1日目:えーーーー!!!
海辺の町、湖畔の静けさ、そして綺麗な海_自然の中で竿を振るう一時は、少年少女たちの生活に特別な隠し味を与える。
釣りの技術だけでなく、人との絆や挑戦する心を育む世界はは、彼らの成長の舞台である。
この物語は、釣りを通じて少年少女たちの楽しくもドロドロな青春譜である。彼らは時に失敗し、時に笑い合いながら、大切なものを見つけていく。水面に移る彼らの未来は、果たしてどんなかたちをしているのだろうか___。
ゴトゴトゴトゴト....。
揺れる車に揺られて碧海は寝ていた。
母「ねぇねぇ碧海起きて!海が見えるわよ」
碧海「ん〜、もぅ着いたのー?」
私は碧海、親の離婚で母親の実家に引越す最中である。
3月から高校2年生、以前から友達も居なく家でPCの画面上で知り合い程度の人と毎日話す程度のいわゆる陰キャである
そんな私が母親の実家に暮らすことになったのだが....
母「あと30分くらいで到着するからちゃんと起きて起きなさい!」
碧海「だって〜」
母「あんた昨日も遅くまでみんなと話してたでしょ?おじいちゃん古臭い人だからインターネットに理解ないわよ?」
碧海「ママ、ネット環境はいれてくれた?」
母「午後に工事頼んであるわよ」
碧海「やったーーーーーー!!!!」
母「でもご飯の時は絶対スマホいじっちゃダメよ!!おじいちゃんすぐ怒るんだからね」
碧海「おじいちゃんか...」
おじいちゃんは昔から口うるさくて現代離れした原始人のような人だった、ただ優しくていっぱい話しかけてくれて心地よい部分もあるのだが....
とーーーーーにかく!!!レトロ過ぎてテレビですらないTVで見るようなド田舎の一軒家のような暮らしをしてる人だった...
碧海「新しい学校で友達できるかな.....。」
高速を降りてしばらく走ったらおじいちゃんの家に到着した。
おじいちゃん「碧海〜!やっと来たか〜、遠かったじゃろ」
おじいちゃんは満面の笑みで出迎えてくれたのだが....
えーーーーー!!!
その出で立ちは以前とは似ても似つかないくらいハイカラ?オシャレ?若作り?って
困惑したあたしを見ておじいちゃんがニコニコしながら話しを続けたのであった。
おじいちゃん「驚いたか!おじいちゃん碧海に馬鹿にされんように若作りしてみたんだで」
若作りというよりもう誰?いい歳してなんでスウェットにcrocs?それにその髪型は何!?キノコじゃないのよ!何を参考にしたらこんな見てくれになんのよ!
碧海「おじいちゃん、その格好はなんの雑誌読んだの?」
おじいちゃん「じゃじゃーーーーん!スマホ買った」
よく見ると画面には見覚えのあるアニメのキャラクターが映っていた。
スマホの使い方おかしくない?もっと別のサイトとか色々あったでしょ!!
でも待てよ?おじいちゃんがスマホを持ったということは口うるさくなくなっている?
ニヤリと笑みを浮かべた。
母「ちょっと、話は荷物を降ろしてからゆっくりしてちょうだい!」
碧海「は~い。」
母は離婚前までこんなに明るくなかった、、、
父の暴力でびくびくしていたのだがある日ネジが飛んだのだ!
いつも通り母が夕食の準備をしていると父がコップを投げつけて「まだか!はやくしろ」と言うと、母は炒めていた青椒肉絲を父の目の前に持っていきそのまま口に突っ込んだのだ!
そこからはもうフライパン片手に殴るわ叫ぶはで落ち着いたころ母が離婚届を机に置いたのだった。
しばらくはずっと何もしゃべらずうつむいていたのだがある日のこと
母「碧海。きれいな海に行きましょ」と言って母が元気になるならと
碧海「いいよ~」といったのが。。。
そのまま引っ越すことになっていたのだった、、、
母は手続きやら準備を知らない間に進めていて笑顔がやたら怖く感じるのだった
荷物をもっておじいちゃんに案内されるとテレビもある!ジュースや紅茶がある!エアコンがある!
どうしてしまったのだろう?もう歳でぼけたのか心配になってしまった。
でもここは天国ではないか?ネットは開通するしエアコンはあるし私の引きこもりネット生活には静かでもってこいではないか!
あ~おじぃよ、あんたが神様に見えてきたよ。
そんなこんなで部屋に案内されると、、、
え?え?えーーーーー!!!
あたしの部屋!!エアコンは?テレビは?パソコンは?ベットは?
はいはい。畳ですか?障子ですか?ですよねぇ~w
毎年お正月に来てるときに知ってますとも!リビングだけ快適空間ですか?憩いの場ですか?
おじぃ世の中にはね、明るすぎる空間が苦手な子もいるのよ?
はぁ~、住めば都ですよね、頑張ってみますよ。。。
~3時間後~
荷ほどきも終わりインターネット工事も無事終わり
「ついにWi-Fiキターーーーーーーーーーーー!!!!!」
早速ネッ友に近況報告をポストしてみた。
ピコん!ピコん!ピコん!
来た来たと画面をのぞいてみると
A「めっちゃド田舎やんw」、B「スタバあるの?」、C「狩猟民族になる?」
え?やっぱそうなるよね~ハハハ。
ピコん!
D「うちの地元もド田舎ですよ。一緒ですね」
おぉ~心の友よ!お前はいつも味方でいてくれるかわいいやつだな
母「そろそろご飯になるからこっち来て手伝いなさい」
碧海「は~い」
そんなこんなで新しい生活の幕開けでした。
おじぃはいつもと変わらず話しかけてくれる、ゆっくり食べさせて。。。
ご飯も食べ終わりゆっくりお風呂にも入って寝ようと思ったら。
「えーーーーー!!!なんじゃこりゃ!!」
そこにあったのは五右衛門風呂だった。
おじぃ「どうだ碧海、カッコええじゃろ!」
碧海「覗くなスケベジジイ!!」
といいすぐに追い出した。
おじぃ「じいちゃんな、昔から五右衛門風呂が夢じゃったんよ。夜空みながら入る風呂は格別で考え事するにも落ち着くにももってこいじゃ」
というとおじぃはそっと離れていった。
なんかこっちに来てからみんな態度がおかしいんだよな?と思いながらゆっくり浸かってみた。
すると夜の空にあふれるほどの星々が輝いていた。
「凄い。。。」
なにか胸の中でモヤモヤとこみあげるような感情が沸いた。
「きもちーなー」
離婚してから今日まで長いようで短いような日々がひと段落つき今日までの疲れがどっと癒されていく。
お風呂から上がりいろいろなことを思いながらあと1週間後には新しい学校での生活が始まると思った瞬間吐き気がしてきた、、、
布団にはいりながら今日あったことを配信しようかとも思ったけど急に襲ってくる睡魔に気絶するように寝床についたのだった。
この作品を読んでこんな体験はなかったでしょうか?人は時に美しくも汚いものであります。表面上の世界だけが全てではありません、その中で己を見つめ直そうと思い書きました。