表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界の意思にさようなら  作者: ラゲク
第四章 殺人事件
32/145

第32話 勝った!

 眩い眼差しを感じる。絶望の淵から一つの光が差し込んだことじゃない

「ちょっと、あんたこれから死ぬってのになんて顔してんの? 頭のネジぶっ飛んでんじゃない? ちなみに冥土のお土産に教えてあげる。この能力別に体内の水分使ってるわけじゃない、ていうかそんなこと考えたことないわ。」

ハツカメがアオバの顔に、酸性のスライムをつけようとする直前、僕はスライム状になった体で、ハツカメの首に巻き付いた。

「んな? あ、あんだ!」

この姿にハツカメも驚いたようだ。


 さあ、お返しだ。たっぷりと味わえ


思いっきり力を入れてこの女の首を締めた。勿論、死なない程度に!


 数分後、顔を真っ赤にして女は泡を吹きながら倒れた。

「よっしゃー!勝ったぞ!」

ドラクエのスライムみたいな状態で僕はピョンピョン跳ねた。意外と悪くない。

 

 もし転生してスライムになっても悪くないなこれは!


「ちょっとトガ君! なになにその姿! じ、じっくり調べさせて♡」

「あ、遠慮しておきます」



 「いったい何があったのですか?」

騒ぎを聞きつけたシシドウさんが駆け寄ってきた。

気を失って伸びているハツカメ、術者がいなくなり動かなくなったゲル状の液体、そして不気味に微笑んでいるゲル状の人間……

「ぎゃああ化け物ぉぉぉぉ」

「お、落ち着いてください。僕です! トガショウです」

「あ、悪霊退散……」

そう言い放ち、すっかり気を失ってしまったようだ。


 すっかり日が暮れてしまった……

ハツカメは簡単に暴れださないように厳重に拘束した。今はまだ能力者の力を完全に封じる術がないため、精神病患者にするような拘束具と目隠しを使った。


 こんなの映画かドラマでしか見たことない……


「早く能力者専用の拘束具を作らないとね! ね、トガ君」

「そうですね、実験には付き合いませんよ」

「ええ、まあ新しく実験材料……間違えた、サンプルも手に入れたしいっか♡」


 人体実験する気満々じゃん……


「おや、私は一体何を?」

シシドウさんが目を覚ましたようだ。もう僕の顔は元に戻っているので大丈夫だろう。問題はこの惨状をどう説明すればいいのやら……僕の能力の事も説明しないといけないし……



 「そうだったのですね。ハツカメさんが犯人だったのですか……」

真実を知ったシシドウさんは、自分にも責任を感じているからか顔に悔しさを出している。

「顔を上げてください。ハツカメの処遇は我々が……それと、ユイちゃんの今後のことについてですが……」

アオバがユイちゃんの身を心配したのかシシドウさん問いかける。この子は今、独りぼっちなんだ。誰かが助けてあげないと……

「我々、世界樹対策課が引き取ります。」


アオバの言葉に僕とシシドウさんは驚きを隠せなかった。まさか、彼女の口からこの案が出てくるとは……しかし、上が許してくれるのだろうか? まだユイちゃんは幼い子供なんだ。支部長のオオモリさんは許してくれそうだけど……


「シシドウさん、最近何か身体に違和感を感じたりしてませんか?」

「ええ、何故か疲れがとれないといいますか……体力を吸われている感じなんです。私以外の者も同様の症状が出ているのです」

「わかりました。まだ、ハツカメの犯行時の毒が残っているのかもしれません」

「ど! 毒ですか! 私たちは大丈夫なんですか?」

毒と聞いた瞬間、シシドウさんは人が変わったように焦りだし、アオバに助けを求めた。


 でも、ハツカメの能力ってそんなこともできるのか?


「ご安心ください♡ 我々世界樹対策課が今後、あなた方を全力で治療しますので、そのためにハツカメとこの子、ユイちゃんが必要になっていくので」

「わかりました。私たちの事、ソノメちゃんのことお願いします」

シシドウさんはアオバに頭を下げ、ユイちゃんを僕たちに預けた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ