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アクションRPGの騎士に転移した俺は、敵の悪役神官に転移した幼なじみと、聖女を取り合う! 世界の明暗なんか知るか!  作者: 椎名 富比路


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四天王との戦い

 魔物を蹴散らしつつ、先へ急ぐ。

 敵はスケルトンや大型のクモなど、どことなく古めかしい。


「必殺、幻影斬!」


 俺は半分キャラをずらし、敵に剣を振り下ろす。


 敵の攻撃は俺には当たらず、俺の攻撃はズバズバ入った。


 何もできず、モンスターは消滅する。


 攻撃を打ち込んでいく感覚が、楽しい。


 ゲームの仕様を知っているレンも、同じような「半キャラずらし」戦法で攻撃をした。


「ジュライ、レン。ふたりとも、すごいですね。私にはマネができません」


「うへへ……コホン。俺に任せておけ」


 ウルハたんに褒められて、俺は顔がニヤけてしまう。


 まあ、ウルハたんはNPC、つまり操作できないキャラだ。よって、俺たちと同じ戦法が使えない。


『フォート・ガーディアンズ』の発売元は、日本のインディーズ会社である。

 開発者は「三〇年くらい前、自分がゲーマーだった頃に流行っていたゲーム」を意識して、本作を作ったらしい。

 2Dなのは、予算の都合で3D技術を使ったゲームを作れないからだという。その分、操作性には注意を払っており、「コントローラーでガチャガチャ動かす感じ」を出したかったそうだ。


「レベル上がった」


「俺もだ」


 敵を倒すと、キャラは経験値を積める。一定に達すると、ポイントを一つもらえて、ステータスに振り分けるのだ。


「よし、俺【聖騎士】で」


「防御重視の鈍重タンクキャラか。じゃあ、わたしは【暗黒神官】で、スピードを維持するね」


 このゲームは、ステータスを一定数振り分けることで、キャラのビルド、つまり戦い方の構成を選べる。ステータスの振り分けで、見た目も装備できるアイテムも変わる仕様だ。


「我に加護を!」


 剣に神聖魔法属性を込めて、アンデッド剣士を斬り裂いた。


 俺は持てる装備に影響する【筋力】と、回復魔法を使える【信仰心】に振って、【聖騎士】ビルドを選んでいる。

 同じ【ジュライ】という騎士キャラでも、プレイヤーの育て方で戦闘スタイルが変わる。盾なし剣一本で戦う【剣士】ビルドや、【敏捷性】を捨てて盾とヤリで戦う【フェンサー】ビルドなどにできるのだ。


「死にたい子から、前に出なさいっ!」


 カマの形をした杖を振って、レンは敵のガイコツ剣士たちを葬っていく。遠くにいるゴースト型魔術師に向けて、炎の球体を飛ばした。

 ゴースト型魔法使いが、レンの魔法によってチリに。

 レンは魔法の威力に影響する【魔力】と、【敏捷性】に振っている。これが【暗黒神官】のビルドだ。魔法職だが、中衛で戦闘もこなす、スピードタイプの魔法使いである。これで筋力にも振ると、【ニンジャ】になって前衛にも回れるのだ。


「クリアだけなら、【シーフ】のコジローをニンジャまで育てれば余裕だけど、そんな選択肢はないよね?」


「ないない。エンディングで放浪の旅に出ちゃうし」


 プレイヤーキャラの中でも、【賢者】のリリアとシーフのコジローは、ぶっちぎりで不人気なキャラだ。

 リリアは魔法使いタイプだが、体力もある。初心者向けのキャラなのだが、直属の神の使いだ。聖女そっちのけで、民のためではなく、世界を安定させるために戦っている。

 コジローは上級者向けキャラだが、操作に慣れると一番強い。

 つまり、リリアとコジローはめちゃ強いが、シナリオに絡んでこないのだ。


 この作品の華は、なんといってもウルハたんよ!


「偽りの命を持つものよ、安らかに!」


 全方位に魔方陣を展開し、ウルハたんは周囲数メートルのアンデッドを浄化した。


「すっごい。ハイレベルのデスナイトが消し炭だよ」


「俺たちなんて、及びもつかないな」


 レンと俺は、ウルハたんの強さにうっとりする。


 ウルハたんのビルドは【聖女】といい、すべてのステータスが限界突破していた。殴っても魔法を使わせても、一流である。アンデッド退治も、聖騎士の俺が舌を巻くほどだ。

 それゆえに、イベントで必然的に離れ離れになってしまうが。


 スケルトンが一箇所に密集し、ズタ袋をかぶったガイコツの魔物に変身した。


「見つけたぞ、聖女ウルハ! ワシは四天王の一人、リッチ! 裏切り者のレンを始末しに来た!」


 巨大なガイコツが、俺たちを見下ろす。

 リッチとは、アンデッドの上位存在である。俺たちが戦っていたアンデッドも、コイツが呼び出していたのだろう。


「上等。ぶっ飛ばす!」


 身分を隠すこともせず、レンが四天王のリッチを挑発した。


 さて、こいつまでがチュートリアル……操作に慣れるまでのプレイである。

 ここからは、自分たちで乗り越えなければ。


「ウルハ、魔王の城へ直接向かえ! ここは俺が!」


 いわゆる「ここは俺に任せて先にいけ」イベントだ。この忌々しいイベントによって、プレイヤーは聖女と離れることに。エンディング以外で、出会うことはない。


「気にしなくていいって、ジュライ! 秒でやっつけたら、すぐに再会できるって!」


「このワシを秒で倒すだと? ぬかしおる! 貴様ら、アンデッド兵として聖女と再会させてやろうぞ!」


 リッチの魔力が、膨れ上がった。


「暗黒神官の力、見せてやるっての。イフリート召喚!」


 レンが火の魔神、イフリートを喚び出す。


「アンデッドが炎属性に弱いとは言え、イフリートの火なんぞでワシを」


「ファイアー・エンチャント」


 レンは体内に、イフリートを取り込んだ。


「なんぞ!?」


「からのぉ、強引ラリアット!」


 腕を伸ばし、レンはリッチの腕を掴み、ノドに反対の腕でラリアットを食らわす。



 そう。暗黒神官とは、魔法使いでは珍しく「投げキャラ」なのだ。

ありがとうございます。


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