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流れの武器屋  作者: はぎま
アヴァロ大陸。
104/163

大自然ダンジョン2

 夜の荒野を走り、テントが見えなくなった場所でSGドラゴンに乗り込む。


「今日は西側かな」


 この階層の地図を作成し、トレジャーサーチで印を打っていく。

 宝を示す印は10個。

 北は2個…これは姉弟と一緒に開ければ良いので保留。

 西側に4個。東側に4個。

 地図をSGドラゴンに読み込ませ、自動で行くように設定。


 最初は真西。

 盛り上がった土の近くに着陸。

 スコップ片手に土を掘る。


『泰人楽しそうだねー』

「まぁなー。お宝ってワクワクするだろ?」

『そうだねー。僕もよくお宝探ししたよ』

「へぇー、どんな物あったんだ?」

『18禁グッズとか、古代兵器とか、フィギュアとか色々かなー』

「へぇー、おっ、あったあった」


 穴に手を入れて箱を収納。


 中身は後で確認するとして、次の場所へ。

 山の麓の湖まで行き、湖の中にSGドラゴンごと入る。

 中心の深い部分にある箱を掴み、湖から上がる。

 SGドラゴンから降りて、手に掴んでいる箱を収納。


「次は山だなー」


 西の山まで飛び、頂上へ。


「おっ、そのまま顔を出してるな。タケルが持っていたお宝は帝国の城かな?」

『宝物庫にあると思うよ。危険な物多かったから』

「ふーん。フィギュアって女神人形?」

『女神人形?あー、そうかも。ヴェーチェルネードちゃん人形ってヤツだよ』

「それは持って無いヤツだなー。多分そうじゃね?」



 西の山の頂上から箱を回収。

 そこから北西の外れまで行き、地中あった箱を回収した。


 全部で4箱…鉄、鉄、銀、銀の箱。



「じゃあ鉄の箱から行こう。2ついっぺんに見るか」


≪オパイ山のおいしい水、ランクD+≫

≪オパイ山のおいしい水のお酒、ランクC≫

≪バーラの酒、ランクB≫

「お酒かぁ…この世界来てから飲んでないなぁ…オパイ?」

『僕も飲みたい。飲む時、僕の刀身に掛けてね』


≪不幸のラブレター、ランクB-、不幸にさせる≫

「……」

『……』


≪剣士の知識、ランクC+、剣士系のレベルを上げる≫

≪戦士の知識、ランクC+、戦士系のレベルを上げる≫

≪魔法使いの知識、ランクC+、魔法使い系のレベルを上げる≫

「こんなのあるんだ。歩いたら経験値貰える装備作れるかな?」

『そういうの良いよね』


≪ロイヤルゼリー、ランクC+、3キロ痩せる≫

「3キロってのがリアルだよな」

『超が付くと5キロになるよ』


≪安眠抱き枕、ランクB、安眠≫

「おっ、やった」


≪エラ呼吸、ランクB、水中呼吸≫

「5個あるな。海とかあったりして」

『あり得るかもねー』


 後はお金やガラクタ。鉄の宝箱のこれじゃない感が凄いので、次からは銀色以上の宝箱を探す事に決めた。



 次は銀色宝箱を開ける。


≪雷獣の槍、ランクB+、攻撃586、雷獣召喚≫

「一気にまともになったな」

『だね。銀色以上を探そう』


≪レッドメタルソード、ランクB、攻撃863≫

≪レッドメタルアーマー、ランクB≫

≪レッドメタルヘルム、ランクB≫

≪レッドメタルグリーブ、ランクB≫

≪レッドメタルシールド、ランクB≫

「騎士の召喚具でも作るかなー」

『結構強いの出来そうだね』


≪ドラゴンルビー、ランクA≫

「へぇー、綺麗だな」

『ドラゴン型の宝石かぁ』


≪ルナライトちゃん人形・レッド、ランクーー≫

「…ルナライトちゃんか」

『全部で何種類あるんだろうね』


≪ゴールデンバット、ランクB、攻撃521≫

≪憎しみのお守り、ランクB-、憎まれる≫

「憎まれるのは新しいな」

『不幸ばかりだったからね』

 残りのお金と宝石を回収。



 最後の銀色宝箱を開ける。


≪フラマフラムちゃん人形・タオルバージョン、ランクーー≫

「うおぉぉ!お風呂上がり!」

『ナイスバデー!』


≪謎の化石、ランクC+≫

「虫かな?」

『虫だね』


≪百年ウイスキー、ランクA≫

「百年って大丈夫なの?」

『わかんない、後で飲んでみようよ』


≪銀の花、ランクA≫

「キラキラして綺麗だな」

『花増えたね』


≪ルナライトちゃん人形・イエロー、ランクーー≫

「やっぱり因縁かな。一番多い」

『今ルナライトちゃんは何種類?』

「9かな」


≪光の杖、ランクA、魔法攻撃1200、光魔法≫

「魔武器手前かな」

『だね』


≪賢者の杖、ランクA、魔法攻撃1100、上級魔法使用可能≫

≪賢者のローブ、ランクA、魔力上昇≫

≪賢者の靴、ランクA、魔力上昇≫

≪賢者の帽子、ランクA、魔力上昇≫

「賢者セット…成金魔法使いって感じだな」

『ダサくは無いけど、格好良くも無いね』


≪媚薬、ランクA≫

「……」

『……』



 宝箱の確認を終えたトトは、テントへ戻る。

 姉弟は既にベッドで寝ており、トトはソファーで横になった。

(明日は東側の銀色以上だな)



 ボーッと天井を眺めていると、ノワールが起きてベッドから降り、トトの元へやってきた。

 トトは起きて、ソファーに座るとノワールが隣に座った。


「トハシさん、おかえりなさい」

「ただいまです。眠れなかったんですか?」

「はい、少し不安で…」

「そうですか…あっ、この抱き枕使いますか?安眠効果があるんで」



 先程手に入れた抱き枕を渡す。

 三日月型の抱き枕。ノワールが抱き枕を抱き締めながらトトにもたれかかる。


「トハシさん…何日…寝ていないんですか?」

「…4日くらいですかね。これくらい普通ですよ」

「駄目ですよ。寝ないと…」


 ダンジョンに行くのに馬車を使ったが、トトが寝ている様子は無く、いつも起きていた。

 ノワールは、それが気掛かりで仕方がなかった。



「眠くなったら寝ますよ」

「…寝るのが怖いんですか?」

「それもありますが、元々眠りは浅いんですよ」

「ミリアン大陸で…何が、あったんですか?」


 何があったかと言われても…何も無かった事になっただけ。

 説明するのが難しい。


「……」

「いや、すみません。答えなくて大丈夫です」

「あっ、そうでは無くて、どう説明したら良いか……

 親友や、仲間や好きな人の記憶から俺が消えて…全員、敵になりました…かな」

「…そんな」

「まぁ、敵になったというのは間違いですかね。結果的には誰も悲しまないですから、良かったんですが」


 記憶が消えて敵になるというのは、全く想像出来ない。

 でも、どうして良かったと言えるのか、理解出来なかった。


「……どうして…そうなったんですか?」

「女神様に歯向かったからですよ。故郷に帰りたいって言っただけなんですが……あっ、俺転移者なんですよ」

「じゃあ…神の敵に…なったんですか?」

「ええ、そうです。ノワールさんはこれを聞いてどうします?」

「どうって……」



 神の敵は、世界の敵。

 教会に報告すれば、トトは処刑される。

 ここで何も言わなかったら、遠くに行ってしまう。


「…私も神の敵になれば…一緒に居てくれますか?」

「……もう、何言っているんですか。ノワールさんまで、記憶を消されたら…俺はもう耐えられませんよ」


 ルナライトとはまた闘う予定だ。

 もし一緒に居たら、間違い無く記憶を消される。

 女神はこの世界の人間が悲しむ事を良しとしないから。


「それでも、一緒に居たいです。…ノーレンに言われました…俺の事は気にしないで、好きな事をしろって」

「……少し、考えさせて下さい」



 ソファーから立ち上がり、外の空気を吸いにテントの外へ。



 一緒に居たら、ノワールの記憶が消される。


 記憶を消されなくても、トトは日本に帰る。


 だが、それよりも、深刻な事がある。


『…ごめん。僕のせいだね』

「俺が決めた道だ…気にするな」

『でも…寿命が…』

「まっ、このまま行けば俺の寿命は後10年ってとこだな。伸ばす方法も見付けないと、結婚なんてそのまた夢か…」


 破壊の力を使い続けた代償は大きい。


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