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世界の意思にさようなら  作者: ラゲク
第四章 殺人事件
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第29話 事件調査

 「こちらが現場になります」

シシドウさんに連れられて、ぼくたちは現場に到着した。が、特に血痕とか争った形跡もない……


「本当にここで会っているのですか? 事件はつい最近あったんですよね」

不審に思ったぼくは、シシドウさんに質問した。

「ええ、ここで間違いないですよ。警察の方にも言ってあります」

「死体は綺麗って言ったでしょ。現場はここであっているわ。でも、ここまで何もないとはね……予想外だった。よし、目撃者がいましたよね。その方と合わせていただけますか?」


アオバが、シシドウさんにお願いする。現場に証拠はないが、この事件は目撃者がいるのだ。その人に犯人の特徴を聞き出せば、すぐに解決するだろう。ぼくはそう楽観的に思っていた。だがしかし、現実は甘くなかった。


「はあ、ですが目撃者の子はかなり心に傷を負っていて」

「子? もしかして子供なのですか」

「はい、確か10歳くらいの女の子でしたね」

これは厄介だ。まさか目撃者が子供だったとは……

「関係ありません 案内してください!」

もちろんこの女には関係ないことだ。


 区画の端の場所に、女の子とその母親? だろうか保護者の女性が一人いた。目撃者の女の子の名前は ソノメユイ その隣にいる人は、 ハツカメクミ 

 僕たちは心を鬼にして、ユイちゃんに事件当日いったい何があったのか聞いてみることにした。


 「あ、ユイちゃん……事件の日、何があったのか教えてくれるかな?」

僕は彼女の頭の位置まで腰を下ろし、小学校の先生の様に優しく問いかけた。しかし、反応はなかった……。どうやら相当心に傷を負っているらしい……

「すみませんこの子人見知りで、それに今回の件で心に傷を負ってしまっているんです。何か知りたいことがあれば、私がお伝えします。」

ユイちゃんの近くにいるハツカメさんがそう言った。

「もしかして、ユミちゃんから事件の件を?」

「はい、この子私には心を開いてくれるようなので」

これは助かった。僕にはカウンセリング能力はないし、隣の研究者がその心得を持ち合わせているわけがない。

「失礼ですがハツカメさんは、この子とどのような関係で?」

今まで珍しく静かにしていたアオバサユリが問いかけた。

「特に関係はありません。この事件があった後、私たちは会ったのです。」

「なるほど……この子の両親は?」

「いません、災害で亡くしています。なのでこの子は独りぼっちで」

「ありがとうございます。では、事件当日に何があったのかハツカメさんが、ユイちゃんから聞いたことを私たちに教えてくれますか?」

僕たちは彼女から、事件当日ユイちゃんが何を目撃したのか知ることになる。


 事件の日、ユイちゃんは公園で一人で遊んでいたときに事件に出くわしたようだ。恥ずかしがり屋なのと、両親を失ってからか他人に心を開けず、ずっと一人で遊んでいるらしい……


 可哀そうに……でも、ハツカメさんと出会えて良かった。


犯人の顔は見ることは出来なかったが、男性で身長は170㎝程の普通体系のようだ。後ろ姿しか見れなかったので、それ以上の事はわからないらしい。


 シシドウさんかな?


丁度一致するが、あの人が犯人だとは思えない。とにかく、平均的な男性を探していけばいいことがわかった。これだけでも大きな進展だ。


「ご協力感謝します。それでは私たちはこれで」


事件の聴取が終わり、僕はハツカメさんにそう告げ出ようとした。一方そのころ、アオバサユリはユイちゃんのそばでなにかしていた。


 もしかしてカウンセリングでもしていたのだろうか?


「いや~ん ユイちゃん可愛い♡」

違ったようだ。またヤバい女が発動していただけのようだ。少しでもこの女もまともなとこあると信じた僕が馬鹿だった。

「そうだ、お姉さんとデートしようか!」

そういって、アオバサユリはユイちゃんの小さな手を優しく引っ張て、デートに連れて行こうとした時、ハツカメさんが顔色を変え、ユイちゃんの手を掴んだ。

「ちょっと待ってください! この子は心に傷を負ってるんですよ!」

その通り、無理やり連れていくのはかわいそうだ。


 一体、彼女は何を考えているのやら……

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