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キョロキョロと辺りを見回すが、ふてぶてしい声の主は見当たらない。
まさか、幽霊だろうか? 鳥人間の次は幽霊……。さらに頭が痛い。
「お主、熱が高いぞ」
「あ……お水でも……」
いきなり額にひんやりした手を当てられ、悲鳴を上げそうになる。
目の前に現れたのはピンクの髪で、フリルをふんだんに使ったドレスを着た幼女。
「何か飲んで寝るのじゃ。いや、食欲はあるか?」
確かに幼女からふてぶてしい声は発せられている。何かの冗談だろうか。
キャパシティを超えているのか、頭がさらに痛くなってくる。
思わず顔を顰めると、鳥人間が水のコップを近くに置いてくれた。その手は見間違いではなく人間の手だ。
毒が入っているかも……と一瞬考えたが、殺したいなら私が眠っている間に殺せばよかったはずだ。思いのほか喉が渇いていて、はしたなくも水を一気に飲んでしまう。
「ちょっとは食べれるかの?」
いい香りが鼻をくすぐる。幼女が差し出した器にはスープが入っていた。
頷いて二口ほど食べると、安心したのか眠気が襲ってきた。
「お主、名前は?」
「……エヴェリーナ」
「ほぅ『生命の源』か。いい名前じゃな」
相変わらずふてぶてしい言葉を最後にエヴェリーナは意識を手放した。
「オルタンスはまだか?」
作業の続きをするスカイラーの対面にシャルロッテはちょこんと腰かけて、クリームたっぷりのココアを飲んでいる。
「他国で仕事してるから……時間かかる……」
「拾ってきたならちゃんと世話をするべきじゃな。あとスカイラー、そのおかしな被り物のせいであの子が怯えとったじゃろうが。外せ、いますぐに」
「え……そ……そんな……無理。他人の前で……これは外せない……」
「目覚めて知らない部屋とソレを見せられる方の気持ちにもなってみるのじゃ。あと、その手! またククココの実を潰しとったんか」
ククココの実は真っ赤で固く、潰すと汁が大量に出る。しかも、汁が手に付いたらなかなか取れない。スカイラーの両手に飛び散っているのはそれだ。よく見るとエプロンにも飛び散っている。
「うん……栄養価が高いから……でもそのまま食べるとマズイ……から……潰して食べれるようにならない……かなって……新商品開発ってやつ……」
「人殺した後みたいじゃぞ」
「え……うそ……あ……だからあの子……『来ないで』って……」
「鳥人間が人殺しとるように見えたじゃろうな。骨でもすりつぶして証拠隠滅しとるように見えたかもな」
「ええ……そ……そんな……」
ガーンと効果音がつきそうなほど分かりやすく落ち込むスカイラー。
「ん、アビゲイルもそろそろ戻るみたいじゃな。まぁ、あの子が死ななくて良かった。今目覚めたなら生存確率は高いじゃろう」
「うん……生きてたね……良かったね……」
「ま、まだ熱があるみたいじゃし。これからが大変じゃがのぅ。それは妾達の知ったことではないわ」
突き放す物言いをするものの、シャルロッテは心配するかのような眼差しで眠るエヴェリーナを振り返った。
「オルタンスってスパルタ……っぽいよね……」
「死ぬなよ、エヴェリーナとやら」