レジェンディア8
村正との闘いで勝機を見いだせずに苦戦していた。そんな中ロイが拉致されてしまう。
シュウ達は疲弊していた。村正にかかっていったものの、かすり傷一つつけられず苦戦を強いられていた。
「5対1だぞ!なんで傷一つつけられないんだ?」
ラナスは顔についた血を拭って言った。
「量より質だぞぉお前ら」村正は余裕の表情を浮かべて刀を手の中で回している。
「上等だコラァ!」
「レックス!」
斧を振り上げてレックスは突撃していく。ラナスは止める余裕がなく、
「バカ野郎!」
叫ぶのが精一杯だった。「いい踏み込みだねぇ」
そう言って村正はものすごいスピードで動いた。「ぐぁっ」
レックスの肩に刀を振り、一太刀いれた。
「そんな……」
シュウは強すぎる敵を前にして為す術がなく、どうしたらいいのかわかんなかった。
「おいっ兵ども!この剣聖さんを連れていけ」
帝国兵が5人現れてロイを運んでいく。
「お前ら!ま、待て」
シゲルは怪我をした体を必死に動かして叫ぶ。
「あらかじめ俺たちの目的は剣聖の拉致であってぇお前らを倒す事じゃあないのさぁ」
「くそぉ」
シゲルは立ち上がろうとしたが、強い痛みに襲われひざまずいた。よく見るとわき腹から血がでている。
「動かないでください。奴らは我々に任せて」
マルフはシゲルを落ち着かせて剣と杖を構えた。(まだ勝算はあるかもしれない……あいつの気をそらせばなんとかなるかな)
マルフは杖で地面に円を描き、バレないように小声で詠唱を始めた。
ラナスはマルフを見てシュウに目で合図を送った。シュウとブレイクは構えなおした。
「まぁだ戦う気かよ。もう拉致って退却始まってるぞ」
「勝負は捨てるもんじゃないぜ。二刀流!」
ラナスが叫んだ。
「今だっ!」
その瞬間、村正の足元の地盤がめくれあがった。「なにっ!!」
驚く村正。
「うおおお!」
シュウとブレイクがめくれた地盤をよけて村正に接近した。
マルフの機転のきかせによって隙を見せた村正。果たして成功するのか?