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その25 犬狛国宮殿・庭
コブタエがどう過ごしているかと気になったシロネは、再び犬狛国の宮殿を訪れていた。
庭を歩いて玄関へと向かう途中、猛スピードで走るコブタエに遭遇する。
「コブタエ!」
「…シロネ!」急ブレーキをかけて止まるコブタエ。
「勉強、ちゃんと進んでるか?」
「あ、あの…」
「へえ。金平糖が受験に使う最後の一粒になってるな」コブタエのベレー帽を見て、うれしそうに言うシロネ。
「ええ、人助けで使い切り……そうじゃなくて、大変なんです!」
コブタエは、さっき蔵で見たことをシロネに話した。
ずっと不機嫌な顔のシロネ。
「スパが犯人だとでも言うのか」
「だって変です。この前だって、王女の部屋のベランダから降りてきました」
「仕事してただけだろ。缶切りのことだって突き止めたから確認してただけだ」
「でも逃げるのは怪しいです」
「俺は部下を信じる」後ろを向くシロネ。
「ともかく缶切りは探さないと」
「王女の許可を得て、俺が蔵で探す」
「じゃあ私も」
「ノーサンキューだ」
コブタエ「シロネ…」
去っていくシロネの後姿を悲しそうに見つめるコブタエ。
“私は信じてもらえないのですね…”




