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おもしれー女とやべー女と変態と④-変態はここにいます
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「ねえ――お姉様。私、貴女のお姿を見たくて、帰ってきたのです、この世に――」
「あ……ああ……そうなのネ………………」
金髪を揺らす、少女の姿をしたその吸血鬼。エリザベス・ルチア・クラーク。あだ名はベス。訳あって雀荘『雀猫』で、命を救ってもらった恩返しという名目で働くことになった、始祖なる伝説の吸血鬼である。どう見ても、小学生くらいの身長。その身体を持ち上げることは容易いだろう。
そして、ベスに対し話しかけているその女性。
日本人女性の平均以上は、ゆうに越していると目視で確認できるほどの高身長の背丈がある。肌は白く、その眼は美しい緑色。そして赤っぽく、しかし金色であるその長い髪は短く纏められていた。
その顔はほどに美しく、何ひとつの欠点が感じられない。
故に不気味。
妙に耳に残るゆったりとした口調で、その上に透き通るような声をしていてる、その女性は――
「私――この世に転生するために、頑張りました。だから――ひとつだけのワガママを、聞いていただけますか?」
半裸、であった。




