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英雄譚  作者: 豊次郎
3/6

善人の夢 (牧師の罪)

おれは夢を見た

何度目かの転生の夢だろうか?


*****************************************


俺は、死刑台の前だ。

上にはギロチンの刃が太陽の光を浴びて光り輝く。

「やあ!今宵は××××牧師の公開処刑にお集まりいただきまして、ありがとう御座います。皆さんも知っての通り××××牧師の罪。〚隠匿の罪〛。この牧師は、なんと!なんと、こんな魔物を匿っておりました。」


処刑場の周りではざわめきが起こる。

それはそうだ。牧師が人種の天敵である魔物を匿っていたのだから・・・

みんなは、私を目掛けて石を投げる。


カッーン。パチィーン。

瞼に命中して血が出てしまい片目が見えない・・・でも、人々の怒りとは裏腹にわたしはそれを、悪だとは感じない。


それは、ちいさな鬼の兄弟だった。

人間たちとの戦いで、両親を失い。村を焼かれ行き場の失ったのを偶然、森の中で見つけてしまった。

知らない振りもできた。気付かない振りもできた。できたが・・・


1人が、熱でうなされて・・・死にかけていた。

わたしは、思わず駆け寄り二人を抱き寄せて教会連れて帰る。

小鬼たちは、最初に私を怖がり、憎み・・・・そして脅えていた。


わたしは、教会での自室で看病をした。奇跡的に死にかけた鬼は回復に向かう。

回復に向かうと、それまで不安と恐怖で一杯だった鬼達も次第に、表情が柔らくなるのが伺えて嬉しかった。


奇跡はそこまでだった・・・・・・・


教会の訪問者に鬼たちを匿っていることがバレてしまったのだ。

わたしは二人を抱きかかえ、そこから、神のいる教会から逃げ出す。

もちろん、小鬼たちには頭巾をかぶせて、鬼と分からないように変装をし町を抜け森を抜け


逃げたことが、バレないように・・・・

と、立ち寄ったある町で、とある村の話を聞いた。

なんでも、魔物を匿ってくれる村が西のほうにあるらしいと・・・・


教会から、首都から遠く離れた村。

そこまで辿り着いたとき、私は村人に宿を借りた。

村人は快く私達を迎え入れてくれた・・・ように思えた。


しかし、私達は銀貨2枚で売られた。


いま、わたしは死刑台の前だ。

目の前には・・・・鬼の兄弟たちの首が並べられている。

鬼と言うだけで殺された。


わたしには、隠匿の罪を認めれば、その罪は許されるという。


≪何の罪を・・・許さるのだろうか?≫


「さてと、××××牧師は3日で見つかりましたので、この賭けは×××と××××様。2人の総取りになります。さて?××××牧師、罪を認めていただけますか?」


司会の男が俺に話しかける。


わたしは、首を横に振る。鬼の兄弟たちが殺された後でわたしは誰に罪を償えば良いのだろうか?


「むむむ、では、強情な牧師に死刑を執行します。死刑執行まで敵中させましたのは××××様だけになります。」


・・・まったく、悪趣味だ。


ここで、未来予知が始まる。

わたしは、首をギロチンで切られるわけでなく、胴体を真っ二つにされる。

切られた後に数分間、痛みと苦痛を味わう。まったく、ほんとうに・・・悪趣味だ。


******************************************


息ができなくなる・・・・

わたしは・・・柔らかい何かで息ができない。



おれは息ができない。

未来予知が始まる。

苦しい。・・・・苦しい。


【おい、シロ。シロ。ムクロが死にかけている。】

ねねが叫ぶ。


おれは柔らかい何かで窒息するところだった。


【むむ、おはようございます。ねね様。】


そこには、15歳ぐらいの少女がいた。

誰だ?お前は。 おれを殺そうとしたのはお前か?


【おや、男の子は胸で抱き寄せられると死ぬほど喜ぶと聞いたがムクロは本当に死ぬのか?】


おれは、赤子だ!しかも、幼女趣味は無い。しかもお前は誰だ?


【わたし? わたしはシロだよ。お前のお守りをしていたら、そのまま寝てしまった。人の恰好をしているほうがお前の世話には何かと便利だ。】


妖狐の変化か? しかし、よく化けたものだ。


【趣味に合わせて耳出し。尻尾出しもできるぞ。】


シロは無邪気に笑いながら、人型のまま耳と尻尾を出す。


ねねがあきれ顔でシロを見ている。

【取り合えず、飯だ。ムクロはヤギの乳だ。シロは昨日の野鳥の残りになる。ムクロには羊の毛で服を作ったから】


今日のねねは機嫌がいい。昨日のキュクロプスの戦いの件で良い事あったのだろうか?


【ああ、供物50人分ぐらいは安い物さ。いい買い物した。これで、カカ様を救いにける目途が立つ。】


シロは目を輝かせてねねに聞く。

【ねね様。カカ様を救いに行けるの?いけるの?】



カカ様?母親の事なのか? 救うて何処に?

シロがスプーンでミルクをすくい俺の口に入れる。

おれはヤギのミルクを飲みながら考える・・・もちろん、良からぬ事しか浮かばないが・・・


【そうだな・・・・あと1、2年も要らないと思う。ムクロの未来予知を熟知してシロの運動性能を上げれば・・・何とかというところか・・・】


シロは元気よく頷く。

【うん、がんばる。カカ様を救出せるるようにがんばる。】


おれは状況がのみこめなく、ねねに質問をぶつける。

ねね。すまないが説明してもらえると助かるのだが・・・


【そうだな、今私達の領土は山3つ分だ。しかし、カカ様がいた頃は見渡す限りが私たちの領土だった。しかし、カカ様が人族に捉えられてからは・・・・この有り様だ。】


人族・・・人間なのか?


【人間の頂点に立つ者たちと聞く。そいつらの王にカカ様は捉えられ今は王の妃の首飾りになっている。】


王はそれほどまでに強いのか?それじゃこの荒廃はどういう事だ・・・

おれは、まだこの世界について知らないことが多すぎるようだ。


ねね、おれを王の都市まで連れて行ってもらえないだろうが?


【もちろん、カカ様を助けるのに下見は肝心だ。ムクロ。お前は少し頭が回りすぎるな。まぁ深く考えるな。都市に行けば全てが分かるさ。】














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