大自然ダンジョン。5
姉弟を残し、火山地帯を上から見ていく。
一応地図は作って、宝の場所を確認している。
火口だったり熔岩の中に宝箱があるのは、宝を取らせる気があるのかと疑ってしまう。
火山の数はざっと見ても50はある。
「どんどん温度が上がるなぁ…武装・獄炎竜」
深紅の鎧に武装して、火口を眺める。
真っ赤な熔岩がグツグツと滾り、触れた物を燃やし尽くす熱量。
ふと、熔岩の流れが変わる。
「えー…火口に魔物居るの?」
上半身だけ飛び出た人型。
全身が熔岩で出来た身体。
静かにトトを眺めている。
≪マグマギガース、クラス6、強さ12645、火口に住む炎の巨人≫
「クラス6かぁ。竜魔法使ってみようかなー」
『気になってたよねー』
宝箱に入っていた竜杖を改造していた。収納から取り出したのは、先端に竜の顔がある鉄色の鱗で包まれた杖。
≪竜杖・ドラゴンの裁き、ランクS+、竜術士レベル200、魔法攻撃3540、竜魔法≫
「改造途中だけど、クラス6なら大丈夫だろ。えーっと…竜気解放!」
杖から力のオーラが溢れ出し、先端の竜が口を開ける。
周囲の魔力を吸い上げ、竜の口に集まってきた。
「いけー、グレイトドラゴンブレスー」
ギュォォォオ!__
高エネルギーの砲撃。
マグマギガースを貫き、火山ごと破壊していく。
ドラゴンブレスが通過した後は、大きな穴があり、マグマギガースの姿は無くなっていた。
「…うーん。無属性の攻撃かぁ…これから必要になるよなぁ」
『まぁまぁの威力だね。魔法が効かない相手にも効きそうじゃない?』
「そうだなー。無属性特化で、もっと改造しとくか」
竜杖を仕舞い、更に奥へ。
途中、熔岩の中にある宝箱を回収していく。
このフロアには、金色宝箱が5個、黒色宝箱が1個。
3個は回収出来た。残りはボスを倒した先にありそう。
先に金色宝箱を3つ確認する。
≪エミルの涙、ランクS-、エミルが流したと言われる宝石≫
「カミルの仲間かな?」
『緑色の巨人かな?』
≪旅の軌跡、ランクS、一度行った場所に行ける≫
「RPGの魔法みたいだな」
≪後悔のペアリング、ランクB+、後悔する≫
「振られたのかな」
『別れた後に気付くって奴?』
≪禁術・地獄門、ランクーー≫
「これヤバい奴だな」
『うん、地獄行き』
≪憎悪の宝珠、ランクーー、憎悪を引き寄せる≫
「これじゃね?」
『これだね』
≪精霊水、ランクA+≫
≪妖精水、ランクA+≫
「何かの材料になりそう」
『たしか、禁薬だっけ?』
≪禁術・無酸素、ランクーー≫
「これエグい魔法だな」
「息吸う生き物に効果的だね」
≪ルナライトちゃん人形・ブラック、ランクーー≫
≪ルナライトちゃん人形・パジャマ、ランクーー≫
≪テラティエラちゃん人形、眼帯ビキニバージョン、ランクーー≫
「幼女の眼帯ビキニ…背徳感凄いな」
『ロリエロだね』
≪鏡鎧・リフレクター、ランクーー、ーー≫
「そういや、これの盾持っていたな」
『魔法戦だと有効だね』
≪ドラゴンアーマー、ランクS≫
≪ドラゴンシールド、ランクS≫
≪ドラゴンヘルム、ランクS≫
≪ドラゴングリーヴ、ランクS≫
≪ドラゴンローブ、ランクS≫
「割りとこのダンジョンってドラゴン推しだな」
『一応強さの象徴だからね。普通喜ぶよ』
≪変換機・トレード、ランクーー、同じ価値の物に変換出来る≫
「これすげぇ…」
『小さい物しか出来なさそうだけど、凄いね』
≪勇気の証、ランクーー≫
「これの意味は?」
『勇気ある奴の証明』
≪天使の羽毛布団、ランクーー≫
「よし!布団!」
『これで終わりかな』
残りはお金や宝石。
宝箱の確認が終わり、奥へ進む。
最奥には、一番大きな火山。
標高三千メートルに届きそうな大きさ。
トトはスケールが大きすぎて引いている。
とりあえず、火口まで行く事にした。
「……これがこのダンジョンのボスかな?」
『だろうねー。扉を守っているし』
火口は、壁の無い円形の闘技場が存在していた。
落ちたら熔岩が待っているベタな闘技場。
奥に小部屋があり、その扉の前にボスが居た。
≪炎の大王、ランク7、強さ28596、炎の王≫
炎で出来た、蛇の様な身体を持つ龍に見える。
寝ている…闘技場に誰かが来たら起き上がるのだろうか。
「んー、二人を連れて来てから倒すかー」
『そうだねー。あっ、ダンジョンで破壊の力を使っても大丈夫そうだよ』
「えっ、そうなの?」
『うん、ダンジョンって悪神の力が強くなるんだ。だから善神は見れないと思う』
「なるほど…」
トトは一度引き返す事に。
途中、ふと気になって…熔岩に手を入れて煉獄竜に合成してみる。
ギュンッ!__
「__っ!うぉっ!」
『だっ、大丈夫?』
「あ、ああ…熔岩と獄炎竜…合成出来る」
『えっ、それ…凄くない?』
「凄いどころじゃ無いかも…」
火山地帯の熔岩を全て合成したら、どうなるか解らない。
とりあえず、火山を一つ合成してみる事にした。
深紅の鎧のまま、火口にダイブ。
「__合成!」
ギュィィイイ!__
物凄い速度で合成されていく。
1分程で、火口から熔岩が無くなる。
底に到達したが、熔岩が沸き出してくる様子は無かった。
「底に何かあるな」
『宝石じゃない?』
「ほんとだ。貰って行こう」
『強くなった?』
「そうだなぁ、強くなってる。火山全制覇するかぁ」
『だね』
先ずは姉弟に、最奥にボスが居る事を報告。
「兄ちゃん、倒してきて良いぞ」
「トハシさん。行ってらっしゃい」
「行きたくないだけでしょ…まぁ良いけど」
火山地帯は暑いので、前の階層に戻ってテントを張る。
姉弟はここでレベル上げに勤しむ予定。
トトは火山を制覇して、ボスを倒したらまた戻る予定になった。