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4日目:海の清掃員 ~その①

翌朝、優雅な太陽の光が海面を金色に染める中、海辺は今日の主役・美波のためのステージに早変わりしていた。

普段は厨房で精魂込めて料理に励む彼女だが、今日こそは「釣った魚で最高の一皿を作る」という新たな野望を胸に、釣り竿を持って海に向かっていた。


しかし、初釣りの舞台は予想外のカオスそのものだった。

春休みに入り「釣った魚で最高の一皿を作る」という思いが急にこみあげる。それ以来ずっと海に行っては釣りをする毎日になっていた。

海辺に到着すると、すでに釣り仲間たちが笑いながら準備を進め、昔懐かしい釣り話に花を咲かせている。

釣りの名人顔負けの風格を誇る一人のご老人が、美波に近づき、にんまり笑いながら

老人「お嬢ちゃん、今日は何を釣ってくれるんだい?こっちは今日も、大物より笑い取りを狙ってるんじゃ!」と冗談を飛ばす始末。

美波「大物?ならせめて魚の大物よ。これじゃ、レシピ帳にない雑貨を釣ってる気分よ」と眉をひそめながら皮肉混じりに返すと、周囲は一層笑いに包まれた。

毎日同じ港で釣りをする中顔なじみになっていた。


早速美波も釣り竿を振るうが、その様子は厨房での華麗な手さばきとは正反対。

竿を構えた途端、なんと釣り糸の先からピョーっと跳ね上がったのは、どこからか迷い込んだと見られる古ぼけたカラフルなパラソル。釣り上げた瞬間、

老人「これ、魚よりもおしゃれな装飾品じゃない?」とつぶやくと、仲間の一人が

釣り人「美波さん、それは昔落としたおじさんのパラソルかもしれんぞ!」と即座に突っ込み。笑いが広がる中

美波「ま、料理でもこのパラソルはアクセントにはなるわね」苦笑いをして挑戦的なジョークを返した。


次には、なんともおかしな展開が! 美波が思い切って竿を引くと、絡みついていたのはどう見ても魚の形をしていない、何かの布切れ。見慣れたエプロンの柄が端に走っているのを覗いた瞬間、釣り仲間たちは大爆笑。中には「これぞ、究極の『エプロンフィッシュ』。君のキッチン魂を象徴しているんじゃないか?」なんて冗談まで飛び出す始末。

美波「いやいや、私の料理の秘密はエプロンに隠してあるんだから!」と言い返しながらも、心の中では

美波「いつか絶対大物釣ってお前らぎゃふんといわしたるからおぼえとけよぉ\\\\\」

と思いながら竿を振るのだった。


そうなのだ、美波は釣りを始めてからまだ一度も魚を釣っていないのだった。

釣れるものと言ったらゴミ、ゴミ、ゴミ、、、、

いつしか海の清掃員と呼ばれるようになっていたのだった。


そして、釣り場の空気が少しずつ温かな笑いに包まれていく中、美波はいつしか目の前の水平線よりも、既に釣り友達との予測不能な笑いあふれる「出会いこそが最高の具材」だという、本当の意味での冒険に気づき始めていた。今日は魚が捕まらなくとも、この不思議で面白おかしい出会いが、後で料理に加える一番の隠し味になるに違いないと。。。。。

いい子たち思うのかもしれない

美波「あのくそジジイども次こそは釣ってお前らの口に嫌味交じりの調味料添えて私の料理を流し込んでやるからな!!」

と思うのだった


こうして、美波の釣りは、一見しただけでは信じられない奇妙なアイテムたちと、笑いと失敗に満ちた劇的な出会いに彩られた。これから釣りの腕が上がったとしても、彼女の記憶には笑いと驚きと闘争心が、忘れがたい宝物として刻まれるだろう。


彼女との出会いは少しだけ、ほんの少しだけ後になるでしょう。

ーーーーー場面は戻りーーーーー


次の日の朝、お母さんに起こされ朝食を食べ顔を洗っていると

おじぃ「さぁ碧海いくぞぉー!!」とバカ高いテンションで竿を持って立っていた。

おじぃ「今日はわしが究極の釣りを伝授する!」と意気込むおじぃに対し

碧海「いや、ただのんびり休みを満喫したいんですけど…」と思う

碧海はこっちに来てから毎日が慌ただしく落ち着いた時間が全くない、たまには一日中寝てたいので

碧海「おじぃ、あたし今日は寝るから話しかけないで」と言うとそこにはもう姿がなかった、、、

再びおじぃが現れたと思ったら隣に汐音も一緒にいたのだった。

私は驚いて二人に口に含んでいた水を吹きかけてしまった


汐音「おはよぉ!!早くいこー」と目をキラキラさせて尻尾を振っている

碧海「なんであんたがうちに居んのよ!」

汐音「昨日おじぃと6時に公園集合って言われて二人で碧海おどかす計画立ててた」

おじぃ「どうだ、おどろいたか?わしにかかればこんなもんじゃ!」と腕を組みながら誇らしげに立っていたら

「ゴツンっ!!」

母「あんたはどこの子誘拐してきたの!!」とおじぃにゲンコツを浴びせた

おじぃ「汐音ちゃんは佐藤さんのとこの孫じゃよ」と言いながら頭を撫でて言った。

母「もしかしてお父さんの名前は勝政くん?」と聞くと

汐音「そーだよぉ!」と笑顔で言った

母「お父さんは知ってるの?」

汐音「行ってきまーすって出てきたよ」

お母さんはおじいちゃんをにらみつけるなり

母「汐音ちゃんの家に行くわよ!」

とおじぃちゃんの耳をひぱって出ていった


汐音「あいかわらずおじいちゃん面白い人だよね」

碧海「それで今日はなんの用で来たのさ」

汐音「えーー!釣りするって言ったじゃんか!」

碧海「だるいんだけど、、、、、今日はゆっくり一日ベットの中で自分の世界に入り浸る日だから無理!!」

断固とした態度で断った。

汐音「ぴえん、かなぴい」とうるうるした顔で碧海をみていたら耳障りなほどの大きな声が響いた

おじぃ「げほほほー!碧海、汐音いざ冒険にいくぞー!」と歯をきらりと決めポーズでおじぃが帰ってきた

碧海「あたしいかないよ?」と言うと

母「汐音ちゃんの親御さんには一日預かりますって言ってきたから行ってきなさい、あんたどーせ一日向こうと同じように部屋でダラダラする気だったんでしょ!」

碧海「だってこっち来てから休まる日ないじゃん」

母「何か釣ってくるまでご飯抜きです!ほら行った行った」といい母は台所へ消えていった。

おじぃと汐音がニヤリとしながらこっちを見た

碧海「おまえらは血でもつながった親子か!あーーーーー!!!」

頭を掻きむしりながら

碧海「用意します!まってて」といって部屋に戻った

やっぱあたしあの子苦手というか生理的に無理かもしれない、私の静かで落ち着いた春休みはどこへいってしまったの?もう休みも終わってしまうというのに。

これもすべてあの二人のせい!!

碧海はイライラしながら用意を終わらせみんなのところへ行った

おじぃ「さぁ、冒険に出発だ!」

その声は昔話の英雄が蘇ったかのように凛々しかった

碧海「また無茶苦茶な一日が始まる、、、、」と呟き玄関を後にした

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