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自称、姉妹百合の女①-そういうプレイ?
不審者情報なるものを耳にした綾と小音。
彼女達が綾の恩人、森の経営する雀荘、雀猫に入ると、そこに噂の不審者とエリザベスが半裸で床に横たわっていた。
私がそこに立ち尽くしていたら、小音が私の後ろからこちらを覗いて叫ぶ。
「不審者1号2号や!」
「わしとこいつを仲間にするなあ――つ………………」
「姉様……酷いです………………」
なんて会話が繰られる。
女は悲しみを表わし、その身体の両の手で顔を覆う。
ベスを押し倒しているその状況で器用に、その半裸の身体をうねらせて。
ちらと横を見れば、ボロのスカートと薄手のコートが、全自動雀卓の上に雑に置かれている。真っ黒のブラジャーとパンツ一枚、女が身につけているのはそれだけだ。
この女は。なんだろう、形容しがたい、そんな雰囲気。
「ベスが、姉様………………?」
金髪に緑色の眼、そしてヨーロッパ系の顔に白い肌。……この街の露出狂の情報と何ひとつ違わず、その特徴は一致している。写真が無くとも、誰だって情報を持っていれば一目見るだけで断定できるだろう。
髪は、束ねられていないが。




