隣に住む君とのご飯から始まるラブコメなんて起こるわけ無い
初めは、マンションの廊下ですれ違えば会釈するくらいの関係だったはずだ
なのに何故俺は今となりに住んでるクラスメイトの女の子の家政夫をしているのだろうか?
「壮太郎くん壮太郎くんご飯はまだですか?」
先ほどからご飯の催促をしてくるのが、雇い主の
丸橋 結芽だ
「まだもう少しかかる
おとなしく待っていてくれ」
「なるべく早くしてください
お腹が減りすぎて死にそうです」
なぜこんなことになったのかは一ヶ月前に遡る
その日はテストの最終日だった
テストか終わり浮かれるクラスメイトを横目に
帰宅する用意を済ませ学校を出る
そしてテストを頑張った自分にご褒美で
好きなものを好きなだけ作り食べようとスーバーに寄り食材を買って帰った
アパートに着き部屋の鍵を開けようとしたときだった
となりの部屋の女の子が玄関前で倒れていることに気づいた
慌てて駆け寄り
「おい! おい!
大丈夫か? 大丈夫なら返事をしろ!」
女の子のお腹がぐぅぅぅという音が聞こえてきて
「お お腹が減りました~」
とか言う声が聞こえてきて
ふっと力が抜けたのを感じながらその女の子を良く見ると同じクラスの丸橋夢芽だったので
ご飯を今から食べるが家に来る?
と聞いて
来るとのことだったので今度こそ鍵を開けて部屋に入り手早く手洗いうがいを済ませ
エプロンをかけてキッチンに立つ
「丸橋さん手洗いを済ませてリビングにでも行ってまっててくれ」
「えっ? なんで私の名前知ってるんですか?」
「そりゃクラスメイトだからだが?」
「ごめんなさい私名前分からないですあなたの」
「そうか
まぁ俺の影は薄いからな仕方無い
俺の名前は夏目 壮太郎よろしく」
「はい! よろしくお願いします
壮太郎くん」
「自己紹介が終わったところで
手洗いうがいしてリビングで待っててくれ
ぱぱっと作って持っていくから」
「すみませんらありがとうございます」
壮太郎は適当にスーバーから買ってきたものから
適当に料理を作りリビングに運ぶ
「お待たせだ」
「おー!!
待ってましたよ壮太郎くん!
ずっとキッチンから美味しそうな匂いがしてたので我慢するのが大変でした!!
ハンバーグにオムライス青椒肉絲に麻婆豆腐
スースにサラダまで
最高ですよ壮太郎くん!!」
「ならよかったよ
冷めないうちに食べてくれ」
「はい!
いただきます!」
あっという間に3人前以上作った料理が丸橋さんの胃にどんどん収まっていく
美味しい美味しいと言いながら食べてくれるので
料理を作った甲斐があったてもんだ
「ふーう
もうお腹一杯です
これ以上は入りません
美味しすぎて食べすぎてしまいました」
「良かったよ
美味しそうに食べてくれてありがとう
何だかこっちまで嬉しくなったよ」
「いえ
私の方こそありがとうございます
こんなに美味しいものを作っていただいて」
「料理は好きなんだ」
「そうなんですか!
私は食べるのは好きなんですけど
自分では作れなくて
あっそうだ!!
壮太郎くん月に12万円を払うのでこれからも私にご飯を作ってくれません?
材料費も私がもちろん持ちます」
「そんなに美味しかったのか?
そう言ってくれるのは嬉しいし
お金を貰うとかは取り敢えずおいといて
作っても良いぞ
丸橋さんの食べる姿は見ていてとても癒される」
「作ってくれるんですか?
じゃあお願いします!」
「あぁ任された」
こんなことがあり丸橋さんに料理を作るようになり丸橋さんの部屋にお邪魔したとき
私生活のダメダメさが垣間見え
部屋を見られた丸橋さんが掃除などもしてほしいとのことで家政夫みたいなことをすることになったのだ
案外丸橋さんとの生活は悪くないと思ってしまってなんだかんだ一ヶ月過ぎてしまった
「丸橋さんご飯できたから運んで」
「任せてください!
やっぱり美味しそうです」
リビングに移動し何時ものようにとなりに座り
テレビを見ながらご飯を食べる
「「いただきます」」
「うーん
やっぱり壮太郎くんのご飯は美味しいです!
こんな日がいつまでも続けば良いなって思います」ニコ
「そうだな
こんな生活が続けばなって俺も思うよ」
この時の言葉通り二人はずっとこんな生活を続けてなんだかんだで結婚して二人の子供に恵まれ
今より更に幸せになることなんてまだ二人は知らない