3 騎士、アランの誕生
俺が完全チートヒーラー少女、ミカを造り出してから一週間。
俺は新しい仲間を、命を造ろうとしていた。
この日を待っていたのだ。
MPが完全回復するのに一週間かかることを知った
俺はレベル上げをしまくった。
今はミカになんとかしてもらっているがいかんせん戦闘力がない。
俺はレベル2の雑魚。ミカはレベル∞でありながらも
戦闘力はほとんど無いに等しい。
これはマズイ。マズすぎる。
何故ここまで焦っているか。
その理由はこの地にあった。
一日目の昼は兎以外いないかと思ったが、
夜になると場所が変わったかのように変わる。
モンスターがとんでもないくらい出てくるのだ。
しかも強さも尋常じゃない。
沢山のモンスターがこれはバグか?と思うくらい強い。
ミカがいなければ俺は30回は死んでいただろう。
なんとか一日目を生き抜いたとき、俺はマズイと思った。
このままでは確実に死ぬと。
だからこそ死に物狂いで昼は兎を狩りまくり、
夜は狂人かのようにモンスターを狩りまくった。
そのお陰か素材は山のように集まり、
レベルはまさかの58まで上がった。
だってそうしないと死んでたんだよ!!
まぁだからこそ俺は次の奴は絶対戦闘特化にするって決めてたからな!
俺はドサドサとモンスターからのドロップ品、
剣や鎧、槍とかを一ヶ所に集めた。
俺やミカでは重すぎて持てなかった大剣や鎧も全て突っ込む。
本当なら持ちたかった武器達を全て素材に使う。
だってカッコいい武器はロマンだろ!?
でも5歳の俺には使えない···割とガチで泣きそうになったけどね。
血を一滴垂らして命を造る。
魔力も1だけ残して全部つぎ込む。
コイツが俺達の生命線だからな!
出し惜しみなんてしねぇよ!!
魔法陣が現れてまた眩しい光に一瞬包まれる。
そして現れたのは···
「主様。」
「···初めましっ···て。」
ガクンとまた膝が崩れて、フッと倒れかけた。
今度支えてくれたのは、側に居たミカではなく
まだ名前のない美しい黒色の髪に、赤い瞳の男の人だった。
男の人は銀の鎧を身に纏い、瞳はどこか無気力だった。
「大丈夫ですか?主様。」
「うん、ありがとう。降ろしてくれる?」
「はい。」
「···ありがとう。ステータスを見せてくれる?」
「はい、ステータス。」
淡々とした口調で男の人は唱えた。
レベル ∞
名前 なし
年齢 なし
種族 龍魔人
HP ∞/∞
MP ∞/∞
魔法 バーサーカー
炎魔法 S級
雷魔法 S級
嵐魔法 S級
スキル 剣術
槍術
肉壁
守護
···凄いな。
俺はただただ感心した。
シンプルに強い、騎士だ。
ミカの時のような分かりにくいものではなく、ただただシンプル。
俺はスキル肉壁と守護に触れてみた。
《スキル【肉壁】
守ると決めた者を体を使ってでも守る。》
《スキル【守護】
守ると決めた者を守るとき、
通常の2倍以上の力を出すことが出来る。》
······これは、自己犠牲の精神って感じだ。
守ると決めた者を身を呈してでも守り抜く。
まさに騎士に相応しいスキルだ。
···少し無気力な感じが気になるけれど。
「見せてくれてありがとう。貴方に名前をつけてもいい?」
「···喜んで。」
「うん、じゃあ貴方はアランだ。よろしくね、アラン。」
「主様のお心のままに。」
俺は新しく騎士アランを仲間にした。
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