表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

妄想野郎爆進!

小学生の頃ヒーローや戦隊ものに憧れてた。夏祭りの出店に売られていたお面を両親におねだりした。すぐに被っていろんなキメポーズを取って楽しんだ。そこが全ての始まりだった。拙い妄想を文章にしてひたすら自分を強くした姿に酔いしれた。これを今では中二病と呼ぶらしいが、俺はすでに小学校から発症してたからもう末期だ。頭の中でいかに最強を証明するかを念頭に背景や雑魚キャラをぶっ殺す戦闘シーンを相変わらず続ける現在無職の俺はコタツで悶えていた。十二月というのに職探しにも行かずコタツでぬくぬくと過ごしていた。その時、ドアが勢いよく開いた。

部屋の生温さを換気する清涼感溢れる声が響いた。

(つづる)あんた何やってんだい!ぼーっとしたらんと、さっさとハローワーク行きな」

ポニテールが凛と揺れ、ママエプロンのポケットに手を突っ込みながら一喝する母であった。俺はそれでも断固として動かなかった。

「だり〜から行かねぇよ。年末に空いてるわけないじゃん。今日はゆっくり休むっつうの」

顎をコタツのせて欠伸すると手でしっしと退室を促す。

母は無言でコタツをひっくり返した。

コタツアッパーが俺の顎を直撃し、後のベッドへ倒れた。

「ごちゃごちゃ言っとんな」

「ひぃあ、わっ分かりました!行って参ります!」

顎をさすりながらスーツに着替えると逃げるように部屋を出る。駄々をこねると今度は階段から突き落とされそうだ。

身なりを整えてると母親が怒声で「履歴書の書き方をあの娘に教えてもらいな」家を飛び出すと、玄関先一面が雪で覆われてた。革靴で踏み出す度にみぞれ状の雪がびちゃびちゃを音をたてる。

このまま大人しくハロワに行ってもしょうがないので、近くの公園でスマホのゲームアプリで時間を潰すことにした。ゲームの名は「ロードクリエイターズ」道を開拓するゲームだ。ナビゲーターに兎のキャラが出てのだがとてもかわいらしい。アプリを立ち上げると早速流れ星に乗って現れる。

「ログイン7日目ありがとうっす!とっておきのアイテムをあなたにプレゼント!」

舎弟みたいな語尾で喋り終わると宝箱が出現する。開くと材料が貰えた。いったい何の材料か詳細アイコンを開くとコンクリートの材料であることが分かった。

「道造り必須アイテムGETっすね!さぁ、今日も道を舗装しましょう!」

ガッツポーズで笑顔をみせると去ってった。

メイン画面に戻ると新情報が載っていた。メンテナンス以外に大型アップデートに先立っての試作機能を人数限定でやれるらしい。俺は興味に惹かれモニター募集の欄をクリックした。すると誓約書なる文が出てきた。だいたいが読み飛ばしているが気になる文面に差し掛かった。

「尚、現実の区別化が困難になった際はインフォメーションにお尋ね下さい」

(これ、保障効くよな)

とてもヤバい事になりそうな一方、どんなものか気になるリビドーを抑えられずにいる。どうやら中二病を疼いてるようだ。俺は疼気を抑えるようにスーツをコートを羽織り直して図書館へと向かった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ