クジラは賢い生き物!
あるところに漁師がいた。
漁師は海の生き物を獲って、生計をたてていた。
ある日、漁師のところへ動物愛護団体の人がきた。
「なんで海の生き物を殺すのですか?」
「自分が生きていくためだ。オレは漁獲量もセーブしている。乱獲はしていない」
と説明するも、
「量の問題ではない。動物を殺すなんてよくない」
愛護団体側はとにかく聞く耳を持たない。
「クジラはイルカは知能が高い生き物だ。殺すのは良くない」
「知能が高いから殺すな?大卒は高卒や中卒を殺していいってことにならないかい?」
「っく…!栄養摂取なら野菜やフルーツ…いろいろある! 職だって…」
「アンタらに職業の自由があるなら、オレにだって職業の自由がある…そうだろ?」
けっきょく話は平行線となった。
ところが次の日…。
漁師が海に出ると、昨日の動物愛護団体が邪魔をしてきた。
頭にきた漁師は愛護団体の船を追いかけた。
しばらく鬼ごっこが続いたが…
長年海に出ている漁師に船のレースで勝てるはずもなく…あっさり追いつかれた。
漁師はハラワタに煮えくり返るおもいだったが、なんとかこらえた。
「わたしたちを殺すのか? やはり野蛮なヤツだ!!」
動物愛護団体はギャアギャア喚きちらす。
(そうだ…!)
漁師は愛護団体の船のエンジン室に入り込み………
(そうだな、殺人はよくないもんな…)
ガシャン! ドゴ!!
エンジンだけ壊して、自分の船に飛び乗った。
「お、おい!キサマ! これでは船が動かないじゃあないか!!」
「こんな大海原に…遭難といっしょだ!!」
愛護団体はまたギャアギャア喚きちらす。
すると漁師はこう答えた。
「クジラに助けてもらえば? 知能が高いんだろ?」