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流れの武器屋  作者: はぎま
第二次女神大戦
150/163

二撃目。

 

 悪神の南位置。

 殻獣が女神ヴェーチェルネードに集中して襲い掛かっている状況。殻獣は攻撃を加えなければ矛先を女神に向けたまま。

 タケルはそれを利用して、力を溜め一撃で倒す事に専念していた。


「ヴェーチェ、まだ余裕?」

『ええ! もちろん!』


 嬉しそうに返事をするヴェーチェは、タケルが居るので張り切っていた。

 風の刃を放ち、殻獣を次々切断していく。


≪殻狼獣・ヘルブリーグ、クラス6、強さ12479≫


≪殻火獣・クリムゾンファイア、クラス7、強さ23547≫


≪殻守獣・ゲートガーディアン、クラス7、強さ28000≫


 まだクラス6や7。もう人が対応出来るレベルを超えているのだが、タケルとヴェーチェはまだ序盤戦だと解っている。


 中心に近い位置で待機していたアイリスとトリスはヴェーチェの近くまで後退。魔法で援護している。


「トリス、無理しないようにな」

「うん、大丈夫だよ。まだ雑魚だから」



 更に南…タケル達の後方には帝都があり、帝国の軍隊、冒険者達、ヴァイラの精鋭騎士が守りを固めていた。

 先頭で指揮を取るのは皇帝。その横にオーランド公爵が戦況を見据えている。


「あれが…神の戦いか…」

「クラス7を一撃で…」


 タケルとヴェーチェの戦いに圧倒されているのは当然で、守備に徹している騎士達も自分達が足元に及ばない戦いに悔しさを滲ませている。



 勇者パーティー…ホークアイ、リンダ。騎士団長エクレール率いる精鋭、魔法士団長シンデラ率いる精鋭は、時折帝都に向かって来る殻獣を中心に仕留めていた。


「はぁ…はぁ…これは、キツイね」

「…そうね。でもやる事は変わらないわ」


 ホークアイが聖剣で斬り刻み、リンダが電撃でとどめを刺す。確実に仕留めているお蔭で二人のレベルも上がり、現状は少しずつ上向きになっていた。



『タケル、伏せて!__大音響(ソニックブーム)!』


 緑色のベルを構え、ヴェーチェが範囲攻撃。多くの殻獣を粉々にしていった。


『そろそろ二撃目をラグナに撃つわ』

「了解。魔法に集中して良いよ。僕が守るから」

『たけるぅ…ドキドキさせないでよぉ…』

「…」


 ヴェーチェの足元に大きな魔法陣が出現。

 光の柱が上がる。



 ______



 悪神の東位置。

 アクアマリンが殻獣を水で押し流し、凍結させて粉砕。

 ニグレットも援護し、安定した戦いを見せていた。

 アクアマリンが青い杖を振るうと、大渦が発生。殻獣を呑み込んでいく。

≪神杖・アクアクラブ、ランクーー、ーー、海の世界≫


『あらぁ、ヴェーチェったら張り切っているわねぇ』


 南位置から見える緑色の柱。アクアマリンも魔法に集中したいが殻獣は残っている。

 ここで集中すると、後方に居る人間がやられる。

 どうしようかと辺りを見渡すと、走ってくる少年の姿が見えた。


「はぁ、はぁ、アクアマリンさん、手伝います!」

『うふっ、ありがとうねぇ。ノーレン君』


 パチリとウインクを見せると、「__はぅ!」ノーレンが胸を抑えて悶絶している。女神のウインクにやられたようだ。


「あの坊や…その内年上しか愛せなくなるな」

 ニグレットが呆れた表情で見ている。



 殻獣が迫って来ている中、復活したノーレンがアクアマリンの前に立つ。


「__極壁!」

 ズンッ__透明な壁が出現。殻獣達の行手を阻む。ノーレンが殻獣に向かって走り、「__極聖剣!」

 壁をすり抜け殻獣を斬り刻んでいく。ノーレンの独壇場になっているので、褒められたいノーレンはキメ顔だ。


「ひゅー、流石だねぇ」

『やるわねぇ。お姉さんも頑張っちゃおうかしらぁ』


 アクアマリンの足元に大きな魔法陣が出現。

 光の柱が上がる。



 ______



 悪神の西位置。

 殻獣が集中するも捩じ伏せているフラマフラムと、弱い殻獣を隕石の範囲攻撃で攻撃するミランダ。


『オラオラオラ! もっと骨のある奴は居ねえのかぁ!』

 フラマフラムは荒い口調で楽しそうに殻獣を両断。両手に持つ大剣が赤く輝いている。


≪神剣・フラマブレイド、ランクーー、ーー、大爆発≫


 ミランダも隕石落下で援護しながら、楽しそうにしているフラマフラムを眺めていた。


「格好良いなぁ…男らしい。いや、女神様だった…スタースラッシュ!」


 接近してきた殻獣を斬り捨てていると、南から走ってくる女性。

「お待たせって…私の出番は無さそうですね」

「あなたは…前回は負けましたが、今回は負けませんよ」

「ふふっ、面白いですね。勝負します?」


『おー! ノワールちゃん! 助かるぜ! デカイの撃つから殻獣はよろしく!』


 フラマフラムが神剣を掲げると、赤い光が立ち昇る。



 ______



 残る北位置。

 テラティエラは他の女神を待っている状態。

 既に殻獣の群れは神獣ニャートラに殲滅されていた。


『よっしゃ。待ちくたびれたで! 大地の力よ!』


 黄色い光が天に向かって伸び、悪神の頭上まで伸びると女神達の光が悪神の頂点で交わる。


 赤、青、緑、黄色に輝く球体が出来上がった。


『いくでーみんなぁ! 合成魔法!』


『『『『四元超星!』』』』

 女神達の合成魔法が悪神に衝突。

 世界を包み込む程の輝きが放たれた。



 ______



 悪神の中心位置。

 トトの範囲攻撃で殻獣を殲滅した所で上空に女神達が作り出した超エネルギーの反応。


「ここからじゃ見えねえけど女神達の攻撃か?」

『あぁ、あの合成魔法は過去の大戦で姉さんに大ダメージを与えている』

「なるほど。クールタイムは終わったから俺も援護するかなー……あの、離して」


 トトが消滅兵器を使う為に悪神の真下へ行こうとしたが、ルナライトがトトの服を掴んで離さない。


『…ここで撃てば良いし』

「寂しいの?」

『…うん』


 仕方無く、その場で消滅兵器を起動。

 魔力の吸引音が響き渡り、砲身を少し斜め上に向けてポチッとボタンを押す。


 キイィィィイ!__甲高い音を響かせながら極太のレーザービームが放たれた。


「…あれ?」

 悪神にレーザーが衝突。

 先程と同じように亀裂が発生しているのだが、斜めから撃っているせいか北の方に少しずつ移動し始める。


 亀裂は上下から発生し、やがて上下の亀裂が合流。

 バキバキと音を立てながら悪神の欠片が落ちてきた。


「…位置がずれたな」

『…テラ、ごめん』


 北の方に欠片が落ち、テラティエラの方に多くの殻獣が行くと思ったが…なんとかなるだろうと無理矢理判断。


「悪神は…半分くらいまで小さくなったなー。このままいけば倒せそうだけど…」

『中心に行けば行くほど強力な殻獣が出る。その分欠片も多く消費すると思う…』

「なら持久戦か? 次は…クラス8と9…ちょっと多いなぁ…」


 再び悪神の欠片が殻獣に変化。倒せるのだが、その数の多さにため息が漏れた。


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