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流れの武器屋  作者: はぎま
高ランクダンジョン。
131/163

迷宮・天国への階段。4

 

「次は、土の悪魔かな」


≪悪魔99地式・ロストデーモン、クラス8、強さ53069≫


 鋼鉄の全身鎧を纏う悪魔。

 ゴツゴツとした全身鎧の隙間から、禍々しいオーラが漂い、両手に持つ黒い斧はトトよりも遥かに大きな戦斧。


≪古代鎧・ノームの地鎧、ランクS+≫

≪古代戦斧・タイタン、ランクS+、攻撃2800≫


『粉砕せよ』

「魔武具もってら。武神装・赤」


 トトは深紅のフルプレートメイルを纏いながら、部屋の中心へ。

 悪魔が黒い斧を振り下ろし、トトが深紅の斧で弾く。


「流石に重たいなぁ。__赤の衝撃!」


 悪魔の腹部分を凪ぎ払う。ドゴンッ!悪魔の鎧にヒビが出来、再び深紅の斧を直撃させる。

 鈍い音を響かせながら、悪魔が後方に飛ばされた。

 悪魔は翼を広げ、体制を立て直すと黒い斧を掲げ、地面に突き立てる。


『__大地震』


 ゴゴゴゴ!_悪魔が斧を地面に突き立てると、立てない程の地震が発生。バランスを崩し、よろけた所で眼前に迫った悪魔の斧がトトに直撃。壁まで吹っ飛ばされ、鈍い音を立てて壁に激突した。


「__泰人! 大丈夫か!」

「トハシさん!」


 トトが倒れていたのはほんの少しの時間。

 少しよろけながら立ち上がり、深紅の斧を悪魔に向ける。

「あー痛ぇ…焦熱火炎」


 ゴオォォォオ!__地獄の炎が悪魔を包む。熱さを感じるのか、のたうち回り苦しんでいる間にトトが悪魔に駆け寄る。


「__赤の縦断」


 斧を振り下ろし、悪魔の腕と下半身を斬り離す。

 タケル達に合図を送り、追撃の間に悪魔の斧を回収。鎧は原型を留めていないので諦めた。

 悪魔を討伐。剣に変化させ、隠し通路を歩く。



「さっきよりも楽に倒せる様になったかな。レベルが上がったし」

「流石は勇者。伸び率が卑怯だな」

「泰人に言われたくないよ」


≪タケル・マツダ、不滅の勇者レベル115、強さ18725≫


≪ノーレン・アーラ、守護勇者レベル56、強さ8660≫


≪ノワール・アーラ、滅亡の巫女レベル89、強さ11559≫


「みんな職業進化してるなぁ。ノーレン…勇者おめでとう」

「…残念そうに言わないでよ」

「勇者は国の宝だからなぁ…大変だぞー。ノワールさんは名前が凶悪になってきましたね」

「はい、まぁ…普通の人は視れないんで良いですよ。あれ? 宝箱じゃないですね」


 隠し部屋には、台座に武器が乗せてある。


≪黄龍剣、ランクーー、攻撃ーー、黄龍奥義≫


「おー、強い武器…麒麟は無いのかな? 神剣っぽいのは気のせい?」

「大まかな分類は神剣だろうね」

「…でも、俺は使わないかな…タケル用に作るよ」

「うん、ありがたいんだけど…ちょっと恥ずかしいかも」

「じゃあ…タケルに決まりだな」

「じゃあの意味が解らないよね」


 黄龍剣、青龍の鎧、朱雀の兜、玄武の籠手、白虎の足具、鉱石等を合成。


≪応龍神剣・天之四霊長、ランクーー、天之四霊長ーー、攻撃ーー、黄龍奥義、四聖獣奥義、龍神降臨≫


「…なんか厨二臭いな。ほれっタケル、俺の武神装より負担は少ないから使えるぞ」

「ありがとう…青竜刀みたいだね」


 応龍剣を掲げてよく見てみると、一瞬フッと羽の生えた龍の姿が映った気がした。


「多分攻撃力は軽く一万超えるだろうから戦闘は楽になるけど…龍神降臨はホムンクルスの身体に耐えられるか解らないから使うなよ。じゃあ次行くかー」

「解った。気を付ける」



 階段を降りて次の階へ。

 構造は同じなので、直ぐに魔物が待つ場所に到着した。


≪天使99水式・ロストエンジェル、クラス8、強さ56800≫


 ジメジメした部屋の中に佇む天使。水の羽衣を纏い、水色の杖を持ちながらトト達を待ち構えていた。


≪古代衣・ウンディーネの羽衣≫

≪古代杖・アプサラス、ランクS+、魔法攻撃2650≫


『沈み消えよ…浸水の領域』


 天使が杖を掲げると、床から水が湧き出し水嵩が増えていく。

 トトは気にせず歩こうとするが、足が重い。


「纏わりつく水か」


 収納から極光刀・新水氷霧を取り出し、水を斬る。

 すると、増えていた水がピタリと止まり、消えていった。

 天使が驚いたように硬直。その隙に距離を詰め、天使を突き刺すと…バギンッ!__水の羽衣が崩れ去った。


「…極刀・水殺」


 そして、天使から魔力が失われていき、応龍神剣を構えたタケルが後ろから追撃。


「四聖獣奥義・青龍雷鳴剣!」


 青い稲妻の軌跡が天使を両断。

 遅れてバチバチと激しい音を立て電撃が走り、天使を焼き付くした。


「おー、すげー」トトはクラス8を簡単に両断したタケルに拍手を送っているが、タケルは顔を引きつらせ、応龍神剣と両断された天使を交互に見やる。


「…これ、貰って良いの? 強いどころじゃないよ」

「俺には似合わないからなー。武神装したら、ちょっと恥ずかしいし」

「えっ…どうなるのさ…」

「…秘密だ」



 天使を武器に変え、隠し通路へ向かうと、台座に置いてある武器を発見した。


≪咎人の剣、ランクーー、ーー≫


「なんですかこの剣? ボロボロですね」

「そうですね。でも必要なので、貰いましょう」


 ボロボロの咎人の剣を収納し、次の階へ。タケルが何か言いたげだったが、気にせずに階段を下りていく。

 階段を下りると、泉の小部屋に転移陣が刻まれていた。


「おっ、ここから帰れるぞ」

「ボスが近いのかな?」


 奥へ行くと、天使や悪魔が居た部屋よりも、何倍も大きい部屋があった。

 その中心に佇む魔物は、今までと違う。天使と悪魔が合体したように、白い半身と黒い半身を持ち、天使の翼と悪魔の翼を持つ魔物。


≪天魔、クラス9、強さ96850≫


「ダンジョンの一番奥の魔物を倒したら、もう闘えない?」

「多分ね。でも上の雑魚は闘えるんじゃない? アイツを倒さずに一回出て、もう一度挑戦すれば…」

「じゃあそれで行くか…」


 トト達は一度引き返す事に。

 引き返されて、少し天魔が寂しそうだったが、気にせずに。


 転移陣を起動。

 バシュン__転移した先は、転移陣が淡く光る中心の穴の底。


「じゃあ…もう一周行くか…」

「…今日は休もう」

「うん、俺もう疲れたよ」

「そ、そうですよ。休みましょう?」


 皆の説得に、今日は休む事に。

 ノーレン、ノワール、タケルは安堵していたが…

「明日は5周なー」とトトが宣言すると、安堵していた一同が凍り付いた。

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