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エピローグ
「終わったみてえだな」
「はい」
「しっかし、こんなめんどくさくてまどろっこしい地獄見た事ねえよ」
「ありがとうございます」
「よくやるわ、こんな事。ところであいつの地獄は無限に続くって事だが、まさか毎度お前が面倒見るわけじゃないよな?」
「もちろん。毎度私がいちいち最後に真実を伝えたり、操として振舞ってたら、他の罪人を裁けないですから。そこは用意した人形に全て任せてあります。一回目だけは、自分の目でしっかり見届けたかったので」
「よく言うぜ。自分が楽しみたかっただけだろうが。お、おいおい。次から次へときやがるな」
「また罪人ですか」
「あーあー。また適当にやっちまうかな」
「先輩」
「んあ?」
「また、試してみていいですか?」
「なんだあ? お前、まだ他にも別のプラン貯め込んでやがるのか?」
「失敗したら、責任はとります」
「当たりめえだ」
「じゃあ、いいんですね」
「……好きにしろ」
堕ちてくる罪人を見て、俺は心の中で呟いた。
――ようこそ、俺の世界へ。
 




