表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

12/87

きゅうけつきさん⑥-馬力バツ燃費大バツ


「わしの身体は燃費がだいぶ悪くてなあ、今までエネルギーを節約しとったんじゃが……お前に魔力を貯められるだけぜーんぶ回復してもらったんで、調子に乗ったらすぐ切れてしもうた……すまん」

「…………やれやれ、です」


「………………いやあ、すまんが……また血を分けてはくれんか……?」

「………………えー……………………」


きゅうけつきさんは、ねだる。

ねだっている。……私はぶっちゃけ、困っている。


「……………………………………」


「やめてください、うるうるとした目で私を見るのを辞めて下さい」

「……うるうる……してたか?」

「はい。」


即答する私。

そりゃーもうね。


「……………………」

「はい、どうぞ。……全く、手間のかかるお人ですね」


けれど、まあ。

この人にならいいかなと、何故か私は心でそう割り切れていた。


不思議だった、それは自分でも。


「………………あ、今は……学校帰り……」

「…………?どうした?」


「今、血を出すためのナイフを持ってないんです。……消毒液もないし……そうですね、じゃあ、私の家に来て下さい」

「へーえ?……どんなところなんじゃ?」


「吸血鬼殺し本部です」


一瞬怪訝そうな顔をして、きゅうけつきさんは言う。


「…………吸血鬼を招くのか……?」

「構いませんよ、うちのボスも吸血鬼ですから」


「あ、そーなのか」


とりあえず家に帰ることにしよう、雀荘『雀猫』に。


今日はきゅうけつきさんと、ふたりで。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ