キモカワグール
「ねーねー、店員さん。なんでこのゴブリン全部キモイ顔してるの?」
「あ、えーっと…あれだよ、それウンコしてるんだよ。ウンコ」
「ふーん」
君のような勘のいいガキんちょは嫌いだよ。
麻痺してるんだもんそれ。
ガキンチョはウンコっていえば喜ぶもんじゃないの?
苦しんだゴブリンの顔が原因だったのか、ゴブリンは売れ行きが悪い。
1人のモノ好きなガキンチョが乱獲しているだけ。
「あー、こりゃフォルム可愛くないと人気でないな」
俺が子供だったらめちゃくちゃ嬉しいけどな、ゴブリンのフィギュア。
可愛い魔物取りに行こう。
サキちゃんに相談してみよ。
「ねね! サキちゃん! 可愛い魔物がいる場所知ってる?」
「え、何する気ですか」
「いやいや…可愛いフォルムの方が売れる気がするだけだよ」
「あー、可愛いって形のことですか。うーん…あ! たしか三蔵寺に可愛いのいますよ!」
「三蔵寺? 商店街近くの?」
「はい、それそれ。行きます? ちょうど今日そこ行く予定なんで着いて来てもいーですよ」
もう山尾神社以外に手を出していたのか…
と言うことで、今日は三蔵寺に挑戦することにしました。
♢
お寺の門前にいつもの受付施設が建てられている。
「あら、フィギュアのお兄さんとサキさんじゃないですか、今日は山尾神社じゃないんですか?」
山尾神社にいた小太りのオーナーだ。
「あら、オーナーこそなんでここに?」
「私、ここの街のキオスクを全て担当しております故」
この施設キオスクって言うんだ、初めて知ったな。
しかし小太りのおっさんには興味がないのだよ。
早々に受付を終わらして門を通ろうとした俺をサキちゃんが止める。
「店長! 待ち合わせしてるからちょっと待って!」
「え? 待ち合わせ?」
誰と待ち合わせ?
もしかして彼氏?
居づら!
明らかに地雷っぽい女の子がキオスクに入って来た。
「サキさんすみませんお待たせしまし、、え、誰こいつ」
入ってくるなりめちゃくちゃ睨んでくる。
たぶんこの子が待ち合わせ相手っぽい。
「なんだ、彼氏かと思った」
「ど、どういうこと?! 彼氏いないわ私!」
「ほほう、で、この子は?」
「この子ね、前のバ先で友達になったカミラちゃん。あと彼氏いないからね私」
友達だなんて! と、照れるカミラちゃん。
サキちゃんをリスペクトしてるらしい。
けど俺はまだめちゃくちゃ睨まれている。
「このおじさん誰ですか」
「この人今のバ先の店長」
「なるほど」
俺も大人だ、挨拶しておく。
「カミラちゃん、よろしくね! 店長の」
「はい」
めちゃくちゃ塩対応。
♢
門を通ると山尾神社とは別の光景が広がっていた。
木々が生い茂っている。
密林だ。
あっちーーー!
「サキさん、私着てくる服ミスっちゃいました」
「脱げば?」
「いや、おじさんいるし」
まだ睨んでくる。
めちゃくちゃ嫌われてるじゃん…
ふざけた会話をしていると横から小さな魔物が何体も飛び出してきた。
「「「ぷぎゃぁぁぁあ!」」」
「店長こいつら! ぷいぷい砲!」
サキちゃんはまたヘンテコなセリフを吐く。
彼女の周りにめちゃくちゃ鋭く回転した岩が地面から突き出た。
それを魔物へと打ち込む。
魔物はえげつない断末魔を上げて吹っ飛んでいく。
「サキさん! すごい! さすが!」
「サキちゃん…またえげつないマホウ使ってんね…」
「サキさんのこと知ってるアピールやめてくれません?」
なんかカミラにめちゃくちゃ対抗意識燃やされてるな俺。
「店長ー、これがグールだよ」
グールの舌を引っこ抜きながら説明してくれる。
「おお! これが生グール!!!」
「ね、可愛いでしょ?」
確かに顔は目がぱっちりで可愛いらしい顔をしているが、お腹がモザイク必須なくらいぐちゃぐちゃなんだけど。
「それ、まだ生きてるから捕獲していいよ店長」
「あ、あのー…いやサキちゃん。もうちょっと保存状態よくお願いできる??」
「えー、めんどいー」
そんなこと言いながら麻痺のマホウを放ってくれた。
やっぱ良い子だなーサキちゃん。
舌引っこ抜きぬがら歩いているのは怖いけど。
近くの麻痺したグールを捕獲する。
「うおおお! すげぇ! グール生で見れると思わなかったわー!」
「店長、私たちこのまま奥まで行くけど着いてくる?」
正直グールの捕獲が終わったからもう帰ってもいいけど今日は休業日だし着いていってみようかな!
「いく!」
「え、くんの? やば」
横のカミラがめちゃくちゃ嫌な顔をした。
俺はそんなの気にしないヨ♪
店長のキャラちょっとキモすぎるかな…