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原爆がある異世界で。  作者: トリチェレ
第一章 [トリニティ王国]
5/22

『決着のキッカケは...黒い積乱雲?』

昨日は1話も投稿しなかったくせに今日だけで3話も投稿してしまいました。偏らないよう気を付けます。

「エレオノーラ!!魔力循環と固有魔法の使い方は!?」


 戦闘はやむ無し!!じゃないと俺が捕まる!!絶対捕まったら転生者ってだけで処刑されるし!!絶対やだ!!


「えっ!?ちょっと待ってください!!」


 この状況でちょっと待ってだと!?


「死ねー!!」


 俺は身をよじり左に避けるが腹の目の前を猫女の拳がブンッという音を立て横切る。


「捕まえるんじゃないの!?」


「だってよくよく考えたら捕まえるよりここで殺した方がいいじゃーん!!」


 俺こんなとこで死ぬのか!?


「ありました!!この図の通りに魔力が循環するのを想像してください!!」


 この状況でこっちを見ろ!?俺ホントにここで死ぬのでは!?


「なんの図ですかぁ!?」


 魔力循環さえ習得すれば勝てるのでは?と言う考えから必死でエレオノーラの方を見ると、持っていたのは中2で習うような血液の循環を脳、肺、心臓だけに簡略化にしたような図だった。

 成る程。わかりやすくて助かるぜ。そんなことを思うよりも前にとっくに俺は脳内で魔力が循環する様子を想像していた。


「戦闘中によそ見!?」


 思考がクリーンなったが分かる。魔力が循環し始めたのも。そのタイミングで俺の腹に拳がクリーンヒット。だが痛くない!!


「残念だったな猫女!!もう魔力循環は習得し...た...!?」


 姿勢が崩れる。


「そうだねーだからなに?」


 喋れない...これは...嘔吐感!!


「おぼえぇっ!!」


 俺は胃の中身を激しく吐いた。


「私の固有魔法は『衝撃貫通』私の攻撃は内部にダメージを与えるの。まあ全ての物って訳じゃないけどね。基礎魔力循環しか出来ない相手とか、魔力量があんまない相手には結構効くんだよ?あとさっき君が見たあの図は魔力循環の基礎。本来の魔力循環の1/10程度の効果しかないし、子供の時に習ってそれっきり使わないようなヤツなんだよ?そんなんすぐに出来て当然。まずその基礎魔力循環で思考を加速させてから本物の魔力循環を学ぶの。そんなんで喜ぶなんてバカみたいだねー。」


 話長えよ猫女...!?うっ!!


「あうおえっ...」


 吐瀉物がどんどん増えていく...頭が熱い...!!クラクラしてくる。変な咳の様なものが出るたびに吐いてしまい腹が痛む。


「俺の...負けかよ...おぼえっ...クソ...」


かすれそうな小さな声で俺はそう呟いた。


「今の何発も打ち込めば死ぬから、あとで殺してあげるから少しだけ待っててねー転生者君!じゃっエレオノーラちゃーん!!王国に帰ろっかー!!」


「マコト様!!」


 エレオノーラはシフェルを無視し俺に駆け寄る。


「ありゃ。私よりもそんな吐瀉物まみれの男がいいんだーエレオノーラちゃんはー?」


「マコト様!!今治します!!」


「シフェル!!私が相手だ!!」


「んー?ソールちゃん?君右腕吹っ飛んでなかったっけ?」


 いつのまにかソールの右腕は治り五体満足で立っていた。


「君の相手はしたくないしもう逃げよっかなー?足は私の方が早いしねー。」


「ってかエレオノーラちゃーん今治すって言ったー?内臓にダメージ入ってるからそう簡単には...あれ...?そういえばエレオノーラちゃんの固有魔法って...」


「そういえばお前は前から記憶力が無かったなシフェル!!」


「はぁ!?元先輩に向かってなんて口の利き方するのさソールちゃん!?ってか今思い出したよー!!エレオノーラちゃんの固有魔法は『再生』だ!!忘れてたー!!」


「うるせえな猫女...」


「あー!!やっぱり私の攻撃一発でもくらったら10分ぐらい立てないのに立ってるー!?」


「いちいちうるっせぇな黙れよ猫女!!」


「その猫女ってのやめてー!?獣人差別だよー!?」


「うるせぇなー!?」


「エレオノーラ!!固有魔法はどうやって使うんだ!?」


「固有魔法は使うのを意識するだけで使えます!!」


「猫女!!再戦だ!!ソール!!俺にやらせてくれ!!」


「ええっ!?わっわかりました!!」


「黙って私の手柄になりなよー!!」


 ブンッ


「当たらねぇよ!!」


「このっ!!」


 ブォンッ


「大振りすぎんだよ!!お前がさっきバカにしてた基礎魔力循環でも余裕で避けれるぞ!!」


「当たってよー!!」


 今度は俺の番だ!!


「オラッ『自己犠牲』!!」


「ひゃあっ!?」


 避けられた!!


「オラッ『自己犠牲』解除!!」


「解除!?」


「オラッ『自己犠牲』!!」


「わあっ!!」


 またまた避けられた!!


 その時だった。


 ドガァァン!!


 「うおっ...!?」


 ...ドパァン!!


 「ひーっ!?」


 急に大きな音が周囲に鳴り響き衝撃派の様な物も来た。


「今度はなにー!?」


 ここだ!!


「『自己犠牲!!』」


 なにがなんだかわからないが、驚いて目を瞑っている猫女に俺は拳を思いっきり猫女の顎にぶち当てた!!


「なあっ!?」


 が、殴ると同時に俺の腕が逆に吹っ飛んだ!!まだなんか隠し球があったのか!?


「痛えーーー!?」


俺の腕は筋肉、骨!!全てが粉々に吹っ飛んでいた。


「あああ...!!」


 これは猫女の声だ!!だけど違和感がある...!?どうなってるんだ!?


「...ええ...!?」


 猫女の顔を直視瞬間、異常にはすぐに気付いた。猫女の顎が吹っ飛んでいた。


「ああ...」


 猫女は呻き声を残し気絶した。


「エレオノーラ!!猫女の怪我治してくれ!!その後に俺の腕!!」


「えっ!?気絶から覚めてしまいますよ!?」


「俺がどうにかする!!それより猫女が死ぬ!!それに君の国の国民だろ!?問題になってしまう!!」


「は、はいっ!!」


「でも問題になるのより目の前で人が死ぬのだけはごめんだ!!ここまでやるつもりはなかったのに...!!俺がこの世界の魔法を甘く見てたせいだ...!!一発ぐらいじゃ気絶するぐらいだろって...!!」


 エレオノーラが猫女を治してる間に、決着のキッカケとなったさっきの爆発音と衝撃波を思い出した。あれはなんだったんだ?衝撃波が来た方の森の中を見るが何もない。だが目の上の端の方に黒い何かが見えた。木の葉の隙間から見える何かが。

 なんだあれは...?黒い...積乱雲...?

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