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或る少女の旅⑤-夢魔の気持ちを考えよう
「――本題に戻りましょう。貴女の行動の意図……それが私にはまだ分からないんですよ、リーリス。」
「それは……そのお……」
「散ッ々引き伸ばされましたがもう離しませんよ。さっさと話しなさい」
「……………………」
――これは。何か存外に深い、理由があるのか。
「あなた方に敵意、害を加える意思がないことは約束します……が……」
「…………その理由だけは話したくない、と?」
リーリスの口は思うほか固い、股はゆるいくせに。
「ひどくないですか!?」
「ごめん……私の中の悪魔がつい……」
だが――ここで問い詰めて、リーリスから答えが出るようには思えない。
「――それは果たして、私の知りたいことに関することじゃないんでしょうか……?」
「……知りたいこと?とは、はて?」
「……昨日、私は確かに見た筈なんです。図書館の夢を」
そしてーー病院の、あの記憶を。




