表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
キク -幼少編ー  作者: 麻本
3/24

3

「本当だとも。最初は悩むだろうがじきに慣れるよ。その理由を教えようか?」

「はい。知りたいです」

「ふむ。さようか。それはな?最初は霊体であるもののけ。つまりわらわたちは「無に近い」の存在なのだ。

しかし、こうして意識して考える力だけは持っておる。その意識を鍛錬する事で外界のものを体で触れることが

出来る様になってくるのじゃ」

「それじゃあ、野いちごを食べることも出来る様になるのですか?」

「一応はなるがな。それはわぬしの鍛錬次第なのじゃ。食えるようになるのが早いか、遅いか?それは

わぬし次第という事じゃ」

「がんばります!」

キクはふんっと息をはいて踏ん張った。

それからー。

空による、キクへの鍛錬が始まった。

それは、自分の持つ霊力を高め「無から有」へと変化させる方法だ。

「ではキク。先ずはその木の枝を折ってみんしゃい」

「どうやればいいんですか?」

{んー?ただ、その枝をみて「折れろ」と念じてみい?」

「はい!」

キクは目を枝にむけ、ただひたすらに折れるように念じた。すると直ぐに枝が揺れ始めたが、いつまで経っても折れる気配はない。

やがてキクは疲れて念じるのをやめた。

「出来ないよー」

そう言って泣きべそをかくキク。

「まあ、そう泣くな。初めてであれだけ枝を揺らせるなら上出来じゃぞ?わぬしなら出来るぞ?」

空はそう言ってキクを慰めた。そしてこの時、空はキクに対しての能力の素質を感じとり、その素質を育ててみようと考えた。

「なあキク?」

「はい?」

「わぬし、わらわと行動を共にするのじゃ。霊力もまだ未熟じゃし、わらわについて旅をしながら修行をせい。さすれば野いちごを食らうことが出来るのも、そう遠い話では無くなるぞ?」

「はい!ついて行きます」

キクは速攻で答える。

「良い返事じゃ」

空はキクの答えを聞いてにこやかに微笑んだ。

「しかし何じゃな?出雲を目指すのも良いが、それは置いといて、ここは一つアレを使おうかな?」

空か少し悩む。

「うーむ。・・・そうじゃキク。なるべく大きくて真っ直ぐな長い木の枝を探してまいれ」

空はキクに直ぐ側の林を指差し、枝を探させた。

そしてしばらく後。

「持ってきました」

キクは自らが探した枝を空に差し出す。

そして空はその枝を持って確かめる。

「なかなか良い枝じゃ。えいっ!」

空はそう言うと、枝を天高く垂直に放り投げた。

そしてその枝は間もなく地面に落ちて倒れる。

「よし。この方角じゃな。天の神様の言う通りにしよう」

そして、空とキクの二人?による宛のない旅が始まったのです。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ