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原爆がある異世界で。  作者: トリチェレ
第二章[魔物が蔓延る地]
8/22

『同時の決着』

 改めてみると大きい...四足歩の状態で2メートル位の高さがある。周りは森で、木と見比べてもかなり大きい。


「逃げるか!?」


「さっき洞窟の出口に先回りされたんですよ!?逃げ切れません!!


「ソールは剣しか攻撃手段がないんだろ!?じゃあ片方は二人に任せるぞ!!エレオノーラ!!『自己犠牲』を使う!!『再生』で援護してくれ!!」


「はい!!」


「ゴルァァァ!!」


 魔物の片方がこっちに突っ込んで来た!!


「うおおっ!!」


 俺は左足に『自己犠牲』を使い、魔物の噛みつきを避け、ブチチチッと音を立て左足が吹っ飛ぶ。


「痛えええっ!!だが!!」


 猫女の時とは違い、足が吹っ飛んだ瞬間から俺の足は即座に治っていく。


「うおおおっ!!」


 今度は右足に『自己犠牲』を使い一歩!!次に治った左足でもう一歩踏み込む!!


「どりゃあ!!」


 俺は右手で魔物の側面を殴った。勿論『自己犠牲』を使いながら。


「グルオオォ!?」


 魔物は勢いよく吹っ飛ぶ。だが対照的に俺の体は全て治り立っている。


「すげぇな『再生』!!」


 魔物の硬い外皮はボロボロと崩れ落ちる。


「グルォォォ...!!」


「こちらはもう倒しました!!マコト方は!?」


「もうちょっとだ!!あと一発腹にぶちこめば...」


 あと一体。あと一体のはずだった。だが目の前にいるのは『複製』の転生者が生み出したのであろう魔物だと言うことを忘れていた。


 モルッ


「は...?」


 外皮が剥がれ落ちた魔物からもう一体見た目が同じ魔物が生えた。外皮は剥がれ落ちていない。


「増えた...」


「まだ増えるんですか!?まさか不死身...!?」


「いや...2体...2体だ!!」


「どうしましたマコト!?」


「この魔物は2体以上に増えていない!!多分2体以上に増えることが出来ないんだ!!なら同時に倒せば!!再起不能になるはず!!多分!!」


「多分!?同時に!?」


「そうだ!!試す価値はある!!タイミングを合わせてくれ!!」


 生えてきた方の魔物がソールとエレオノーラの方に走っていく。


「ソール!!私が過剰成長させるからその後...に...!?」


魔物は跳んだ。エレオノーラの頭上を。明らかにエレオノーラ避けていた。


「え...!?」


「マコト!!」


「なんだ!?」


「魔物がエレを避け始めました!!これでは剣が外皮に防がれてしまいます!!」


 なんと魔物は学習をしたのだ。エレオノーラ触れられなければ倒されないことを。


「...!!」


 俺は急いで数メートル離れている二人の方に向かった。『自己犠牲』を足に使いながら踏み込めば3歩で、1秒もかからず魔物の真横へと移動できた。と同時に俺は魔物を横っ腹を右足で蹴り、外皮を砕きながら上へと跳び上がる。魔物は吹っ飛ばされ地面に転がる。


「俺がこいつを倒す!!そっちは任せたぞソール!!」


 俺は空中でそう叫んだ。それを聞いた瞬間ソールは凄い早さで俺が最初に外皮を砕いた魔物に近づく。


「おらぁぁっ!!」


「はぁっ!!」


 俺は地に落ちるのと同時に魔物の柔らかい腹を殴り付ける。それと同時にソールはもう片方の魔物の側面を切り裂いていた。


「「グオオォォ!?」」


 2体の魔物が同時に断末魔を上げる。見事俺達は2体の魔物を同時に倒した。


「やったか!?」


 俺がそう言うとの足元の魔物の大部分が溶けた。その中からは一体の小さな狼が出てきた。


「キュウ...ン...」


 恐らくまだ子供であろう小さな狼はそう鳴き、生き絶えた。他の魔物は全てが溶けて死体自体が無くなっていた。


「倒せたっぽいが、これは...なんだ...?」


「この狼が魔物の元となったんだと思います。」


「許せねぇ...こんな小さなただの狼を...あんな魔物にしたのか...」


「ええ、私もそう思います...だから、『複製』の転生者は絶対に倒さなくては。」


「ああ...だがまぁ、とりあえずは水浴びをしよう。」


 ソールと俺の服に付いていた魔物の血とエレオノーラの腕に付いていた涎は全て魔物と共に消えて無くなっていたが、それでも俺達3人の服は泥で汚れていた。


「そうですね。今の魔物はかなり強かったのでこの一体の魔物はさっきの魔物に食い殺されていると思いますし、ここは安全でしょう。」


「さっきの魔物は流石に例外か。あんなのが沢山いるのかと思ってたぜ。安心した。」


「流石にあんなのは稀です。運が悪かったですね。では水浴びをしましょうエレ。マコトは離れた場所で水浴びして下さいね?私達が可愛いからって覗いちゃダメですよ?」


「分かってるって!!覗かないよ。」


 そう言われてみれば確かに二人の顔はかなり可愛い。その上強いなんて俺は仲間に恵まれてるな。

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