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その24 犬狛国宮殿・蔵
蔵の中で缶切りを探しているスパ。
懐中電灯を持ったコブタエが入って来て、辺りをぐるりと照らす。
茶箱の影に姿を隠すスパ。
「広すぎますねえ。また後ほどに…」
懐中電灯が消え、コブタエが蔵を出て行く音がした。
「ふう。助かったぜ」
ほくそ笑むスパの後ろに仁王立ちしているコブタエ。
「…するわけはありません!」
「うわあ!」
反射的に、高く積まれた段ボールの上に飛び乗るスパ。
「スパさん、ここで何を」コブタエが睨みつける。
「ク、クロネさまを探しに」
「こんな閉鎖空間、あなたなら、ひと嗅ぎすればわかるのでは」
「ちょっと風邪気味で…」
「シロネの命令で缶切りを探しに来たのかと思いました」
「そ、そうです、それです」
「あら。間違えました。シロネは缶切りのことを知りません」
「あ…」しまったという表情のスパ。
「なぜあなたは知ってるんですか?」
「ちょ、ちょっと急用が!」
上部の小窓を破り、走り去るスパ。
「大変です! 早くシロネに知らせなくては!」
コブタエも急いで蔵を出た。
スパが、猛スピードで建物の屋根から屋根へと渡っていく。
「こうなったら早めに始末するか…」スパは苦々し気につぶやいた。




