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流れの武器屋  作者: はぎま
第二次女神大戦
153/163

武神装。

 

『ニャんで口調が変わったニャ? ……まぁ良いかニャ』


 まだ瓦礫の残る北の砦跡にて対峙するテラティエラと核星獣。小柄な少女と巨大な狼という…端からみたら明らかに勝敗が決まりそうだが、纏うエネルギーは…テラティエラの方が強かった。


 テラティエラは格闘主体のスタイルで、武神、戦神と呼ばれながらも商業の神としての側面を持つ。


 対する核星獣・ユーサネイジア。安楽死という名を持つ大狼…痛みを感じる事も無く死を運ぶ、他世界の絶対種と呼ばれる存在。

 絶対種とは、太古より存在し進化をする必要が無い程に強いエネルギーを持つ種族。


『この犬コロ…星の核で強化されたんかニャ。まっ…余裕やにゃ! ちょうぶしんにゃんき(超武神練気)! ……あれ?』


 テラティエラから黄金のオーラが溢れ出し、周囲の瓦礫を吹き飛ばす。


 それを見た核星獣が青いオーラを放ち、魔力を高めていった。

『…凍れ』

 核星獣から青い魔法陣が出現。濃密な魔力が辺りを支配し、周囲の気温が下がる。


『破滅の吹雪…フィンブルザード』

 核星獣を中心に青黒い吹雪が広がる。

 吹雪が瓦礫に当たると粉々に砕け散り、触れるものを破壊していく。

『こにゃいなもんウチには効かんニャ!』


 そして突進を始めたテラティエラの場所まで吹雪が到達。テラティエラに吹雪が触れるが壊れる事は無かった。

 青黒い吹雪を突き抜けながら、テラティエラのオーラが拳に集中。

『__神速!』一気に加速し、核星獣の脇腹に両掌を当てる。


『__ちょうぶしんこほう☆(超武神虎砲!)


 ドォオフ!__『グオォォ!』核星獣が横向きに弾き飛ばされ、神速で追い付いたテラティエラが下に潜り込む。


『__ちょうぜつれっしょう(超絶烈鐘!)☆』


 突き上げた拳が核星獣の腹にめり込み爆発。上空に吹き飛ばす。


『くらいにゃ! __ちょうネコパンチ(超武神天墜落!)☆』


 上空に上がった核星獣を黄金のオーラを纏った拳で叩き落とす。当たった瞬間凄まじい衝突音が響き、一瞬にして大地に墜落。

 大きなクレーターが出来上がる。


『にゃんで技に星が出るん? これ絶対やす兄ちゃんの仕業ニャ…』


 空中に停滞しているテラティエラが両手を上に向け、黄金の魔法陣を展開。グラグラと大地が揺れる。


『グッ…なんだ…この力は…一介の女神が持つ力では…』


 核星獣が負けじと青いオーラを立ち上らせ、力を解放していく。


『にゃははははは! 凄い! この力は凄いにゃ!』


 黄金の魔法陣が強い光を放ち、共鳴するように核星獣周辺の大地が黄金に輝きだした。

 核星獣が大きな口をテラティエラに向け、力を溜めていくと青いエネルギーが収縮。


『__グオォォオオオ!』

 核星獣の口から放たれた青の巨大なレーザー。周囲を凍らしながら突き進む。


『行くニャ! ウチの最強魔法! __ギガテラブレイク!』


 黄金の光が降り注ぎ、神結界を突き抜ける程のエネルギーが大地に落ちる。核星獣のレーザーを簡単に打ち消し、核星獣を黄金の光で破壊していく。


『グオォォォォオ!』

 核星獣はエネルギーが強すぎて何も出来ず、ただ身体が壊れていくのを見る事しか出来なかった。


『はぁ、はぁ、疲れた……ウチが一番乗りニャ』


 黄金の光が収まり、テラティエラの周囲には何も無くなっていた。

 テラティエラのここでやるべき事は終わった。武神装を解き、中心位置へと歩こうとして、ガクリと膝を付き…両手が地面に付く。


『う…わ……あぁ……』


 武神装には副作用があった。


『なんや……この…羞恥心は……ああぁぁぁぁ! 恥ずかしいぃぃ!』


 猫語を喋り、技に星が付く……武神装中では感じなかった恥ずかしい感情が一気に押し寄せ、テラティエラはしばらくその場から動けなかった。



 ______



 悪神の中心位置。


 核星獣・ルゼルタイタニアの猛攻に、トトとルナライトは防戦一方。

 変わらず楽しそうに笑う核星獣に、トトも笑顔になっていた。


『__メガエナジーフォース』

 黒いエネルギーが周囲に放たれ、「変換」トトが黒いエネルギーを攻撃力に変換。


「おらよ__追跡弾!」

 攻撃力を乗せた弾丸を撃ち、核星獣に当てる。核星獣の身体に穴が開くが直ぐに再生。

 ルナライトが追撃の神槍撃。槍が核星獣に突き刺さるが貫通には至らない。


「__っ! __ルナ!」

『泰人! どうした!』


 驚いた表情のトトに、ルナライトも焦りを見せる。周囲の警戒レベルを上げたが……


「ティラちゃんがめっちゃ可愛い!」


『あぁ!? 集中しろし!』


 ルナライトは嬉しそうなトトを睨み付け、核星獣に再度攻撃。

 トトも追撃を試みようとした所で、通信が入った。


≪兄ちゃん! こっちヤバい! __極壁!≫

「あー了解。ちょっと踏ん張ってて」


≪トハシさん! 負けそうです!≫

「了解です…」


≪泰人ー! もう無理ー!≫

「まじかよ…」


 東西南が危険な状況。だがここを離れたらルナライトが殺られる。選択肢は一つ……


「閻魔! ここ頼んだ!」

「きひひ、御意に…」


 黒いローブを深く被った閻魔がふわりと出てきて、核星獣の前に立つ。


「ルナ! ちょっとみんなの所に行ってくる!」

『嫌! こいつ怖いし!』

「大丈夫だ! 閻魔の性癖は聖女だけだ!」

『そういう問題じゃないし!』


 泣きそうなルナライトを横目にトトは転移していった。


『…弱そうな奴が出たな』

「きひひ、遊ぼう」


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