レジェンディア2
帝国との魔法兵器による激しい攻防が繰り広げられる。
果たしてランドマーク防衛なるか!?
シュウは帝国に堕とされた自分の故郷とも言える砦を見つめた。帝国はもうそこまで迫っている。
「魔装砲発射!」
城壁に取り付けられているいくつもの魔装砲が火を噴いた。前線に立って陣形を整えていた帝国兵の大半が吹き飛んだ。
「さすがだ!」
「これなら侵攻できまい」兵達は歓声を上げた、がそれまでだった。
帝国の陣形の中で一人だけ目立つ男がいた。黒い鎧に身を包んだこの男はランドマーク城を見つめ、兵に指示を出していた。
「魔装砲の照準を合わせろ」
「了解!」
「ドルドレイ様。陣形はどうされますか?」
「楔で突っ込む。早く整えておけ」
ドルドレイと呼ばれた男は身の丈ほどの巨大な剣を携え、整えている陣形の先頭に立った。
ランドマーク城壁では魔装砲のエネルギー装填に行われていた。しかしシュウは帝国の魔装砲の照準がこっちに向いてる事に気づいた。
「来るぞーー!」
シュウが叫んだのもつかの間、敵の魔装砲から発射されたエネルギーは城壁に命中した。
「うわぁぁっ」
城壁の上部が崩れた。
陣形を整えたドルドレイは兵を引き連れてランドマーク城門に進軍を始めた。
「抵抗するものは一人も生かすな。」
後方では魔装砲の照準が城門を捉えていた。
敵の動きを察知したガンダルフは兵を引き連れて城門の前へ防衛に向かった。
「魔装壁を張れ!」
城全体を魔力の幕が覆った。
「何っ!」
進軍していたドルドレイは突如現れた魔力の幕に立ち往生した。その瞬間、ランドマークの魔装砲が発射された。
「退却だっ!」
「下がれーー!」
後方で援護をしていた帝国兵も混乱し、撤退を余儀なくされた。
撤退した帝国兵を見てランドマーク兵は歓声を上げていた。
「これは序の口にすぎんな。ゼロスはあの程度では諦めんからの」
「手を打たなければいかんな。」
「シュウを呼んでくれ。それから腕利きの者達を何人か集めてほしいんじゃ」
ガンダルフとグランバルトは逃げていく帝国兵を見ながら言った。
帝国城の一室で男は窓から見える撤退してきた帝国兵を見つめていた。「ゼロス様」
ドルドレイが入ってきた。ゼロスと呼ばれた男はゆっくり立ち上がりドルドレイを見た。
「負けたらしいな」
「はっ。申し訳ありません!」
「負けろという命令は出した覚えがないんだが」 「はっ……」
静かな物言いとは別に目には怒りが見えた。
「まぁいい。すでに東の武蔵の八道ノ北は我が手中にある。北は山脈のおかげで侵略がままならん」
「では次は南を?」
「あの忌々しい騎士団を潰す」
「どうか指揮は私に!」
ゼロスはドルドレイを横目で見た。
「いや。今回は村正に指揮を執らせる」
「はっ……」
すると部屋の入口に青い羽織りを着た男が現れた。
「お呼びですかぁ」
「そうだ。南へ進軍を開始しろ。今回はお前が指揮を執るんだ」
「りょーかい。村正行って参りまーす」
にやっと笑い村正という男は腰にさした二本の刀を見つめて。部屋を出ていった。
「ドルドレイ。」
ゼロスはドルドレイの方を向いて言った。
「その剣はお前には見合わんな。」
「はっ?一体どうゆうことでしょうか?」
ゼロスはドルドレイの脇を通り抜けて言った。
「こうゆうことだ」
その瞬間、ドルドレイの体から血が吹き出した。「ゼ、ゼロス様!」
「この剣は新たな主人を得る。」
「くそぉぉぉ!」
ドルドレイは怒りの形相でゼロスに向かったがゼロスは目にも追えぬ速さでゼロスの背後に回った。
「失せろ……」
そして次の瞬間、ドルドレイの首が部屋に転がっていた。
「ガーランド!」
「お呼びですか。ゼロス様」
ガーランドと呼ばれた男は灰色の派手な装飾が施された甲冑に身を包み不気味に笑っていた。
「この剣を授けよう」
「ありがとうございます」不気味に笑いながらガーランドは部屋を出て行った。
ランドマーク城内では兵達が破損した城壁の修理に追われていた。
「シュウ。ガンダルフが呼んでるよ」
「わかった。今行く」
案内されて城の会議室に通された。
「全員揃ったな」
ガンダルフが会議室を見渡して言った。
「シュウ座りなさい。これからの事について話し合う」
帝国を退けたランドマーク。しかし帝国の次なる矛先は南だった。謎の男ゼロスの陰謀とは?
そしてシュウの運命はどうなるのか?
次回に続く。