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第4話:魔物襲来、そして被害ゼロ

夜明け前、風が大きく揺れた。


空気が震え、地面を這うような流れが村へ向かってくる。

嫌な予感ではない。

はっきりとした“警告”だ。


「来るぞ!」


見張りの声が上がるのと同時に、森の奥から黒い影が現れた。


魔物の群れ。

数は多いが、動きは乱れている。


村人たちは事前に指示された通り、東の丘へと避難していた。

風の流れが弱まり、視界が開ける場所。


魔物たちは丘へ近づこうとするが、

強い横風に進路を乱され、思うように動けない。


(今だ)


俺は、風が最も静まる瞬間を見極めて合図を出した。


最低限の迎撃。

深追いはしない。


魔物は混乱し、やがて森へと退いていった。


夜が明ける。


村に、静寂が戻った。


死者――ゼロ。

負傷者も、軽傷のみ。


倒壊した家はなく、柵も無事だった。


「……守られた、のか」


誰かが呟く。


村長は、俺を見ていた。

その目には、疑いではなく、驚きがあった。


風が、穏やかに吹いている。


――ひとまず、この村は生き残った。

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