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流れの武器屋  作者: はぎま
高ランクダンジョン。
129/163

迷宮・天国への階段。2

 

 次の階も同じ構造のダンジョン。

 近道にはボス級の魔物がおり、遠回りの道は迷路の構造。

 天使の次、再び悪魔が待っていた。


≪悪魔炎式・ロストデーモン、クラス7、強さ30749≫


 悪魔11式と違い、見上げる程の黒い身体中に黒炎が噴き出している。黒炎の翼を広げ、侵入者を見下ろし、鋭い牙を持つ口を歪ませ嗤っている。


「一気に強くなったなぁ…炎式って事は属性ラッシュが始まるのか?」


 トトが呑気に呟きながら、先頭を歩く。

 悪魔が翼から黒炎の弾を噴き出させ、黒炎弾がマシンガンの様にトトを強襲。

 トトは右手を黒炎弾に向けると、「…変換」次々と黒い光に変化していく。


「ほれタケル、使いな」

「ありがと…うわ…凄いねこれ」


 悪魔の攻撃が終わり、黒い光をタケルの救世剣に纏わせる。

 トトは青い刀を持ち、「瞬足…」悪魔の背後に高速移動。

 シャン__青い軌跡が悪魔の翼を斬り落とす。


「_白光刃!」


 悪魔がトトに気を取られた隙にタケルが脳天から救世剣を振り下ろす。

 悪魔の硬い身体を簡単に両断した。


「ちょっと泰人、これ強すぎない」

「まぁなー。前に使っていたサクリファイスっていう犠牲技を、武器以外にも使える様になったって感じかな」


 トトが悪魔に近付き、武器に変え、隠し通路へ。中には金色宝箱。


「じゃあ、ノワールさん…」

「本当に開けなきゃ駄目ですか?」

「もしかしたら強い装備が出るかも知れないので、お願いします」

「…分かりました」


 ノワールが嫌々宝箱を開ける。


≪愛の御守り、ランクA、恋愛運上昇≫

≪最高級メイクセット、ランクS≫

≪高級スキンケアセット、ランクS≫

≪高級下着5セット、ランクA≫


「あっ、これ普通に嬉しいです」

「おー、実用的ですね」


≪黒炎のドレス、ランクA、闇火属性≫

≪黒炎のハイヒール、ランクA、闇火属性≫

≪ブラックダイヤネックレス、ランクS≫

≪黒炎剣・アンブラー、ランクA+、攻撃1560、闇火属性・黒炎≫


「あれ? なんか満足しちゃいました」

「珍しいですね。こんなに内容が良いのは」

「ノワールちゃん、もう一回じゃない?」

「いや、もういいです。満足しました」


 ノワールは嬉しそうにお宝を回収。もう宝箱を断固開けない宣言をしているので、残りはトトが開ける事に。



 疲れてはいないので、そのまま下の階へ。

 泉の小部屋を抜け、魔物が居る部屋に入った。


≪天使嵐式・ロストエンジェル、クラス7、強さ31490≫


 白い身体中に穴が開き、風が通っている。白い翼が淡い緑色に光り、強風が吹き荒れている。


 トトは竜宝杖を取り出し、先頭に立つ。

≪竜宝杖・滅殺竜、ランクーー、滅竜士ーー、魔法攻撃ーー、竜魔法・大竜砲・竜禁術≫


 風が渦を巻き、竜巻と化した。

 うねりを上げる竜巻が迫るが、トトは落ち着いた表情で竜宝杖を地面に突き立て、魔法陣を展開。


「__竜禁術・風喰竜」


 杖から大きな竜の顔が出現。口を開き、竜巻を噛み潰すと竜の顔が肥大。巨大な竜の顔になり、天使の胴体に噛み付く。

 竜が首を回転。天使の胴体を引き千切り、フッと竜が消えていく。

 そして、ノワールが滅亡の剣を天使の顔に突き立て、沈黙させた。


「トハシさん、なんでも出来ますね」

「戦い方を練習しないといけなくて。色々試してみようかと」


 天使を剣に変化させ、隠し通路へ。金色宝箱を発見した。今度からはトトが開ける。


≪重力剣・グラビティブレイド、ランクーー、攻撃ーー、重力操作≫


「良い武器出たなぁ」

「重力って強いよねー」


≪くじけた心、ランクA-≫

≪呪われた椅子、ランクA-≫

≪時短圧力鍋、ランクA≫

≪ルナライトちゃん人形・ウインターバージョン、ランクーー≫


「布団にくるまって芋虫みたいになってる」

「寒いから絶対外に出ないって顔してるね」


≪ラーニングリング、ランクS、経験値30%上昇≫


「タケル、これ付けといて」

「ん? あぁ了解」


≪聖酒・リヴール、ランクS≫

≪聖なる雫、ランクS、強さ500上昇≫


「ノワールさん、これ飲んで下さい」

「ありがとうございます」


≪聖女ニーナちゃんのパンT、ランクーー≫


「…」

「トハシさん…黙って収納しないでそれを渡して下さい」

「…いや、これを欲しい奴が居るんで…」

「…泰人、そんな嘘ついても駄目だよ…」

「兄ちゃん…」


 宝箱の確認が終わり、次の階へ。

 特に相談する事も無く、ボス級の魔物を確認する。


≪悪魔99式・ロストデーモン、クラス8、強さ49999≫


「クラス8か…あれ?なんで鑑定効くんだろ?」

「格下だからじゃない? 僕は視れないよ」

「クラス8ですか…」

「格下って…兄ちゃんどんだけ強いのさ…」


 部屋の中心に居る悪魔は、黒く大きな身体中に禍々しいオーラを放つ角が生え、黒竜の様な力強い翼を広げてトト達を見下ろしている。


「まぁ…いつも通りって事で」


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