16話 ギルド試験結果
隠しダンジョンを出ると、メイドのクロエさんとリリカさんが、入り口のところで、待っていた。
「お、いたいた」
「ルカ様あああ」
クロエさんは、帰ってくると同時に、泣きながら、ルカに抱きついていた。
だいぶ心配していたようだ。
「ルカ様! ルカ様あああ」
「ええい! 離れろ、クロエ」
「戻ってきてくれてたんですね、ルルナさん」
「エリカさんから、このメイドさん連れて行けば、戦いは、問題ないって言われてきたのだけど、扉が、消えてて、どうしようか、迷ってたところだったの」
中からは、扉が、見えるが、外からは、見えないとは、やはり不思議だ。
「リリカさん、クロエさん、わざわざ、ありがとうございました」
「いえいえ、あっ、そうだ、早く戻って、ギルド試験の報告済ませちゃお」
ギルドに戻り、エリカさんに、今回起きた、できごとの説明をした。
「ふふ、隠しダンジョンには、行っちゃだめと、言ったのに。お二人とも、困ったものです」
顔と声は、おだやかだが、エリカさんは、怒っている感じだ。
「エリカさん、今回は、ぼくの責任だよ、ヒグルマは、ぼくを助けるために、来ただけで、戻るように、忠告していたからね」
「ふむ……」
「今回は、ぼくだけなら、帰ってこれなかったかもしれない」
以外だ、こいつが、こんなこと言うなんて。
「ルカ……デレ期に突入したか!」
「うるさい! ひまわりタイツ!」
俺たちの様子を見て、エリカさんが、溜息を吐く。
「まあ、今回のヒグルマさんの連れ戻す行動は、ちゃんと評価される点なので、合格とします」
「おお、やった」
これで、ダンジョンに入れる。
「しかし、ルカ君は、約束を破り、隠しダンジョンに行ったので、コインを持って帰っていても、不合格です」
「まあ、今回は、反省してます」
「身内でも、試験は、厳しくやらないといけないので、ルカ君、ごめんなさいね」
「いえいえ、ありがとうございます、エリカさん」
「次の月もあるので、その時、また受けに来てください」
「はい」
ふむ、ルカのやつは、不合格か……
「ヒグルマさんもギルドのルールを破るようなら、ギルドから外されたり、ランクが下がったりするので、気をつけてください」
「はい、わかりました」
「それで、これが、ヒグルマさんのギルドカードになります」
「おお」
エリカさんから、一枚のギルドカードが、渡された。
「ギルドランクは、始めは、Eランクからで、E、D、C、B、A、Sランクの順番に上がっていきます」
ふむ、わかりやすい。
「Eランクが、いけるダンジョンの階層は、5階までで、その下の階は、ランクを上げてからです」
下の階層に行きたかったら、ランクを上げるしかないのか。
まあ、おれは、生きていけるだけの金が、稼げればいいから、危険そうな下の階には、別に用ないな。
「ランクは、魔物を倒したり、文字を拾ったり、クエストをクリアをしたら、ポイントになり、そのポイント数によって、ランクの上昇します」
「ん? クエストのクリアなら、わかりますが、魔物倒しや文字拾いは、カウントできないんじゃないですか?」
「ああ、ギルドカード持っていたら、自動で、やってくれるので、問題ないですよ」
自動!?
「このカードに、そんなハイテク機能があるとは、どういう構造になっているんですか?」
「詳しいことは、ギルドカードを作った、博士しか、わかりませんね」
博士、なんでもありだな。
まあいいか。
「クエストは、掲示板に貼っている紙を、カウンターに持っていくと受けれます」
「了解です」
「それでは、ヒグルマさん、ギルドへの加入おめでとうございます」
「ありがとうございます」
やっと、やっとだ。
これで、ダンジョンの文字が、拾える。
「お~い、ヒグルマ君~!」
んっ? この声は、ルルナさんか。
「ヒグルマ君もギルドカードGETしたみたいだね」
「はい」
「さっそくだけど、クエストいかないかい?」
買い物したかったけど、先にクエストやっておくか。
「俺で、よければ、いきますよ」
「おお~よかった、ギルド入ったばかりで、知り合いもいないし、クエスト一緒に、行ってくれる人、探していたんだよ」
まあ、ダンジョンの中は、なにが、あるか、わからないし、一人より、二人のほうが、俺も心強い。
「よろしくおねがいします」
「よろしくね、ヒグルマ君」
ルルナさんは、指を掲示板のほうに向ける。
「さてと、じゃあ、さっそく、最初のクエスト行きますか」
この町で、暮らし始めて、いろいろあったけど、やっと仕事が、始められる。




