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銀幕の恋人  作者: たま


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2/10

入学式

大学の入学式にはわざわざ母も田舎から来てくれた。

でも叔母の家には泊まらなかった。

「すみません。しばらくの間だけですので伽椰子をお願いします。」と伽椰子が間借りした部屋だけ見て帰ってしまった。

「私に遠慮してるんだよ〜気にしなくていいのにね。」とミー子叔母さんは苦笑した。

「う〜ん、やっぱり母はミー子さんが実家にあまり来なくなったの気にしてるみたいでした。自分のせいだって。」と伽椰子もなぜか母みたいに頭を下げた。

「ちかうちがう!実家を継いでくれた弟と奥さんが、あの家の(あるじ)なんだよ、新しい。

だからね、あそこで生まれ育ったとは言え、1人前になったらあまり出入りするもんじゃないんだよ。」と。

「その伽椰子をイジメた友達はそこに戻らなくてはいけなくなったのも屈辱なんだよ。自尊心高い子でしょ?」と叔母が言う。

「アッ、確かに!その実家に私だけ呼んでくれなかったんです!なんで?って聞いても、アンタなんか呼ぶ訳ないでしょ!って答えてくれなかった。」伽椰子が思い返す。

「伽椰子の家は立派な門があるあの地域では名士の家柄だから…同じような古い家なのに格下の造りだから呼べなかったんだよ。その子は。」ミー子がその友達の気持ちを教えてくれた。

「…私、そんなの気にしないのに…」伽椰子がしょげる。

「伽椰子の気持ちは関係ないよ。その子が1人でミジメに感じたくなくて呼ばなかったんだよ。

なのに伽椰子が聞くでしょ?そんなミジメな気持ちを口にするのが嫌だったし、他の子が伽椰子の家と比べるの分かってたからだよ。

プライドある子は色々大変なのよ。」と聞いて伽椰子は悲しくなった。

「そんな…どうでも良いことのために私をハブったの?」伽椰子がしょげる。

「フッ、その程度の子なんだよ。器が小さいの。だから、遅かれ早かれ仲違いしてたと思うよ。

プライド高い人間って、大体中身がポンコツだから!

気にしない、気にしない〜」と叔母に肩を抱かれた。

元々は駅前の田舎なのにニョキと建ってるタワマンの子だった。でも離婚してお母さんとその子だけ出たのだ。お父さんの親が結婚祝いに買ってくれたタワマンなので離婚での財産分与に当たらないのだ。

お父さんはそこに新しい女と今も住んでる。再婚したが子供が出来なくて焦ってるとか噂で聞いた。

田舎はそういうの筒抜けなのだ。

元々その子のお母さんとだってすごい年の差婚だったのでお父さんはすでに60才だ。父親のご両親はまだ健在で怒っているらしいと。伽椰子の家には情報全部入ってくる。

思えば確かにプライド高くてタワマンの事も自慢してた。

古い伽椰子の家をバカにしてた。そんな子がもっと小さな古い家に引っ越したのだ。伽椰子はハブられた事にショック受けてたが、原因はそんな性もない事だったのだ。

彼女も格好悪くて言えなかったのだ。

何だか、なんで嫌われたのか?と悩んだ自分がバカバカしくなった。

傷つくだけ損だと今の伽椰子なら分かる。


大学は東京でもかなり有名な所にした。

勉強は苦にならない。イジメに比べたら屁のカッパだった。

叔母は母と違って歯に衣着しないでイジメた子の心理を暴いてくれる。元が警察だからか?

田舎では叔母みたいな物言いでは角が立つ。だから地域の婦人会のまとめ役もやってる母なんかは絶対言わないのだろう。

ずっと苦しんでたのがバカバカしくなってきた。

「何で、あんな子のために私が学校休まなきゃいけなかったんだろ?ハッ!」都会の大学の中を歩いてると、あんな閉鎖的な小さな世界で人間関係にそれもくだらない感情に振り回されてた自分がバカに思えてきた。

「ネッネッ、あなた新入生?ウチ入らない?」上級生らしい人が声を掛けてきた。「ウチ、テニスサークルなんたけど良かったら入らない?旅行してテニスするだけのクラブだから楽だよ〜バイトしてても入れるよ?」と歩いて無視する伽椰子を追い掛けてくる。

「あっ、すみません〜急いでるので〜」 と断る。

あの子とも、こんな始まりだった。公園でブランコの順番待ちしてたら声掛けてきたのだ。

誘われて嬉しくて仲良く遊んだ。大体いつ公園行っても遊んでた。彼女があれしょ!これしょ!って言うのに他の3人でついて行ってた。

思えば「仲間、友達、仲良し」とか頻繁に使う子で結束を固められた。

その時は嬉しかったけど、今思えば胡散臭い。

さっきのテニサーも日頃活動しないで旅行くとか、閉じ込めて言う事聞かす気アリアリだ。女の子の後に男が数人ニヤニヤしてた。自分の女にああやって声掛けさせるのだ。何年か前にネットニュースなってて学んだ。

大学も気をつけないと宗教や乱交クラブの入り口あるのだ。自分から声掛けてくる女は大概気をつけないと!

イジメっ子で学んだ。

人を利用しようとする奴が声掛けするのだ。

思惑ある奴しか声掛けなんかしないのだ!

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