとバレないからな)」


「ラマンナ・ムーガストと申します。是非ご一緒に」


「是非騎士団からもお礼をさせて下さい!お急ぎでなければご一緒にお願い致します!」


「あっ、あの!魔法士団からもお礼をさせて下さい。お願い致します!」



 沢山の目を向けられ、トトは焦る。これはまずいパティーンだと。


「先を急ぎますので、では」


 ダダダダ!_「あぁ!待って!爆炎の戦士さまぁ!」


 トトは逃げ出した。


 追われない様に爆発の加速を使いながら。


「うおぉぉぉ!ちょっ!速い速い!」


 やがて馬車は見えなくなり、周りに人が居ない事を確認。武装を解除する。



「はぁ、はぁ、やばっ、長く武装し過ぎた…」


 超安全ブーツが追い付かない程の疲労を抱え、その場に座り込む。


「危なかった…ホークの話では、そのまま王城に連れて行かれるらしいから…」


 ただ少し後悔する部分はあった。


「魔法士のお姉さん可愛いかったなぁ…」


 ラライアと名乗った女の子も可愛いかったが、ツインドリルに気を取られていただけなので余り興味は無く、おばさんも同様。


 ただ魔法士の女性は年が同じくらいで、潤んだ瞳にドキッとさせられた。


「魔法士団の三番隊か…」


 だがもう会う事も無いだろうと頭を降り、記憶の片隅に追いやる。


「さっ、行こう」


 ふぅーっと息を吐き、走り出す。



 やがて山が近くなり、石作りの街並みが見えてきた。街の入り口に衛兵が立っている。


「止まれ、身分証を」

「はい、これ」

「…通って良いぞ」


 身分証を提示し街に入る。石を積み上げた家が多い。冒険者の姿が多く、鉱石の採取や護衛依頼をしている姿が見受けられた。


 近くには冒険者ギルド、商業ギルドがあるので商業ギルドに入る。


(冒険者ギルドは混んでるからなー)


 中は受付が2つ。数名が居る程度なので直ぐに順番が来た。



「いらっしゃいませ」

「一般公開されている坑道と廃坑道の地図って購入出来ますか?」


「はい、ギルドカードの提示をお願いします…ありがとうございます。2つで銀貨6枚になります」


「ありがとうございます。おすすめの宿を教えてもらえます?」



 宿を教えもらい、商業ギルドの裏手にある宿に入る。


 宿に入り、坑道の地図を眺め。



「一般公開は1~5番坑道。廃坑道が13番坑道…なんか出そうだけどワクワクする」


 13番坑道に行く事を決め、横になり眠りに入った。










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