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その31 猫魂総合病院、望野宮神社


 病室のドアを勢いよく開けるシロネ。その後ろにはコブタエがいる。

「クロネ!」

 ベッドの上には全身を包帯でグルグル巻きのシノブの姿が。その傍らには頭に包帯を巻いたクロネが座っている。

「兄さん! コブタエちゃんも」

「無事でよかった……」クロネを抱きしめるシロネ。

「シノブが守ってくれたんだ」

「シノブ、本当に感謝する」深く頭を下げるシロネ。

「シロネさま…」起き上がろうとするシノブ。

「だめだよ、まだ寝てないと」

 クロネはシノブを止め、布団を掛け直した。

「兄さんも無事でよかった」

「俺は…コブタエに助けてもらった」

「ありがとう、コブタエちゃん」

「いえいえ」照れるコブタエ。

「でも、試験に必要な金平糖、使わせちゃったな。本当に済まない」頭を下げるシロネ。

 コブタエは笑顔で答える。「大丈夫。また今度がありますから!」

「コブタエ…」

「お二人の無事も確認できましたし、私はこれで」

 コブタエは笑顔で手を振り、病室を出て行った。


 望野宮神社の境内を走ってきたコブタエ。本殿入ろうとして立ち止まると、手元の受験票を裏返した。

 「上級試験のチャンスは一回のみ」の文字がある。

“また今度なんてない…もう、お二人に合わせる顔がない”

 コブタエはトボトボと去って行った。


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