表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

50/87

自称、姉妹百合の女⑩-やっぱりただのプレイだった


***


「――と、言う訳です。」

「はあ。とりあえず……ベスと貴女との出会いについては分かりました……けど、なぜベスと貴女の関係を、姉妹関係と表現してるんです?」


その理由は至極単純なもので。


「妹に憧れていたのです!……姉妹!ああ――なんて美しき響きでしょう……!!」


「引きました」

「いつ聞いても……アレじゃな、理解できん…………」

「そりゃないで……」


恍惚とした表情のリーリスは気にしていないご様子だ。まあ――夢魔には夢魔なりの苦労が有ると言うことだろう。

不死を求める人間が存在するように、自分の在り方を受け入れてられないものは――やはり存在する。


リーリスが、そうだっただけ。

そしてベスが、彼女に道を示しただけ。



「しかし――最後の質問ですけど。繰り返しますが貴女は何故……森さんを拘束しているんですか?」


リーリスの横に目をやれば、縄で縛られた森さんがそこにいた。


もごごごごと森さんは何かを訴えたそうにしている。口は何らかの黄色い布で塞がれているからまともな声は出せない。

うちの雀荘の備品じゃないといいけど……。


「――よかった……服は全部着たままですね」

「心配するとこそこかい……確かに心配すべきとこやけど!」

「もごごごごごご」


例えば刑事ドラマの中の捕まった人質のように、ここまで丁寧に縛られている人間を――私は人生ではじめて見た。その縛られている人間が私の恩人の森さんだとは予想もしなかったが。



「それは―――この人を……縛りたくなったからです……♪」

「は?」


返ってきたのは、理解できない一言。


「なんか察したわ…つまりそういう性癖って……ことやんな……?」

「左様…です。すこし恥ずかしいですけれど……♪」


「……もごご…ごご!?」


全く恥じらいを感じているものの顔ではない。口を開けて固まっている私に、あきらめの半笑い顔のベスは言った。

私の肩に手を置いて。


「諦めろ綾、こいつはこういう――女だ」

「ベス、貴女彼女になんて言葉を授けたんです?人間の精力吸うことに罪悪感感じてた女のやってることじゃないでしょう、これ」


「―――助けてるつもり、なかったんじゃがなあ……」

「振り切れちゃってませんか、振り切れちゃってますよね?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ