第1章 第1話 異世界は突然に
「わりぃ、俺死んだ」どっかの漫画で出てきそうなセリフを頭の中で流す余裕があることに驚きながら突然自分に訪れた死を拒否する自分。
普通の日常を送りありふれたはずの生活をしていた自分が何故今死にそうなのか。それは刹那の時間では考えることが出来ない。ただ1つ薄れゆく意識の中でたった一つ考えたことは...
「死んだらどうなるんだろう...」
そう考えた時彼の意識は闇に包まれた
「おめでとう!君は愛されてるね」
不意に聞こえる可愛らしい声。今まで聞いたことのない位可愛らしい声
「こ...こ」
自分の声とは思えないほど掠れ聞き取れない声が口から発せられる。
「うーん...君は死んだんだよ」
声の主はこの会話が当たり前かのように話す
「君は死んで今魂が違う世界に流れ着いた。理解出来る?」
あぁ、夢か疲れて夢を見てるんだな...
「おいおーい...って無理もないか魂が崩壊してないだけ及第点かな.」
こいつは...この声の主は何を言ってるんだ?魂が崩壊?違う世界に流れ着いた?まるでラノベに出てくる異世界転生...いや異世界転移か?
「そうそう!話が早くて助かるよ!君は死んで異世界に転移することになった!そんでもって今から新しい世界で生きる...理解してくれたかな?」
は?異世界転移?新しく生きる?何を言ってるんだこいつは
「うーん君の疑問は分かるよ。死んで異世界に転移ってラノベかーって」
こいつ俺の考えを読めるのか?
「当たり前じゃん!君が話してるのは神だよ!神」
こんなのが神なら世も末だな...
「ちょっと!勝手に決めないでよ全く...」
少なくともこんな神は認めたくないな...
「まぁ君の世界の神とは少し違うんだけどね」
?ではこの声の主はなんなんだ?
「うーん...それは今は秘密かな」
いやいや、神を自称する奴との会話なんて1回きりにしたいんだが
「ちょっと!神だよ?仮にも神だよ?」
だ か ら な に
俺には関係ないし、てかなんだよ一体...
「えぇ...君みたいなのは初めてだよ」
とりあえず転移に拒否権がないならさっさとしてくれ
「急に従順になるじゃーん」
早く終わらせたいからに決まってるだろ!あと尺..
「なーんかメタそうな発言が...まぁまぁ、とりあえず転移させるね」
急に遠ざかる意識、見えないはずの視界が純白に染まっていく
「あ、そうそう君にはか...」
ん?ちょっと待てやおい!最後まで言えやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
そして俺の意識は闇に包まれた