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最高の目覚め
「ねぇ。あのね…」「君はもう起きなくちゃ。」
ザザッザザザッッ
…
あぁ五月蝿い。
俺の嫌いなノイズの音。
なんで起きてほしいんだよ。俺が起きたら
あんたと話せなくなるだろ。
…
ピピピピ ピピピp
最高の目覚めだ。
白いレースのカーテンから日光は俺の部屋を
明るく照らし出す。
綺麗に片付いた部屋には机と参考書の山。
壁も床も家具も白で統一してある。
昨日、黒髪から金色に染めた髪が目の端から見えて
少しだけソワソワする。
真面目をふちどった黒ぶち眼鏡を補欠に決定して
コンタクトをして真っ赤な伊達眼鏡をかけた。
高校デビューというやつだ。
そう。今日は俺の入学式だ。