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第2話:辺境へ向かう道で、風が騒いだ

王都を出た馬車は、昼を過ぎると人通りのない街道へ入った。

舗装は荒れ、道の脇には切り立った岩肌が続く。


「……今日は、妙な風だな」


御者がぼそりと呟いた。

俺は、すでに分かっていた。


風が、地面の奥から響いている。

空気が重く、流れが歪んでいる。

これは――崩れる前の風だ。


「この先で、崖崩れが起きます」


「は?」


御者が振り向いた、その瞬間だった。

低い地鳴りが走り、前方の斜面が音を立てて崩れ落ちる。


土煙。

轟音。

街道は完全に塞がれた。


「な、なんで分かった……?」


御者の声が震える。


「風が教えてくれました」


それ以上、説明はしなかった。

説明しても、理解されないことは分かっている。


迂回路を使い、馬車は再び進み出す。

それから御者は、何度も俺を見るようになったが、何も聞いてこなかった。


――そして、目的地。


辺境の開拓村は、思っていた以上に静かだった。

荒れた畑、古い柵、疲れた顔の人々。


風は、重く沈んでいる。


(……長くないな)


この村に、穏やかな時間は残っていない。

そんな予感を、風がはっきりと伝えていた。


俺は、ここで生きることになる。

追放された身として、最後の場所として。


だがその夜、北から流れてきた風を感じて、俺は確信する。


――ここは、もうすぐ試される。


ここまで読んでいただきありがとうございます。


追放から始まる物語ですが、

主人公は派手に無双するタイプではなく、

静かに評価が反転していくお話になります。


続きが気になったら、

ブクマ・評価をしていただけると励みになります。

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