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働けきゅうけつきさん③-力より団子


「今日の夜のお仕事はね〜……うん」


森さんが、吸血鬼からの通報等々が無いかを確認する。抗争等の事件が発生していないかどうかをだ。


「…………うーん、なしね!」

「無しい!?」


きゅうけつきさんは期待外れと、がくりと肩を落とす。


「ま――今日この頃、吸血鬼の抗争なんてのはまれなのよ。血の気の多い吸血鬼が大半だけれど、吸血鬼殺しに殺されたくはないだろうし。楽でいいわね〜」

「……?わしは吸血鬼に襲われたぞ?あれは珍しい事なのか?」


「そうね。40年くらい前まではそれも大分激しかったんだけど。吸血鬼の悪行を取り締まる組織が設立されてからはがっくり減ったわね。ま――それでも、血の気の多い馬鹿は今でもたくさんいるのだけど……」


森さんは事務イスから話す。


「力が欲しい――!完全なる不死身の肉体を手に入れる――!太陽を克服する――!……なんて、まあ。目指す吸血鬼は今でもいるのよねえ」


「……香登は違うのじゃ?」

「私?興味ないわ。――まあ、日の下に出られないのはまあ不便だとは思うけど」


カラリと彼女は言う。


「そうか――ふむ……」

「どうしたの?」

「いや、なんでもない。……ちと外に出てくる」

「危ないわよ?襲われたばっかりなんだし、ここでじっとしておきなさいな。いくら最近落ち着いてるとはいえ――始祖の能力を狙ってる吸血鬼なんて山ほどにいるわよ」


森さんはきゅうけつきさんの髪をうりうり――と、乱す。


「ま――こんな可愛い娘が、吸血鬼の始祖だなんて。だれも思わないと思うけどね」

「だまらっしゃい!しかし……検証と言う意味では今日が最適でーーううむ……しかし……」


なにやらぶつぶつと考えているらしい。

彼女……何をするつもりなのだろう?


「そうですよね。こんなにかわいいろりっこの深夜徘徊を放置するなんて、それこそ吸血鬼畜のやることですよ」


「子供扱いはやめいと言うとるだろ!!ーーいやぼけ老人扱い!?……確かに転生したばっかりでべぼ身体能力じゃが……いつか力を取り戻してみせるに決まっておーる!」


「精神も大分……子供っぽくないですか?」

「だあらあそう言うのをやめいゆーとるのじゃ!」

「ああ、気にしてるんですか」

「追い討ちをかけるな――っ!!」



何か、地雷を踏んだらしい。そっとしておこう。



「あ――けど、じゃあね。」


と――森さんがきゅうけつきさんに対して、ある提案をした。

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