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銀幕の恋人  作者: たま


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7/10

喫茶ノワール

他がバーや居酒屋の夜の店ばかりの中に喫茶店がただ一軒だけあった。そして営業中だ。喫茶店ノワールとしっかりカタカナで書いてある。

今時のカフェみたいに英字じゃない所がいかにもな年季の入った店だ。

「もう絶対コレだね!」ユウの目がキラキラしてる。

「やったあ〜1度喫茶店って入ってみたかったんだよね。フロートソーダとかあるかなあ〜」サキもキラキラしてる。

おずおずと扉を押すとカランカランと扉が鳴る。

「いらっしゃいませ〜」と奥から良く透る声がした。

黒の白衿タイトワンピースに黒ストッキングで白いフリルのエプロンの片桐ハイネさんだ!

もう、その出で立ちだけで喫茶店が映画セットのように見えてしまう。

「キャーキャー本物ホンモノだあ〜東京来たって感じするわあ〜」ユウが喜ぶ。

「もう、恥ずかしいよ!これからいっぱい見かけるよ!

反応してたら変だよ!」とサキもニヤニヤしながらユウの口を抑える。

「アラッ、可愛いお客様達ですね。こちらにどうぞ!」ハイネさんについて行って窓際の席に座る。

「なんか、なんかドキドキするね!」映画館ではニットカーデガンにパンツの市役所の窓口の人みたいな格好だから、ウエートレスコスは新鮮で本当に映画のセットの中に入った気分だ。

ふと斜めの席から一瞬視線が来た感じがした。

見るとヲタク男性が固まってカード交換に興じていた。長い髪に分厚いメガネの人達だ。

が、1人だけスラっとして鼻筋の通ったヲタクがいる。

また一瞬だけ目線が来て顔を伏せた。

『あれ?あの人…あれ?洗剤のCMの…松下桃李さんだ!』伽椰子はメニューを選んでる2人の手をパンパンと叩く。

「どうしたの?」ユウが聞く。

「ホラ、ほら、松下桃李さんだよ!あのメガネしたヲタクの人!顔良く見て!」小さな声で2人に話す。

「あ?エッ?ウソ…ホントだ!」ユウが自分の口を必死で抑える。

「何?この地獄谷の喫茶店!本当にドラマの世界に迷い込んだみたい!」ユウが小さな声で悲鳴を上げる。

「私も長年東京居るけど、こんなに俳優さんのオフが固まってるの見たこと無いよ!すごい!」サキも声を抑えて驚く。

「叔母さん、ココの常連らしいけど…なんかスゴい店だよね。」キャッキャしながら堅めのプリンアラモードとクリームソーダとナポリタンを3人でシェアして食べた。

本当に毎日今までが嘘みたいに楽しい。

子供の時もそれなりにイジメっ子と4人で楽しかったけど、それより何倍も楽しい!

他の3人でイジメっ子の顔色見なくて良くて、全然楽だし楽しかった。

「明日土曜日が最後ですよ。フイルムは全部処分します。」伽椰子がまとめて払いにレジへ行くとハイネさんがそう呟いた。


「伽椰子、ありがとうね〜今日はめちゃくちゃ楽しかった!

また月曜日ね〜」と2人は改札の中に消えていった。

「大学デビューはうまくいった感じ。次の夢も叶えるぞ!」推しのVチューバーのコラボイベントをスケジュール帳に書き込んだ。静岡ではなかなか都会へ出てもイベント参加できなかった。ライブ参加も諦めた。

東京で全部参加するぞ!

伽椰子は小さく手を上げた。


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