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世界の意思にさようなら  作者: ラゲク
第四章 殺人事件
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第34話 ひとりの女として

 静かな研究所内にコツコツと足音が響く、本来なら研究員達で騒がしいこの施設に人が全くいないのは、この時間帯が深夜だから。

「しかし、この能力厄介ね……」

私はアオバサユリ、今この子の身体検査をしているところ。

 

 トガ君には本当のことを言っていないけど、この子は能力者だった。本当はあの区画の人たちは、毒で体が弱っているわけじゃない。だってハツカメの能力では、そんなことはできないのだから……


 この子が怪しいと思った私は、対策課に連れて検査することにした。

何故この子が怪しいと思ったって? 女の勘♡ 


 この子の能力は近くにいる人の生命エネルギーを吸い取り、自分のモノにする力。事件後、区画の人たちが急に体の様子が変になったのは、ハツカメによって傷を負ったこの子が、体を回復するために無意識で発動したのでしょう。そのせいで周りは徐々に体力を失っていったと……


 この件は私と局長、あと研究員数人だけの秘密。無意識に他人を傷つける能力だし、この子をこれ以上傷つけるわけにはいかないしね。まあ、車中能力の効かなかったトガ君にはいつか教えてあげてもいいかな?

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