ひったくり
ある研究所のS博士は不老不死の薬を開発した。
飲むと年を取らないし、死なない薬だ。
しかしこの薬を世界に公開すると、一儲けできるが、そんなことをすれば死者がいなくなり、人は増え
世界は食糧危機に陥るだろう。そう考え、家路を歩いた。
その時S博士の手からバッグが離れると同時に、それを持った二人の若者がバイクで走り去る。
ひったくりだ。
運悪くそのバッグの中にはあの薬が…
「待ってくれ、そのバッグには大切なものが入っている。金ならいくらでもやるから返してくれ」と叫ぶS博士。
「金より大切なものがあるとわかっているから盗んだんだよ」と捨てゼリフを吐き走り去るバイク。
あの薬を知っているなら仕方がない。この世から消さねばならない。
このようなことを想定し、あのバッグにはある仕掛けをしておいたのだ。
チャックを開けた瞬間、爆発するのだ。
家に帰り、やがて爆発音が聞こえたのを聞き安心し寝床についた。